<文章と写真は全く関係ありません>
ウラ話
一難去っての初顔合わせ③
あまりにゆっくりのおばあちゃん2人の台詞。
とはいえ、
年上の役者さんに、失礼なことは言いにくい。
いやそれ以上に、
こんなことを役者が心配すること自体、僭越だろうか。
演出家に失礼だろうか。
と、かなりこれも悩みました。
でもこれは、比較的早く、安心材料が見つかりました。
挨拶代わりにLINEのやり取りをしたときに、
わかったんです!
彼女たちはキャリアのある人だったんだ、って。
これなんです!!
歳をとった役者さんの「あるある」なんですが、
不思議なことに、
キャリアがなければないほど、
頑固で、言うことを聞かなくて、努力をしない。
最近はシルバーの演劇学校がたくさんあるので、
こういう人が大勢いるんです。
ほとんど素人みたいな人が、
演出家のダメ出しすら聞かなかったりします。
でも反対に、キャリアのある人は、
ちゃんと人の話も聞くし、柔軟だし、努力もする。
だから、その後の彼女たちの努力が素晴らしかった。
積極的に「ばあちゃんズ自主練」したり、
私のアドバイスも真剣に聞いてくださって、
本番では見事に、
テンションとテンポのばあちゃんズ、炸裂できました!
<つづく>
ウラ写真
出を待つ
今日はかなり細かい、
ある意味どーでもいいところをご説明しようかと・・・。
なんか、コートをいじっています。
なぜなら、しのぶ役の蜂丸明日香ちゃんは、
ここではコートを脱ぎながら登場するんです。
バッグも持ちながら、さらっと、
日常の動作のように脱ぐのに、
意外に苦戦していました。
自分のものなら扱いなれているけど、
衣装って扱いにくいものがあったりするんです。
サイ子さん(秋元和子さん)も、バッグの持ち方がなんか不自然。
おばあちゃん達はエコバッグを持っているんですが、
このエコバッグから、ジャムなどを取り出すのが、
思ったよりもずっと大変だったようで。
ふにゃふにゃしているエコバッグを、
どう置いて、どう取り出せば、重いビンがすっと出るか。
その研究の結果の持ち方で、
そでからずっとスタンバイしてるんですね。
もう一人のおばあちゃん、志野役の矢口博旅香さんも、
タケノコや干し餅を一瞬で出す方法を、
ずいぶん研究していました。
ものがうまく出ないと、そこで会話も止まるし、
テンポが落ちてしまう。
それぞれ、イロイロ、見えない苦労があるんです。
そういえば、けっこう拡散してる?この写真。
この臨場感、思わず笑っちゃいますけど、
ここにも瞬間芸が潜んでいます。
由紀が水の入ったコップを持って走ってくるんですが、
この時の由紀の「持ってきました!」を入れるタイミングが、
ピンポイントで、いつも見事に決まってたんです。
ここで間を外されると、全部のテンポが狂ってしまう。
いつも気持ちいいところでスコーンと入れてくれて、
(よっしゃぁ)って気分で、
「よし、そこ置け!」と叫んでました。
(その割に、後で私が噛んだりしてたけど)
<つづく>