歴史の流れを追ってみると、最初は少数の優れたリーダーが社会を引っ張っていく時代でした。しかし、社会が複雑になるにつれて、官僚制が台頭します。始めは有効に機能していた官僚制のヒエラルキーは、次第に腐敗し、自己保身を第一に考える多数の中間的小リーダーの広がりに移行していきます。これが現在までの時代の社会学的な歴史認識だったと思います。
ところが、インターネットの普及は、そのヒエラルキーを急速に無効な . . . 本文を読む
『生きるとは 手をのばすこと
幼子の指がプーさんの鼻をつかめり』
上の短歌は、俵万智さんの歌集『プーさんの鼻(文藝春秋社)』に載り、その題名ともなった一首です。俵万智さんの短歌は、私たちにもわかりやすく、すぅっと心に入ってくるような気がします。特に、まだ小さいお子さんがいる方には、共感できる部分が多い歌集です。いくつかご紹介してみましょう。
『蒸し栗のような匂いに汗ばめ . . . 本文を読む
「地球の出」「地球の入り」「満地球」……何だか変な言葉です。月から見た地球の姿をこう言うのだそうです。
宇宙航空研究開発機構JAXAが打ち上げた月探査衛星「かぐや」には、地形カメラをはじめとする15種類の観測ミッションがあって、月の地表や地中、周囲の環境についてさまざまなデータを収集しました。最新の技術によって、これまでわからなかったことを知る喜び、今後広がる数々の可能性。「かぐや」が研究者や私 . . . 本文を読む
「人間はなんてちっぽけな存在なんだろう。」……『マザーツリー 母なる樹の物語(C・Wニコル著)』を読んで、つくづく感じたことです。
樹齢500年のミズナラの樹と、火山の噴火で山の天辺から転がり落ちてきた大きな岩は、山の自然の営みをただ静かに見守り続けています。「太陽や風、雪、雨、土、石、生きもの。すべてが大きな輪の一部だ。わしらは宇宙の中を星と共にぐるぐる、ぐるぐると回る終わりのない旅をしている . . . 本文を読む