ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

シリーズ『無の文化』…4

2014年06月28日 | 中学受験 行雲流水録
無の文化における方法論の主なものは、自然、喜び、反復などです。日本人は、解決しがたい大きな問題にぶつかると、自然の中に戻って答えを探そうとする傾向があります。人や文献に頼るのではなく、自分で直接、自然や現場に赴いてその問題と一体となろうとするのです。また、日本人は、暗いことは悪いことで、明るいことがよいことだというもともとの価値観があります。だから、議論をして勝つようなことは、議論すること自体に暗 . . . 本文を読む

Facebookデビュー!

2014年06月24日 | 中学受験 行雲流水録
これまでこのブログを通じて由なしごとを書き連ねてきましたが、時代は私を置きざりにしてドンドンIT化へと進みます。 遅ればせながら、Facebookなるものに身の程をわきまえず挑んでみます。 これからは下記のURlLでも思いの一端を綴れればと思います。どうぞご贔屓に(アッ、違うますね『いいね』)を宜しく…m(_ _)mまだ、ルーキーなのでなれません。 http://www.fac . . . 本文を読む

シリーズ『無の文化』…3

2014年06月16日 | 中学受験 行雲流水録
無の文化は、日本の社会においては、経済だけでなく、教育の世界にも流れています。日本の近代の欧米流教育は、有の文化の教育でした。教育の対象として「個人が有る」ということと、「その個人が身につけるべき何かが有る」という考え方が前提とされていました。その「身につけるべき何か」について、「何を」「どこで」「だれから」教わるのかと特定していったものが、教材であり、学校であり、先生でした。 だから、現在の社 . . . 本文を読む

母の温もり

2014年06月11日 | 中学受験 行雲流水録
日本人の学習力を支えてきたものは、幼児期の教育文化です。それは、添い寝と語り聞かせの文化です。母子が密着して感情のやりとりをする中で、昔話などを聞かせてきた文化が、日本人の学習力の土台を作ってきました。 しかし、現代の社会では、その文化が少しずつ失われてきています。その一方でテレビなどの機械による音声が乳幼児の成長に影響を及ぼしています。このため、他の国々より一足先にテレビ大国になった日本におい . . . 本文を読む

シリーズ『無の文化』…2

2014年06月05日 | 中学受験 行雲流水録
陰陽の文化というものも、無の文化を前提にして生まれています。有の文化と無の文化の違いを簡単に説明すると、有の文化は、その言葉のとおり、ある物事が「有る」というところを出発点にした文化です。デカルトの「我思う。ゆえに我あり」は、意識における有の思想ですが、物理的な物事に関しても、ある物を定義するのに、それが何かということを分析し細分化します。すべての「有る」にさかのぼる発想をするのが有の文化です。 . . . 本文を読む

シリーズ『無の文化』…1

2014年05月24日 | 中学受験 行雲流水録
「脱アメリカ時代のプリンシプル(原田武夫著)」という本の中で原田さんは、現下の世界経済の動きを、欧米とアジアの文化的抗争という視点からとらえています。戦後、世界の経済力の中心であったアメリカは、1970年代から衰退を始めていました。当時、多くの人の目には、豊かな欧米と貧しいアジアという構図が映っていましたが、現実の経済の活力の点では、アメリカやヨーロッパに代わって日本がアジアの牽引車として台頭しつ . . . 本文を読む

風に立つライオン

2014年05月19日 | 中学受験 行雲流水録
「風に立つライオン」。この曲は、数あるさだまさしの曲の中でも珠玉の1曲だと私は思います。特に、オーケストラをバックに朗々と歌う部分は、いつ聴いても鳥肌が立ちます。「最後の一食」という特集がよくメディアでありますが、仮に「最後の一曲」というものがあるならば、私は間違いなくこの曲を聴きながら死を迎えたいというでしょう。 日本を遠く離れたアフリカの地で医療活動に勤しむ男性が、日本にいる女性から届いた結 . . . 本文を読む

人混みにて…

2014年05月08日 | 中学受験 行雲流水録
昔、まだパナソニックが松下電器と言っていた時代。月曜の8時東野英治郎の水戸黄門が始まった頃、オープニングに、♪~明る~いナショナル 明る~いナショナル みんな~ 家中~(うちじゅう~) で~んきでう~ご~く~ 明る~いナショナル 明る~いナショナル ラジオ~ テレビ~ な~んでも ナショ~ナ~ル~♪と歌が流れていました。 家には大した電化製品もなく、やっと60Wの蛍光灯が灯ったかという時代でした . . . 本文を読む

俳句のない日本

2014年04月21日 | 中学受験 行雲流水録
欧米の言語文化で育った人は、虫の声を雑音としてしか聴きません。だから、雑音で感情が動かされることはありません。雑音は無視していればいいので、聴こえていても聴こえていないのです。欧米では、人間の言語だけが聴くに値する音声で、それはもっぱら理解するための言語です。 日本語では、虫の声が感情に響いてくるように、人間の声も理解だけではなく感情を伴って入ってきます。心と言葉が一致しやすいのが日本語です。こ . . . 本文を読む

ランドセル

2014年04月14日 | 中学受験 行雲流水録
ランドセルを背負っているのか、ランドセルに背負われているのか、小さな体でオタオタと帰宅途中の子どもたちを見かける。あれは新入生なのだろう。近頃は、ランドセルも男子は黒、女子は赤という定番イメージが様変わりしているとのこと。素材が天然皮革から人工に変わり、多彩な色が出せるようになったため、女子にはピンク系、男子には青系が人気ということだ。 考えてみれば、ランドセルは小学校の6年間、運動会や遠足とい . . . 本文を読む

春の潮の香り

2014年04月10日 | 中学受験 行雲流水録
  先日、田舎の妹から宅配便が届きました。中は、セトカという柑橘類とビニール袋に入った初取りのヒジキとワカメでした。もうそんな季節なのかと思いつつ、ビニール袋を開けると鮮新な潮の香りがにおい立ちます。   この香りは、子どもの頃のある記憶に繋がります。まだ小学校にも上がらぬ頃、春先お彼岸の前、海沿いの丘の上にある墓地に母と掃除に行くのが習わしでした。子どもの足で片道30分 . . . 本文を読む

時代に求められるために

2014年04月05日 | 中学受験 行雲流水録
何かの分野で一人前になるには、そのことに時間をかけなければなりません。その時間は、3000時間とか4000時間とかいう単位です。理屈だけで考えると、物事は理解できればすぐに身につくような気がしますが、その理解できたことが本当に自分の手足のように自由に使えるようになるにはそれだけの時間がかかるのです。 ところで、今メジャーな音楽やスポーツの分野は、先人からの蓄積の長い伝統があります。すると、その分 . . . 本文を読む

うちのギヤM

2011年11月28日 | 中学受験 行雲流水録
男の子には誰しも自転車に目覚める頃があるようです。私の小学校中学年時、巷には変速機付きのスポーツタイプが出回り始めました。5段、15段、25段と変速機はグレードアップ。デスクブレーキにフラッシュライト。テレビCMも手伝って、ミヤタのギヤMは離島の子どもたちの垂涎の的でした。しかし、それは高額商品。今のように周辺諸国から廉価な自転車が入るような時代ではありません。敗戦の傷跡から立ち直ろうとしていた昭 . . . 本文を読む

2時間44分の旅

2011年10月03日 | 中学受験 行雲流水録
福岡で高校のクラス会がありました。仕事の都合もあり、出席者はクラスの半数程でしたが、楽しいひとときを過ごすことができました。中には卒業以来会えなかった人もいて、懐かしいやら、うれしいやら…。 それにも増して、どんなことにおいても、無事に完結するまでの担当者の苦労が並大抵ではないことを思えば、笑顔のうちに散会した幹事諸氏にあらためて感謝です。ただ、度々の打ち合わせ会毎に増え続ける . . . 本文を読む

島春譜

2011年09月13日 | 中学受験 行雲流水録
高校の同窓会の案内が届きました。40才の時に一度学年会が行われましたが、その時は確か150名程集まったはずです。それから15年。今回は、3年間持ち上がりのクラス担任N先生の古希祝いを兼ねたクラス会の開催です。私のクラスは、その高校に始めてできた選抜特進でした。選抜特進とは、入試の後にもう一度試験を受けて、文字通り選抜される特進です。1年2組から始まり2年2組となり、3年3組になってもなぜか2組と呼 . . . 本文を読む