子どもたちの中に「長文読解が難しくて、意味がわからない言葉がたくさんある。一つ一つ調べていると、なかなか先に進まないのだが…」という人がいます。たしかに語句の意味を調べることは大切です。しかし全部の意味がわからなければ、長文を理解することができないのかというと、答えはNO(ノー)です。
私たちは、人の話を聞いているとき、内容を100%理解し、記憶しながら聞いているわけではないようです。本を読むと . . . 本文を読む
子どもたちの答案を見ていて、「あれ?」と感じる瞬間があります。「これって、ほんとに○○のん?」と。それまでと、何かが「違う」のです。一言で言うと、「空気」でしょうか。明らかに変化しているのです。もちろん、良いほうに。そのときのうれしさといったら、思わず「むむむ」と声が出るほどです。答案の向こうに見える「あなた」が、確実に成長している手応えにうなります。周り(私ですね)のアドバイスで成長するのではな . . . 本文を読む
「せんせー。『洋食』ってなに?」小説文の読解の授業をしていて、順番に音読をさせている時のことです。課題の文章は少し古い時代設定のお話でした。「え? 洋風の料理のことやで。」知らへんのかあ?と、少し意外に感じながら答えました。
「洋風って?」と、まだまだ不審げな表情です。「カレーとか、オムライスとか、スパゲッティーとか・・・。」例を挙げながら、私ははっと気づきました。こういったメニューは、目の前の . . . 本文を読む
言語でものを考えることができるのは、人間の特徴です。人間以外の生物も、ものを考えることがありますが、それは言語を通してではなくもっと感覚的な方法で行われています。
言語で考えることができるというのが、人間の創造力の源泉です。したがって、創造的に生きるためには、幅広い豊かな言語とものごとを深くとらえることのできる言語を持っている必要があります。想像力を三角形の面積のようなものと考えると、言語の幅 . . . 本文を読む
ときどき、「長文の音読が難しい」という相談を受けます。難しいのは、当然です。難しい文章でも読めるようにするための学習だからです。
ここで大人が大きく勘違いをしてしまうのが、数回ですらすら読めるようになるのが普通の学習だと思ってしまう点です。学校では、確かにそのようなスモールステップの取り組みをしています。最初は、大きい文字でひらがなだけの勉強です。それから、少しずつやさしい漢字が入り、文章が少し . . . 本文を読む
【ある哲学者の旅立ち】
もう一年になりますが、昨年の2月、哲学者の池田晶子さんが亡くなりました。私より年下の、まだ40代半ばでした。病気だったとのことですが、訃報は新聞にも載りました。池田さんは、『14歳からの哲学』の著者です。わかりにくい、とっつきにくい「哲学」という学問を、そして「考える」とはどういうことかを、わかりやすい言葉で私たちに語りかけてくれた人でした。
彼女の著書を何冊か読んでいる . . . 本文を読む