再掲載のネタです。知ってる方はごめんなさい。
昨日1日空いてしまったので、
忘れた方は一昨日の記事からご覧下さい。
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明石スタジオさんの楽屋は、
入ったところに、かなり広い部屋がひとつと、
その奥に小さな部屋がもうひとつ。
で、私は、もう1人のベテラン女優さんと2人で、
その小さい部屋を使っていました。
といっても、個室というより、
奥のコーナーといった感じ。
そして公演がスタートしました。
そのあたりからです。
「・・・ここ・・・、いるね」
といった話題がチラホラと、
一部の人間から出始めました。
「やめてよぉ~、そういうの極端に弱いんだから!」
なーんて言いつつ、
軽くいなして、聞かぬふりをしていたのですが・・・。
たしかその日は、昼夜の2公演があった日で、
その間に、コンビニにお弁当を買いに行ったんです。
私たちが、公演中、一番通う所はどこか、
っていうと、
まず間違いなくコンビニなんですね。
お弁当やらお茶やらお菓子やら。
ちょっと外の空気に触れるためにも適当な距離だから、
みんな、せっせと通います。
中には、主催サイドから、
お弁当などが出る公演もありますが、
基本、自分の食べ物は自分で用意します。
(小劇場はお金ありませんからね)
で、そのときも、
毎度おなじみ、コンビニのおにぎりをぶら下げて、
楽屋に戻ってきました。
だいたい楽屋の席って、
若手ほど入り口の近くなんですね。
このときも、一番若手の男の子が、
ドアのすぐ脇に座っていて、
私を見た途端、
「あれーーー?? 望子さん!!」
と叫んだのです。
「なに?」
「あれ?? 今、どこにいました?」
「この袋見ればわかるでしょ。
コンビニに行ってきたのよ」
「今・・・帰ってきたんですか?」
「そうよ」
「・・・・・・」
「どうしたの?」
「ほんのちょっと前に、
望子さんの席に、女の人が座ってたんです」
「・・・・・・(声が出ない)・・・・・・」
楽屋を見渡すと、休憩時間のため、
全員外出中で、いるのは彼と私だけ。
(わ、わたしの、せ、せきが、おすきですか~)
「あーーん。どうしよ~~。
あの席、やだよぉ~。こわいよぉ~」
「大丈夫ですよ。
もう気が済んで、帰っちゃってますよ」
「ほんと? ホントにそう思う?(半泣き)」
「オレ、なんとなくわかるんです。
さ、安心して座って下さい。大丈夫です!」
今思えば、ここで大騒ぎをされると面倒だ、
と思ったのかもしれません。
とりあえず、なだめとけ、って。
でも、私は実に素直に信じましたよ。
もちろん!
だって、その席に座らなければ、メイクもできないんですから。
でも、それ以降、絶対に1人にならないよう、
誰彼ともなく、くっつきまくっていたのは、
言うまでもありません。
そして、その方も、ありがたいことに、
それ以降、お出ましにはなりませんでした。
(私がニブいだけだったのかも、ですが)
でも、その公演自体は、とっても評判がよく、
ずっと満員御礼で盛り上がりました。
きっと気に入ってくださったのでしょう。
松井須磨子のお弟子さんの、明石澄子様、
あなたのお作りになった劇場は、
たっくさんの後輩たちに愛されて、
これからも、
たっくさんの後輩たちの思い出の中に残っていきます。
どうぞご安心くださいませ。
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