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グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

春先におこるカルシウム欠乏への対処法。

2019-03-11 15:05:34 | Weblog

春先に多おこるカルシウム欠乏への対処法。K
ハウストマト栽培に限らず、ハウスキュウリ栽培やハウスピーマン
栽培において、気温が急上昇したあとの作物に水分が不足した場合
にあらわれることが多い現象として


 トマト尻腐れ.jpg

 キュウリ先端枯れ.jpg

 果実の尻グサレ症や、より重い症状の先端部分の褐変症

などに代表される 作物のカルシウム欠乏の症状 があります。そ
して この症状が現われることの多い時期としてあげられるのが

  天候が不安定
  日照時間が次第に長くなってくる
  気温、ひいては地温が急激に上昇することが多い 

といった春先のハウス内が乾燥しやすい4月の時期というわけです。

ある程度の尻グサレ症の果実の発生はしかたのないものですが、障害
果量が多くなりすぎたり、また作物の先端部分に褐変症が現れるよう
であれば、もちろん対策が必要になります。

ということで、対策としてまず考えられるのは

 ハウス内の土を乾燥しすぎないこと

が、大切になります。その方法ですが

  かん水の量を〔冬場よりも〕じょじょに増やしていく
  内カーテンを上げ下げして日射量を調整する
  遮光資材を利用する
  気温上昇による水の蒸散を避けるために、充分に換気をする

といった、こまめなハウス管理が なによりの乾燥防止対策となり、
ひいては カルシウムの欠乏症状の予防対策 となります。

また、気温の上昇とともに果実の太り具合もすこしづつ早くなって
くるわけですから、冬場よりも収穫の間隔をいくぶん短縮すること
も必要になってくるころでもありますね。

といったわけで、なんだか冬場よりも手がかかることになる春先の
ハウス管理です。 けれど厳寒期のなかで果実を成らしてきた“疲
れ”がみえる作物にとっては、栽培者の存在がなによりのお薬・・・
これからのハウス作終盤にかけての良品多収穫のためにも、ここは
こまめな管理をお願いいたします。

なんたって作物は、栽培者にとっての金のなる木 なのですものね。

次回はカルシウム欠乏が起こる原因とその対策を、土の面からより
掘り下げて考えてみたいとおもいます。


晴れ ハウス内の高温は、作物の花粉の品質や受粉にも影響します。
  35度を超えたときに受粉した果実は、奇形果や果実の肥大
  不良を招くともいわれていますよ。また受粉に活躍しくれる
  昆虫たちにとっても高温は大敵です。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




春先のハウスは温度管理に気をつける時期に。

2019-03-05 18:49:31 | Weblog
春先のハウスは温度管理に気をつける時期に。

次回の参考分としての再掲載です。




収穫がはじまるまでの「栄養生長の時期」から、その後の「体づくり
をしながら花も確実に結実させていく時期」を経て 順調に収穫が続
けられているハウストマト栽培ですが・・・厳寒期をすぎて春先とな
ったいま、あらたな生育管理が要求される時期
にはいってきました。

そうなんです、春先には気温の変化によりハウス内が急激な高温時に
なることが往々にしてある。その 

 高温時における栽培管理が必要になる時期がきた

というわけなのです。

その管理方法ですが、晴天下の日中では、日増しに強くなる太陽の光
がもたらすハウス内の高温化を軽減するために

  ハウスの上部や側面のビニールを開放して換気をおこなう
  強すぎる日差しには、内側のカーテンを遮光目的で使用する
  温度上昇に伴う土壌の急激な乾燥を防止するためにかん水する

といった対策が要求されることになります。

それでいて、夜間に冷え込めば厳冬期とおなじような低温対策もとら
ねばならないのですから、低温にさえ注意すればよかった厳冬期より
も、栽培管理にはむしろ手がかかる
ことにもなります。

物事を成し遂げる過程で いちばん苦しい正念場」を“胸突き八丁”
といいますが、長期間にわたる栽培において 栽培者さんと栽培され
る作物にとっては、いまがその時期にあたる といえるでしょう。

しかし夜間の低温の心配がなくなる時期は、もうすぐ。

それまでのあいだは、細心の注意を払って対応していただきたいなと、
そう願っております。なんといっても、「栽培期間の全体を通して、
一定量の良品を順調に出荷し続けていく
」ことが、まだ先の長いこの
作型の作物にとっての最善の対応策であるのですから。

ということで今回は、終盤にさしかかったハウス栽培における春先の
温度管理についてのご報告でした。次回は、春先の果実に出やすい微
量要素欠乏とその対策についてとなります。


晴れ “ハウスのビニールを開けて換気をすることをうっかり忘れて
  ハウス内の作物を高温障害にあわせてしまった”という事故が
  おこりやすいのも、春先のこの時期です。・・・入学とか卒業
  とか、税金の申告とか、なにかと行事の多い年度末にはとくに
  注意が必要になります〔早場米地帯では、イネの育苗とか田植
  の本田の準備なんかもありますから、とにかく春先はてんやわ
  んやの状態で・・・そんなときに起こりやすいのがハウスの閉
  め切り事故だというわけです
〕。
  ちなみに激しい高温障害にあうと、作物の先端部が枯れてしま
  い、数回分の収穫がなくなってしまいます。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




ハウス栽培・・・3月からの施肥管理例。

2019-03-01 16:22:57 | Weblog
ハウス栽培・・・3月からの施肥管理例。

ハウス栽培の現地まわりにあたっての3月分の施肥管理に関する資料
ですが・・・管理の一例としてよろかったらご参考に。 直接農業に
関係のない方にも、ハウス栽培の管理はこんなふうにやるのか と、
おもっていただけたらさいわいです。

 ↓


『ハウス栽培・・・3月へ向けての施肥管理』

ここまでは できるだけ樹を弱らせない管理

定植からここまでの施肥管理は、樹勢を維持し、収量を確保し、病害や
に負けないようにするめの対策など、いろいろなご提案をさせていただ
いてきました。
2月中旬現在 大玉トマト栽培では、昨年のような低温傾向ではないも
のの それでも苦土欠乏症(中葉の黄化症)がけっこう散見されてます。
これは1月からひきつづいての日照不足がいちばんの要因ですが、玉太
りによる樹への負担が重なっているところでは特に多く発生しているよ
うです。ただし予防策としてケイエムを追肥投入いただいたハウスでは、
軽度な発生で治まっている様子ですので、来作の管理にあたっては早め
に施用されることをおすすめします。

ここからは 3月以降へ樹勢を上手につなぐ管理

3月上旬以降は、例年 日照も長くなり気温・地温とも上昇してきます。

今は弱り気味の作物も、本来の樹勢を取り戻していくとおもわれますが、
できるだけ早く、なるべく弱らせないまま、3月につなぐ管理をするこ
とが得策とおもわれます。具体的な予防・対策としては速攻性のある液
肥のかたちとなった

 ● タイミングまたはマグショット 

のかん水施用 を ご利用ください。量の目安としては

 ● タイミング2号・10キロ/10a 
 ● マグショット・5キロ/10a

となります。また樹勢が弱りかけていたり、果実のつきが多い場合は

 ● 多木有機液肥3号・10キロ~20キロ/10a

の 組み合わせ施用を おすすめしていいます。

もし、これから2月後半に曇天がつづく場合には

野球のキャンプが始まると、なぜか曇天や雨天つづきで寒くなる・・・
ともいわれます。
そうなれば日照不足になり、葉色や葉厚が薄くなったり、花つきが悪
くなったりする場合がありますので、葉色や葉の厚さを維持するに苦
土の補給が重要となります。この場合は 葉面散布のかたちで

 ●マグショット・500倍 + 多木有機液肥3号・500倍

を予防的に散布します。マグショットの葉面散布施用は、苦土と糖分
を同時に補給できますのので、花つきを良くするのには効果的ですよ。

以上、今回は3月へ向けてのハウス施肥管理の一例のご紹介でした。


晴れ 毎作この時期になるとに苦土欠乏や石灰欠乏が出て困ると
 いう場合には 定植前の土づくりの内容を検討する必要あり
 ・・ですね。 こちら 
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜