グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

微量要素不足が出やすい圃場の対策について。

2021-02-24 13:59:10 | Weblog
微量要素不足が出やすい圃場の対策について。

土づくり資材として毎年毎年家畜ふん尿たい肥を多用したら、おもい
のほか樹勢が強くなり、実がつきにくいか繁茂状態となってしまった。
対策として水を控えてみたのだが、するとこんどは多くの実に[カル
シウム欠が原因と思われる]尻ぐされ症状が現れてしまい、けっきょ
くのところ思うような成果をあげることができなかった・・・なんて
いう圃場の土作りの考え方。前回の土の検査をしよう[こちら]のつづ
きです。こころあたりのある圃場での微量要素欠乏対策を考える今の
時期の参考としていただければ 幸いです。

 ↓

土壌検査をしてみると、圃場の土のなかに作物の成長に必要なはずの
ミネラルの量は問題なく充分にあるはずなのに、いざ作物を栽培して

みると

 それでも苦土やホウ素・石灰が効きにくい

といった生育をしがちな作物のケースも、よくあります。さらに効き
にくいといった程度ではなく

 苦土欠乏やホウ素欠乏・石灰欠乏がおこる

というはなしをつづけてまいりました。そしてその原因がミネラル間
拮抗作用[派閥争い]にあり、そしてそんなミネラルのなかの派閥
の領袖がカリであるというところまで すすんでまいりました。図示
するとしたら



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ケンカに強いカリ


まあ、こんなかんじ。

そして こういった[カリとのケンカに弱い]苦土や石灰の欠乏が
あらわれるときには、

 欠乏症状を呈する苦土や石灰といった成分を補う

という方法を 説明してきました。

が、じつはもうひとつ、苦土や石灰の欠乏がでないようにする考え方
があるのです。その セカンド・オピニオン的な方法 が これ 。



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SSCN0290.JPG 


そうなんです、 カリの施用を抑えていく という方法ですね。派閥
の人数を減らしちゃうとでも たとえるような方法となります。

現実には

『土の物理性や生物性、そして化学性に問題がある圃場の土壌の改良
 には、カリが多くなりがちである家畜ふんが原料のたい肥の使用を
 控え、ヨシやカヤ、ススキなどのケイサン分に富んだ植物を材料と
 したたい肥による土の改良
を数年にわたって続けていくというのが、
 なによりの対策です。』

といったことを 説明している・この回 のような対策をとります。


晴れ 土を肥やすことばかりが喧伝されがち な農業の世界ですが、
  ときには減量するとも大切なのではないのでしょうか、とい
  うおはなしでした。
  今回のはなし・・・人の健康問題に置き換えて考えてみる
  も、よいかもしれませんよ。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜