望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話・認知症老人を作る!(その2・姿勢)

2015-02-13 23:56:31 | 舞台・ウラ話

認知症の方たちが、
普通にやっていることを、

我々が演技としてやるとなると、
これが非常にむずかしい、
 ・・・と、身を持って知りましたが、

もうひとつ、
お年寄りがずっとやっていることで、
我々には非常にキビシいことがありました。


腰の曲がったお年寄りって、
よく腰が痛くならないな、
って思いません?

いや、きっと、痛いと思うんですが、
まっすぐに伸ばすよりは、
たぶん楽なんでしょうね。

でも、それを演技として作ると、
そりゃぁ、痛いのなんのって!


今回、観て下さったお客様が、
開口一番に、

「腰、大変でしょう」
と心配して下さいましたが、

はい、本当に大変でした 

私が作ったのは、
ほとんど90度に、腰の曲がったお婆さん。

で、皆さんが心配して下さった通り、
稽古の途中から、
地獄のような腰痛に悩まされました。

腰を曲げた上に、
高齢者のバランスの悪い体で、ヨタヨタ歩くから、
当然といえば当然です。

稽古してるときは、全然感じないんですが、
(役者はみんなそう)
終わって、家に帰ったあたりから、

もう、グギグギ。

 そう、グギグギって感じで


このままじゃ、本番まで持たないと思って、
しっかりしたサポーターを付けていましたが、

一向によくならず。


本当にこれ、千秋楽まで持つだろうか?

もし持たなかったらどうしよう、

と、かなり深刻な状態でした。


これは衣裳が決まったときの写真なので、

あまり腰を曲げていませんが、

芝居ではもっと極端に腰を曲げて、
ずっと、手を前に出して、
歩いていたんです。


ところが、

例の、稽古を見て下さった、
特養のスタッフさんが、ひと言。

「お年寄りって、皆さん、
 腰に手を当てて歩いてますね」

おおおおおおおおおお!

つまり、これですよ、これ!

(勝手にパクってきた写真です)


やってみたら、ああら不思議。
地獄のような腰痛はどこへ、
・・・とまではいかないけど(笑)

ぐんと楽になりました。

それで、無事、千秋楽までもったのです。


いやぁ、しかし、やはり・・・、
あのスタイルには意味があったんだ・・・。

人間の適応力、おそるべし!

と、妙に納得したのでありました。






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