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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

10このステップ

2010年12月09日 | 中学受験 行雲流水録

どうすれば閉ざされた子どもの心を開くことができるのか。親として、人間として殺伐とした親子に関わる新聞記事に接するたびに悩みます。そんな時、ふと目にとまったこの指針。強い説得力を秘めています。

もし、親子の人間関係がうまくかみ合わなくなったとしても、ありのままのその子を愛していきたいという気持ちを抱いて、以下の『10このステップ』を踏めば必ず親子の人間関係作りはやり直せる。

    「親子の人間関係を良くするための『10このステップ』」
(1) 肌に触れる(スキンシップ・こちょこちょ・土踏まずのふみ合い)
(2) 声かけ・あいさつ(おはよう、○ちゃん!)
(3) アイコンタクト(目を見て笑顔で話す)
(4) 遊びの時間(親子でトランプ・オセロ・人生ゲームなど週にニ~三日できるといい)
(5) 子どもの話を聞く(目を見て、否定せずに受け止めてあげる) 
(6) 褒める・認める・感謝する(ありのままのその子を受け止めてあげる)
(7) 教える・提案する・励ます(命令・強制はしない)
(8) 任せて見守る
(9) いけないことは全力で叱る
(10)一緒にのんびりとリラックスできる時間を持つ

ある男子高校生は、学校の成績やクラブ活動で中学のときとのギャップに戸惑い、どこに居ても輝けない自分に劣等感を抱き、学校に行けなくなってしまいました。最後は、ご両親に暴力・暴言を吐き、自暴自棄の日々を送っていたとのこと。

不登校になった当初は「(1)肌に触れる」こともできなかったとのこと。しかし、キレて暴力をふるうその子に根気強くご両親は「1、肌に触れる」「(2)声かけ・あいさつ」「(3)アイコンタクト」を半年間繰り返していきました。ようやく一緒にドライブができるようになったころ「(4)遊びの時間」「(5)子どもの話を聞く」までステップを広げます。

そして、親子の人間関係を取り戻すため、さらに(1)~(6)を毎日繰り返して行うことで人間関係が強固なものへと変化していきました。再び高校へ通えたのはそこから一年後、ようやく長い戦いの日々が終わりました。傷ついた心が癒えたように、その頃には『10このステップ』を全て行えるようになったとのこと。今、この男子高校生は留年の後、大阪の大学に通い、教職に就く夢を抱いているそうです。

私が接するお子さんと保護者の方の間にはしっかりとした信頼関係や人間関係がにじみ出ていますし、皆さんのご家庭にはこのようなことは遠い国のお話のように映るかもしれません。しかし、現代の子どもを取り巻く環境を考えると決して他人事ではありません。お子さんの心が迷ったときには、その傷ついた心を温かく受け止める大人の存在が大切なのだ、とつくづく感じた一事でした。



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