
*寝待月*
臥待月ともいう旧暦十九日の月のこと。人生と一緒でこれぐらい欠けてるぐらいで丁度良いと思います。それにしても、立待・居待・寝待の月とは古人は風流です。
『人生五十有余年、一人眺めん 寝待ちの月』
『在所の月』
花には花の露ありて
水には水の香りあり
風には風の鳥ありて
人には人の月在りぬ
在所=①田舎、②住処、③国もと
『在所の月』とは、一人ひとり住まうところで仰ぐ月のこと。
同じ日同じ時刻の月とて、眺める人の思いを照らし、それぞれに愛で、それぞれに憂うもの。また、花に落ちる露、風渡る鳥、流れる水の香りとて一つとして同じものはありません。
人の世の有為流転は必然であり、一喜一憂することなくその時その時を穏やかに暮らせばよいのではという心情です。友の退職の決意を知り詠んでみました。もうみんなそんな年なんですね。