超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

「誘惑者の日記」の読後感

2023-08-25 18:17:19 | 無題
キルケゴールの「誘惑者の日記」を読み終わる。
婚約者の横で、あれこれ夢想している箇所はよかった。
だが、作者は、婚約者のほうから、結婚を破棄するように
仕向け、これで結婚に縛られず永遠に結ばれる
などと手紙を送りながら、最後には彼女にはもう
関心がない、とか言って終わる。
実際のキルケゴールは婚約破棄した後も生涯
恋人レギーネを思い続け、
レギーネのほうも寛容な夫と結婚した後も、
キルケゴールのことを気に掛け、
夫婦で、レギーネと和解してくれないかと
頼みに行ったりしている。
一番、心の器が大きいのは、この寛容な夫
ではないか。キルケゴールは生涯、この
恋愛沙汰を繰り返し作品化し、没後、
全所有物はレギーネに譲ると遺言している。
何とも厄介な性格であるが、何故か憎めない。

一回の恋愛沙汰を棒に振り以後は未練を作品化する
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歳時記俳句・水澄みて

2023-08-25 00:04:03 | 自作俳句
町に来る集中豪雨秋の雲
秋の晴れ素顔に帰る昼休み
水澄みて瞳の奥に映る草

宵空を見上げて旨し月見豆
普段着の笑顔にどこか秋意差す
服装も印象深き美術展

爪紅で遊んで笑う午後写真
物思い忘れた頃に木槿咲く
団栗を時折見かけ草落葉

晴れ渡る日に影が差す水引草
陽だまりに夢見て咲けり鈴子草
爽やかな風連れて来る薄荷花
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