羊飼いな日々

仕事も家庭も子育ても、
のんびり気ままに行きましょう~

お年寄りとの関わり

2007-01-29 21:57:54 | 活動・手仕事講師

本日は、特別養護老人ホームでの仕事でした。羊飼いは、こちらへ通い始めて5年になります。もちろん、最初はお年寄りに対しての知識などはなく、その都度手探りで指導してきました。

昨年ホームヘルパー2級の資格を取得し、介護の技術・心構えなどを習い、そういうことだったのか・・と納得のいくことがある反面、お年寄りに対して、知識や技術でまかなえないような、心や尊厳についても考えさせられてきました。実際にお年寄りを前にして習ったようにいかないことも、体験しました。知識で対応すると、介護経験がない分、結局一人ひとりが見えなくなってしまうのです。

今、こちらのご縁で、春から新しい施設が開所するということで、勤めさせていただくことになり、少々緊張もしています。せっかく取得したヘルパー2級でもありますし、介護についても勉強のつもりで働きたいと思ったのです。

しかし、私の扱いはまったくの素人扱いです。5年間、身体の世話はしなかったとはいえ、関わってきたことはなんだったのかと思います。これは、施設で介護者として働いていなかったので、あたりまえといえばあたりまえですね。施設では介護というのが、車椅子の移乗とか服の脱ぎ着、おむつ交換、機械浴・・こういうものを基本になりたっているのです。だから、私のような素人さんは、急に働きにこられても困るというわけです。なので、研修という名目で2月には何日かパート勤めをすることになりました。一日の流れを体験して学んでくださいということでした。要は、介護の仕事を甘くみるな、ということなのでしょう。

甘くみているつもりはありませんでしたが、とまどいは隠せません。勤めるところは、小規模多機能型居宅介護施設なのですが、自宅と同じような家庭的な雰囲気を目指すという説明であったので、そのつもりだったのです。これは、私の世間知らずな甘さでもあるのでしょうね。実際の利用者さんは、介護度の重い方や、認知症の方が主になるはずですから。

少々気の重い仕事になりますが、これからの取り組み、特に自分の道を考えた時、目指すべき道が他にあることが救いになっています。介護自体を目標として定めてしまうと、3年後に介護福祉士、何年かしてケアマネージャー・・と流されていくでしょう。もちろん介護の仕事は、とても大切な仕事です。問題はどうあれ、今現在介護されなければならないお年寄りがいる限り、必要な仕事です。しかし、もっと根本的に救う道はないのでしょうか。もっと以前に何かあるはずです。

言い方が悪いかも知れませんが、お年寄りをターゲットの介護産業、薬漬けの医療は、本当にどうにかしなければなりません。誰でも尊厳をもって生きる権利があるのです。そして尊厳をもって生を終える権利があります。

真の癒しを求めて、今年から勉強するつもりでいます。そのためにはまず、現場を知らなければならないのですね。その必要があるから、する。すべき事をするということ。とにかく今は進まなければならないのですね。

Img_1796 本日は、お年寄りと、マフラーを編むことを通していろいろなお話をしてきました。たとえ1週間に1度、1時間きりの作業であっても、継続して続けていることは、お年寄りの力となっているはずです。先日足を骨折された認知症のKさん。今日は通院ということで、玄関でお会いしました。すると、にこやかに「今日は編めなくて残念だねぇ・・」とおっしゃったのです。かなりImg_1795進んだ認知症であるにも関わらず、私の顔を見てパッと思い出されたようなのです。知っている顔を見ることの安心感があるようで、手をにぎって離さないのです。毎週会っているということもそうですが、手を動かして物づくりをしていることの効果なのでしょうか。その作業と私の顔が、どこかにしっかりと刻まれるのでしょう。

そのような取り組みは、介護者としての経歴にはならないよ うな、些細なことではありますが、子育ての結果がすぐに目に見えずに長い時間がたってからわかるのと同じように、後からわかることなのではないかと、思っているのです。継続の力ですね。それが、今の、私にできるお年寄りとの関わり方です。(もちろん、現場でお年寄りを介護されている方々には、日々頭が下がる思いです。)

お年寄りが大切に編んだマフラーと帽子は、作品展などで販売しています。それがまた、作る張り合いになるのです。そのような、関わり方も、あります。これからも、いろいろと模索していきたいです。