このところ何度か書いているが、私は最近の成田梨紗さんがかなり良いと思っている。「夏が行っちゃった」の冒頭で入って来る時などは、風の中にふっと秋の気配を見つけた時のようなような心象になる。あるいは「小池」で客席に対して横向きに、やや前屈みで腕を前後させるフリのところでは、その横向きの視線に、一度は自分が振った相手だというプライドと、その恋がちょっと惜しくなっているがゆえの蠱惑的な表情とが入り混じっていて、すごく良い感じなのだ。ついでに「♪世間の男は/見る目がないのね」のあたりの感情の込め方もなかなか。大変失礼ながら、実は「はっきりくっきりベイビーフェイス」の成田さんに、ああいう表情の持ち合わせがあると思っていなかったもので(^_^;)、驚きつつも新鮮な気分で見ている。
で、そういう表情に気付いた後だと「制服が邪魔をする」でも、十分にイケるんじゃないか、と思えるのだ。確かに A-2nd までの各曲では、成田さんの ( おそらく素に近いのだと思うが )「素直で健康的なお嬢さん」という表情の印象があまりにも強く、A-3rd でかなり強く打ち出されてきた「危うさ」を表現できるかどうかというと、ちょっと疑問が残るところはあった。だから「スカート、ひらり」組のうち、成田さんだけが「制服が邪魔をする」に入らなかったのは仕方がなかったのかな、という気がしていた。でも、前述の「小池」での目線や、またここでは詳しく述べないが「涙売りの少女」での表情などを見た後では、成田さんが「制服が邪魔をする」に入ったところを見てみたい気がする。また代役の機会とかないかなあ。あるいはシャッフルとか。
ここからは、成田さんのことに限った話ではなくなるが、大まかに言うと 1st、A-2nd はいずれも「昼」の楽曲が中心だった。それに対して A-3rd は「夜」の楽曲が多い。世の中には、あるいは人の心には、決して「明るく健全」なだけではいられない、さまざまな感情の揺れや悩み、葛藤があり、そしてそこに忍び寄る誘惑が存在している。A-3rd では、まさに前に書いたように、「少女という存在の危うさを体現する」ことが求められているのであり、より具体的に言えば、「陰」の部分を表現できるかどうかが試されている、と言い換えても良い。
ここで大事なことは、陰が、夜の暗さがあるからこそ、昼の光はより明るく、まぶしく感じられるということだ。「月のかたち」までの夜のイメージを洗い流すように歌われる「誰かのために」が、一際清しく感じられるのも、そのためだ。陰を伴わない明るさは存在しないし、暗さを表現できない人が明るさを表現しても薄っぺらなものになってしまう。まだ若く、周囲から蝶よ花よと愛されて育って来た人たちには難しい課題かも知れないが、どうかそれぞれにいろいろと考え、工夫を重ねて、表現の幅を広げていって欲しい。
で、そういう表情に気付いた後だと「制服が邪魔をする」でも、十分にイケるんじゃないか、と思えるのだ。確かに A-2nd までの各曲では、成田さんの ( おそらく素に近いのだと思うが )「素直で健康的なお嬢さん」という表情の印象があまりにも強く、A-3rd でかなり強く打ち出されてきた「危うさ」を表現できるかどうかというと、ちょっと疑問が残るところはあった。だから「スカート、ひらり」組のうち、成田さんだけが「制服が邪魔をする」に入らなかったのは仕方がなかったのかな、という気がしていた。でも、前述の「小池」での目線や、またここでは詳しく述べないが「涙売りの少女」での表情などを見た後では、成田さんが「制服が邪魔をする」に入ったところを見てみたい気がする。また代役の機会とかないかなあ。あるいはシャッフルとか。
ここからは、成田さんのことに限った話ではなくなるが、大まかに言うと 1st、A-2nd はいずれも「昼」の楽曲が中心だった。それに対して A-3rd は「夜」の楽曲が多い。世の中には、あるいは人の心には、決して「明るく健全」なだけではいられない、さまざまな感情の揺れや悩み、葛藤があり、そしてそこに忍び寄る誘惑が存在している。A-3rd では、まさに前に書いたように、「少女という存在の危うさを体現する」ことが求められているのであり、より具体的に言えば、「陰」の部分を表現できるかどうかが試されている、と言い換えても良い。
ここで大事なことは、陰が、夜の暗さがあるからこそ、昼の光はより明るく、まぶしく感じられるということだ。「月のかたち」までの夜のイメージを洗い流すように歌われる「誰かのために」が、一際清しく感じられるのも、そのためだ。陰を伴わない明るさは存在しないし、暗さを表現できない人が明るさを表現しても薄っぺらなものになってしまう。まだ若く、周囲から蝶よ花よと愛されて育って来た人たちには難しい課題かも知れないが、どうかそれぞれにいろいろと考え、工夫を重ねて、表現の幅を広げていって欲しい。