赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

中国をはじめとした中銀が2年で2000t買い増し

2024-05-04 00:00:00 | 政治見解



GOLD 中国をはじめとした中銀が2年で2000t買い増し
:240504情報



昨日に引き続き「金」のお話です。

世界中の発展途上国にある中央銀行が金を買っています。円建てですと1グラム1万3000円まで来ている状況です。発展途上国の中央銀行が過去2年間で総計すると2000tも買っており、1年間で1000t買っていることになり、これは値上がりします。

今までのような投資家だけではありません。2000t買い増しをしたのも特に中国が買っていると言えます。ドルを持つということは、それを米国債の形に変えて持つわけですけど、それをどんどん売り払って、ピーク時から4割くらい下がりました。1兆3000億ドルくらいピークにあったのが、どんどん減って7000億ドル台です。この動きは変わらないでしょう。金価格は今後も上昇します。

国際経済学者の解説です。



世界中の発展途上国の中央銀行が過去2年で2000tも買い増しをしています。この買い増しは特に中国ですけど、地球上にある全ての金を集めると20万9000tあって約21万tと覚えていて良いでしょう。ここで年に1000t買いまして2年続けて2000tも中央銀行が買ったわけですが、これは地球上の金の1%にあたる数字です。

21万tの1割で2万1000tですから、それをさらに10分の1とすると2100tになります。そうすると地球上の金の1%を2年間で、発展途上国も中国も含めて中央銀行が買ったということです。市場に出ている金はそこまでないわけですから、これはすごい数字になります。

それだけ金の値が上がっていて、今までは投資家が自分の投資のための金買いが多かったわけですけど、それに加えて中央銀行が金を買い始めました。かつて金の値段が下がっているときにイギリスもスイスも現物の金を売っていたから馬鹿だなと私は言っていて、やがて金は上がるはずだと思っていたのです。

そして、自分自身の信用をどんどん低くしていきました。これは安定している時代はいいのですが、今のように危機・不安定な時代になると、人間は一番安定したものを求めます。これは古今東西どの文明圏、地球上の文化圏に行っても金というのは価値あるものだとされていたわけです。

それから最近、面白い現象がありまして、仮想通貨のビットコインも値上がりして、金も値上がりするという状況になっています。ビットコインは下がってきましたけど、史上最高値を3月・4月で更新するような動きになっていました。

これがどういうことかと言うと、私は金の値段が上がらないのはビットコインの投資の方にお金が行っていたのではないかと考えていたのです。それはある程度、当たっていたと思うのですけど、本当の危機になったらビットコインは、所詮私的な発行通貨だから駄目だということで金を買い増した方がいいでしょうと言われて、それが発展途上国の中央銀行の総意になったのでしょう。

それで一般の投資家の方もさらに金を買うということで、金の価値が上がってきました。だから、1オンス2000ドル大底の時代が始まっています。それは私が申し上げてきた通りのシナリオです。

最近ビットコインの方も値上がりしているということは、今までのように国際基軸通貨ドルが安定していて、世界の自由貿易体制がうまくいっている体制ではなくなりました。少なくともアメリカ・ヨーロッパ・日本を中心とするような自由貿易体制を守っていく体制と、それに対立している中露の権威主義的な政治体制であって、民主的な政治体制を取らない国を中心にして、先進国の日米欧に対して対立的な感覚を持っている国々が一つの経済の塊を作っていくのでしょう。

中露、北朝鮮・シリア・イラン・ベネズエラ・キューバなどの反米国家群の塊が経済圏を持っています。それらの国々は、どんどんドル離れをしていくのです。多くの発展途上国は、それを両面で見ているような感じと言って良いでしょう。こういう通貨戦国時代的なことになってきています。

そうしますと、一番古い自分の確実な富の保有手段は金ということで、コンセンサスがあるのです。金は上がるけど、もう一つの新しい富の保有手段になるのではないかというのがビットコインを代表とする仮想通貨(暗号通貨)でしょう。

これはいざというときに送金するのは簡単です。金だと送るのは大変で、そもそも貴金属ですから現物を持っていかないといけません。ところが仮想通貨だったらコンピューターの中で自由に動けます。

経済が安定してない国で仮想通貨は、それなりの利用価値もあるのです。海外に対する支払いや送金は、国内でも同様で自国の通貨がインフレで価値がなくなっても、ビットコインを持っていたら安心と考えたのでしょう。金を持っていれば一番安心ですけど、金は取られてしまうかもしれません。ビットコインであればネットワーク上の窃盗・ハッキングもあり得ますけど、送金などは非常に簡単です。

かつてギリシャが経済危機に2010年から陥ったとき、国内外に対して送金する際にビットコインでその危機を凌いだ方もおられます。伝統的な通貨が信じられない、自国の通貨も信じられない状態となったときに、あなたならどうしますか?一つは金を買うことは一番確かなことで、中国の金保有にはそういう意味が非常にあるのです。

大衆としても人民元の将来をあまり信じていません。もう一つは一番進んだ富の保有手段として、特に資金移動するためにはビットコインを代表とする仮想通貨も使えるということで、金と合わせて両方に関心が集まっているのです。世界の経済が大きな不安の時代にあるということの表れだと私は思います。



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