グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

規模拡大よりも経営の工夫が大切になる農業。

2011-12-16 06:01:56 | Weblog
規模拡大よりも経営の工夫が大切になる農業。すみ

農作業における作業能力が同程度の人がいると仮定しての話ですが・・・

トマトハウスのトマトを管理する場合、管理する人の数によって当然
のことながら、その管理方法はちがってきます。

仮に10アールあたり、1000本のトマトが植わっているハウスが
あるとします


いままでこのハウスのトマトを4人で管理していたのですが、来年は
都合で2人に減らされる
ことになってしまいました。さあ、あなたが
このハウスの責任者だとするならば、今年はどうやってトマトの管理
作業をこなされますでしょうか。

がむしゃらに働くというのも手です。
残業を増やすのもいいかもしれません。

しかしもっと簡単な方法がある。そうです、ハウスに植え込むトマト
の苗を減らせばよいのです。10アールあたり、500本のトマトに
する。余裕をみて、300本にしてもよいかもしれません


本数が減るのですから、たしかに全体の果実数は減少する。
しかし、このやり方であれば、トマトへの日射量も増え、通気性もよ
くなるので、全体の果実品質はあがり、1本あたりの平均果実収量は
ふえることでしょう。

それでは、逆に、4人で管理していたトマトハウスを、来年は都合で
6人で管理するようになった場合はどうすればよいでしょう。

そう、この場合はハウスに植え込むトマトの苗を、とりあえず増やし
てみるのが手です。まずは1200本あたりでどうでしょう。

ハウス内の本数が増えたとはいえ、管理する人員が増えたわけですら
たとえば病気になった葉や古い葉を大事にならないうちに、先回りし
てとる〔摘葉といわれます〕ことや、害虫が増えるのを予防するとい
った管理を徹底することで、1本あたりの果実収量はふえるはずです。
なんといっても もともと全体の植え付け本数が増えているのですか
ら、このような管理を徹底すれば、増収はまちがいのないところです。

と、こういうふうに、手を入れることによって増収するように工夫す
る農業、これを集約的農業
といいます。

あぐら.jpg

・・・現在の、栽培面積をふやすことばかりを宣伝する「構造改革」
農業の推進
には、私は多いに疑問があります。
だって、大面積を誇る米国やオーストラリア農業にも、経営体の倒産
はもちろんあるのですからね。単純に規模を広ければよいというもので
はない
のです。

→ 日本の農村はいろいろな規模の農家で構成されているは こちら


▼ 報道されることの多い、この農業生産法人も「大規模化によるスケー
  ルメリット」と、「生産から加工・販売までの一貫経営」を謳っていた
  のですよね・・・そう、安愚楽牧場です〔こちら〕。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染