再びマンゴの登場。
一つを掌に載せると、余り大きくない手の私は、指をいっぱいに広げて丁度のっかる。
手首が下に下がるようなずしりとした重さである。
さぁて、皮むきをどうしようか・・・
取り合えず、輪切りにして剥きやすい大きさに切る事だ。
穴あき包丁の大きい方で、真ん中にそろりと切り口を作り、そこからゆっくりと切っていった。
調子よく実を切る手応えがありすとんと、まな板に包丁が着くと予想していた。
何とした事だろう!
あるところまで進むと、まるで岩に突き当たったような感触で包丁が止まってしまった。
そこで、マンゴをまな板の上でまわしながら1周させて、そこから皮を剥き始めた。
オレンジ色のジューシーで厚みのある実がグリーンの皮の下から現れる。
いい熟れ具合である。
わくわくしながら、皮の剥いたところから、不そろいだが大き目の一口大に切っていった。
こびり付いていた実を、スプーンで落とし、これは後でヨーグルトと混ぜて食べれるように小鉢に取った。
それからが正体見極めたさに、ステンレスたわしでごしごし丹念に擦り取った。
9×5×2cmの大きな種だ。
トンカチで敲いても割れそうのない固さである。
片方に白い麻のような繊維があるのに、まわり全体にはない。
どんな役目を果しているのだろうか。
果物の種で、こんなに大きなのは見たことがないので、このまま乾燥させて暫く様子を見ようと思っている。
冷たく冷えたマンゴは、甘味と酸味が程よくマッチして、肌理の細かい、もちっとした歯ざわりで、喉越しがとてもよかった。
大きな種への好奇心と共に、忘れられない果物となった。