非情な状況に陥らせた、あの「アメリカ同時多発テロ」(2001年9月11日)。4機の航空機がテロリストにハイジャックされ、2機は、ニューヨークの世界貿易センターの北・南棟に激突、もう一機は、アメリカ国防総省建物に墜落。そして、この映画『ユナイテッド93』の主役であるUL93便は、一説によるとアメリカの大統領府・ホワイトハウス(ワシントン)を目指していたとの話。この映画では、だれ一人として著名な俳優は出てこない。制作者による管制センター、乗客遺族、アメリカ国防関係者等からあらゆる情報を取材で得ての、真実に近い物語構成になっている。乗客も、実際の乗客・乗務員に近い役者(体格、年齢等)を使い、内容に重みを出している。さすが、監督&脚本のポール・グリーングラスならでは、と言わざるを得ない。しかし、こんな愚かな行為が、人間として許されるのか?観ている私も、悲惨さを通り越し、怒りに変わった。どんな神も、こんな行為を許すはずは無い。本当に、こんな事をしでかした連中には、天誅を浴びせる必要があると痛感した。しかし、航空機は、乗っ取られると、地上では何も出来ない無力さを痛感してしまう。管制センターも軍も・・・。結局、何も出来なかった。苦渋の選択をし、民間機迎撃の承認を大統領が発していたにもかかわらず、軍幹部は、迎撃戦闘機のパイロットに伝達していなかったことも分かってきた。すべてが、後手後手の結果起こった大惨事。やるせない気持ちで一杯である。人間として生きる事の意義は何なのか?本当に全世界の一人ひとりが考えねばならない事だ!しかし、このUL93便の乗務員・乗客44名の勇敢さには、感激である。同時多発テロであることを知り、自分たちもこのままでは助からないという究極の状況の中で、団結して、航空機のハイジャック犯と対峙した勇気。こんな極限状況で、こんなに勇敢に人は行動できるのか?本当に、当時の乗客たちの勇気に感謝したい。この映画は、いつまでも自分の中の糧として、記憶に留めておきたい、素晴らしい映画である!!
ここにあらためて、この同時多発テロで犠牲になった人たちのご冥福を祈りたい!
ここにあらためて、この同時多発テロで犠牲になった人たちのご冥福を祈りたい!