苦笑いするしかないような話・その2

　もう一つ書き忘れていた。最近、劇場の座席での座り方を知らない人が増えているらしい。というか、大多数がそうなんではないか、という気がする。

　1人で座布団2枚分を占有していて、私が「そこいませんよね？空けてください」と言うと「ちっ」とか舌打ちするやつ。必ずしも友達のための場所取りではなく、単に自分がゆったり座りたいから、のようなんだけれども、この劇場では座布団の数だけ人が座ることになっているんで、意図的に2席取ってると出禁になるよ？

　一応は座布団1枚に座りながら、大股広げて幅取ってるやつ。真ん中の方からそんなやつらが座っていくと、席の端っこは1人分の幅がなくなってしまう。「座れないから詰めてください」なんて言ったって、既得権益とばかりに誰一人動きやしない。むしろ「隙間がないところに無理やり座ろうとするオジサンは困ったもんだ」みたいな目を向けて来る。

　さらには、他の人はちゃんと座布団1枚の幅で座ってるのに、左右にしわ寄せさせてふんぞり返っているやつ。あるいは、無言でぐいぐい足を広げて押し付けて来たり、肘でぐいぐい押して来たりするやつ。私なんぞは知らん顔で壁みたいに動かないから良いけれど、気の弱い人は押しやられて、公演を楽しむどころではなくなってしまうだろう。

　確かに、あの小さな座布団1枚にちょこんと座るのは、率直に言って結構窮屈だ。けれど、みんなが少しずつ譲り合うことで、少しでも座って見られる人を増やそう、ということで、あのように改修されたものだ。繰り返すが、あの劇場では座布団の数だけ人が座ることになっているし、したがって一人一人に許されている幅もまた、座布団一つ分だけだ。あとは隣同士で上体を微妙に前後にずらし合うくらいしか、対処のしようがない。

　あの劇場はそもそもそういう場所であり、それでも「みんなで」AKB48を支えよう、盛り上げよう、そういう気持ちの人たちが集まるのが、あの劇場という場なのだ。自分だけ我を張って楽をして、他人の迷惑を考えないようなやつは、あの劇場には来て欲しくない。