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農業の現場の おはなしなどなど。

スギ丸太の中国輸出で環境を守る。

2015-02-21 02:47:20 | Weblog
2005-06-14 スギ丸太の中国輸出で環境を守る。

次回の参考として、今回は2005年05月の当ブログ記事の採録です。
内容は2005年当時のものとなります。

 ↓

『スギ丸太の中国輸出で環境を守る。』

木を使わないでいると、山に入って木を切る人がいなくなる。すると、山の
手入れが行き届かなくなり、山が荒れてしまうんです。山が荒れると、川が
氾濫し、結果的に海の生産性も落ち込んでしまいます。
間伐材や山の木を使うことが、「山」「川」「海」の保全につながる・・と、
こういうわけです。

さて、2005年。
現在の日本の山の概況は・・・どうなっているのでしょう。

数字でみてみます。日本人一人当たりの国産材の利用率は30年前の3分
の1、用材自給率は30年前の18パーセントしかありません。そう、この
数字が示すように、今日本の山は荒れに荒れているといった状況なのです。

最近災害が多いはずだと、妙に納得させられてしまいますね。

そこでです。

日本の自然を守る〔自然山を保全し災害を防ぐ〕ために国産材の需要を
増やすには、いったいどうしたらいいのでしょうか。

この問題を解決するには、方法がふたつあります。

増え続ける外材の輸入を停止すること〔可能であるならこれが一番〕、それ
に、間伐材を徹底利用することです。二つの方法のうち、より現実的な間伐
材の利用例について現場では新しい取り組みが始まっています。その取り
組みについて、ご紹介しましょう。

なかでも注目されているのは、丸太材の形での中国への輸出です。

なにせ、中国の経済発展ぶりは世界の経済の牽引車・・おりしも 現地では、
北京オリンピックや上海万国博覧会の開催や住宅着工戸数の増加に伴う
空前の建設ブームが起きています・・。しかも、中国国内の環境問題もあり
ますね。耕地の砂漠化や揚子江の洪水といったさしせまった環境の危機に、
中国政府が全国的に樹木の伐採を1988年以降禁じているのは周知の事実。
しかも、昨年は、中国産の炭輸出も禁止されたばかりです。こういった中国
国内の情勢が、丸太材輸出の追い風となっています。

・・・とはいっても、驚きませんか?
ほんとうに、日本のスギの丸太が中国で売れるのだろうかと。

だって、日本の100円ショップには中国製品が氾濫しています。その中国
に日本製の100円以下の商品を輸出するようなものなんですから。
中国と日本の経済格差をかんがえれば、この商品〔日本のスギ丸太〕は、
中国ではかなりの値段になる・・と思ってしまうのは当然のことです。

ところが、なんとか採算に合うんです。

中国への国産材輸出は2003年、5800立方メートルと前年の10倍以
上の伸びを示しました。なかでも南九州・わが宮崎県がその中心で最近では 
「宮崎スギ広報員」を中国におき、PR活動も行なっているんです。しかも、
中国ですぐ組み立てることができるように、宮崎でカットして輸出する方法
さえも計画中とか。同県の民間企業にいたっては、中国の集積材工場と提携
し、新築マンションの内装材や家具用のスギ丸太輸出契約を結んでいるほど。
・・・世の中かわれば変わるものですね。

というわけで

木材不足の中国と国産材の消費減に伴う荒れた山に悩む日本・・・ここは
ひとつ、お互いの環境を守るためにも、継続していってほしい事業ではな
いでしょうか。

注〕かつて中国は、日本への備長炭輸出国でした。揚子江流域南
  部にウバメガシが自生しており、日本から技術指導を行った結果、
  品質や歩留まりは悪いが備長炭の生産が可能となり、急速に
  日本への輸出を伸ばしていたものです。その量は日本の木炭総
  輸入量の半分以上を占めていたほど。

注〕中国では砂漠化防止と洪水防止のために全国的に樹木の伐採
  が1998年以降禁じられているのにも関わらず、木炭のみならず
  木材の対日輸出量は増加していたものでした。当時、日本の木
  炭輸入関係者に聞くと、中国側売り手の説明では「伐採禁止令
  が出る前に炭に焼いておいたストック品で、違法な伐採による原
  木は使ってない」とのことであった。
  ・・・不法伐採の可能性はおおありですね。この有り様では中国
  の資源が底をつきはじめた話も、納得できる話です。
  「違法な経済活動の影響力の大きさ」を、窺えしる話ですよ。。


◎ っていうか、日本の木材市況/木材相場がいかに低下しているかを裏付
  ける悲しい現実ではあります・・ね、今回のテーマは。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染