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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

「留魂録」の義

2011年09月08日 | 中学受験 行雲流水録
今年は、9月とはいえ残暑厳しく、秋の訪れは10月を待たねばならないようです。10月と言えば、その30年の生涯を自意識過剰と言うほど熱く駆け抜けた吉田松陰が処刑された月です。以前、私は松蔭を白皙の隠者然とした国士と思っていましたが、よくよく見るとその生き方は、賢くはあるのですが熱血漢そのもの。どちらかと言えば子どものように純粋な行動の人だったようです。 そんな松陰は、処刑される前日、門下生に向けて . . . 本文を読む

あの夏の日々

2011年08月06日 | 中学受験 行雲流水録
季節外れの台風に見舞われた7月も終わり、8月を迎えて空には入道雲がわき上がり、甲子園大会も始まりました。思えば、あの三沢高対松山商の再試合の日も泳いでいました。 島にいたこの季節は、ほとんど毎日海の中。さすがに浜の子たちと違って朝から出かけることはなかったけれど、昼ご飯もそこそこに自転車に飛び乗り、浜まで7分の距離を一目散に下りきる日々でした。 そんな自分の遊びさえ考えていれば良かった夏は、私 . . . 本文を読む

ザクロの木

2011年07月12日 | 中学受験 行雲流水録
我が家の前には私たちが浜と呼ぶ港へ続く田舎道が通っていた。その道は、ワイワイガヤガヤ同級生達がにぎやかに登下校する道でもあったし、町の魚市場へ大敷(定置網)で獲れた魚を運ぶ道でもあった。どちらにしても、ど田舎の割にはにぎやかな道沿いに我が家はあったことになる。 そんな我が家の道を挟んで向かいの家は郵便局のオッチャンの家。オッチャンは、いつも5時過ぎには帰ってくる田舎の公務員の典型だった。そして、 . . . 本文を読む

百日を過ぎて…

2011年06月27日 | 中学受験 行雲流水録
私ができること。これだけなのが悲しい。http://ksr-net.jp/ あの大震災から百日を過ぎても、まだ多くの方の行方不明が続く。法要の節目も百ヶ日が目安なのに…東北の地は、生者の悲しみと死者の悲しみが交錯する。三陸の地に安らぎの時が本当に訪れることがあるのだろうか。 あの日以来の寂寞感と喪失感か゛私の中からさえも抜けようとしない。しかし、人は日々を営み続けなければならない . . . 本文を読む

清々にして…

2011年02月22日 | 中学受験 行雲流水録
大原の里といえば、十人中十人までが三千院を思い浮かべる。確かに三千院は、最澄が比叡山延暦寺を開く際に編んだ草庵「円融房」を起源とする天台宗の門跡寺院として格式と歴史を誇る。 高い石垣に囲まれた御殿門を持ち、青苔が繁る池泉回遊式庭園「有青園」や錦秋の頃訪れる阿弥陀三尊を祀る船底天井の「往生極楽院」は趣深い。しかし、あまりにも当たり前すぎて面白味に欠けるところがあると考えるのは、私のへそ曲がり故 . . . 本文を読む

「子どもは風の子」

2011年02月17日 | 中学受験 行雲流水録
このところ、砂場や遊具を備えた屋内の子ども用施設が増えているらしい。砂場の砂は抗菌してあり、衛生の面でも保護者の方々に人気とのこと。子どもたちの遊びが室内中心となって、外で体を動かし遊ぶ機会がめっきり減っている。 ある屋内施設の砂場の砂は、オーストラリアから直輸入し熱湯で消毒したものを使用してあるらしいし、衛生を保つために、砂場の底に備長炭を埋めていたところもあるらしい。 確かに公園の砂場は、 . . . 本文を読む

『在所の月』

2011年02月11日 | 中学受験 行雲流水録
           *寝待月*臥待月ともいう旧暦十九日の月のこと。人生と一緒でこれぐらい欠けてるぐらいで丁度良いと思います。それにしても、立待・居待・寝待の月とは古人は風流です。 『人生五十有余年、一人眺めん 寝待ちの月』           『在所の月』       花には花の露ありて       水には水の香りあり     風には風の鳥ありて        . . . 本文を読む

安心院橋の雨・その一

2011年01月28日 | 中学受験 行雲流水録
一昨日から降り出した雨は両岸の土手を洗い、川並の柳は今にも川面に届きそうにしている。その篠突く雨を縫うように一艘の小舟が水嵩の増えた子安川を遡っていた。雨影にけむる鞆では一人の男が慣れた手捌きで流れ来る速さを増した 川水をいなすように櫓を操っている。 「お初に悪いことしちまった。」三五郎は一人ごちた。一仕事終えた高ぶりと充足感が今の三五郎を満たしている。 「早く帰ってやらねえとな&hellip . . . 本文を読む

『剛毅木訥近仁』

2011年01月03日 | 中学受験 行雲流水録
私は『論語』の中でこの一節が一番好きだ。 『剛毅木訥、仁に近し。「論語」子路篇』……「剛毅で飾らぬ人間は、完成した徳である仁をそなえたものに近い」と孔子は言う。また…、 『巧言令色、鮮なし仁。(巧言令色鮮矣仁)「論語」学而篇』……「言葉巧みで顔つきもにこやかな人物にかぎって、徳の少ないことが、おうおうにしてある」とも述べる。 . . . 本文を読む

あの頃

2010年12月31日 | 中学受験 行雲流水録
あれはいつの頃だったでしょうか。確かまだ父がいなかったので小学校に上がる前だと思うのですが…。冬、年末が近づくと私は祖母の家に預けられました。あの頃は母と二人の寂しいお正月よりも、若い叔父叔母に囲まれにぎやかに迎える新年を楽しみにしていたように思います。母もきっと何もしてやれない年越しが少しでも喜んでくれるものになったらという思いだったのでしょう。 祖母の家での年の瀬には、毎年恒例 . . . 本文を読む

私の苦手

2010年12月18日 | 中学受験 行雲流水録
皆さんは港の別れを経験されたことがありますか。「船は出ていく煙は残る、残る煙に未練が宿る。宿る未練が…」のあの別れを…。私は港の別れが苦手です。私の生まれはN県I市。九州と朝鮮半島の間を離島で三等分し朝鮮側の島がT、九州側の島がIと考えていただくと分かりやすいでしょう。現在は魏志倭人伝記載の「一支國遺跡・原の辻」が発見され「歴史とロマンの島」として賑わっています。しかし . . . 本文を読む

10このステップ

2010年12月09日 | 中学受験 行雲流水録
どうすれば閉ざされた子どもの心を開くことができるのか。親として、人間として殺伐とした親子に関わる新聞記事に接するたびに悩みます。そんな時、ふと目にとまったこの指針。強い説得力を秘めています。 もし、親子の人間関係がうまくかみ合わなくなったとしても、ありのままのその子を愛していきたいという気持ちを抱いて、以下の『10このステップ』を踏めば必ず親子の人間関係作りはやり直せる。    「親子の人間関係 . . . 本文を読む

「比喩」考

2010年11月10日 | 中学受験 行雲流水録
ジュリアン・ジェインズの「神々の沈黙」は、意識と言語の起源について、心理学、生理学、歴史学、哲学、文学を駆使して大胆な仮説を立てた著作です。この中で、著者は、比喩は言語の本質であり、ひいては意識の本質であると述べています。 これは、私たちが考えても、確かに納得できるところがあります。 初めて声を発することができるようになった原始時代の私たちの先祖は、大きいトラが「ウォー」を吠えるのを見て、その大 . . . 本文を読む

家族の会話

2010年10月23日 | 中学受験 行雲流水録
「グローバル」という言葉は微妙に変化することはありますが、新聞でもニュースでもよく耳にする言葉です。「グローバル」という語を直訳すると「地球規模の、世界全体の」という意味。昔であれば一国で起こった出来事は一国で処理することが可能でしたが、今では一国の出来事が全世界へ広がっていくというイメージが「グローバル化」ということになります。新聞の一面に載っている出来事やニュースのトップで報じられている出来事 . . . 本文を読む