アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

ヤマカガシ

2006-06-10 17:34:41 | 暮らし
昼寝をしていたら近所のおばあさんがやってきて、「あんだあ、ヘビいらねか~」と言う。私が食べると知ってのことだ。「あ、今行きます」と答えて慌てて玄関を出た。

マムシのようでいてそうでもなさそう。もちろんシマヘビじゃない。でも随分大きなヘビだ。差し渡し1m20cmはある。
モアで草を刈っていて殺してしまったそうだ。見たところ外傷は深くはないが確かに死んでいる。

ヤマカガシ

隣りのジッちゃんに訊いたらそう言った。「食(か)れねえ。マムシや青大将ぁ食(か)れるけんど、ヤマカガシを喰ったのあ、聞いたこたあねえ。」
ジッちゃんはそう言ったけれど、死んだヘビを見てるうちにこのまま堆肥に積むのはなんだか可哀想な気がした。ここにも「いのち」がある。だから意を決して今晩の私の食事にしようと思った。





案に相違して卵は持ってなかった。そのかわり花豆のような形の黄色いものがたくさん胎内にある。これが卵になるんだろうか。それともオスで、これは精巣なのだろうか。後でネットで調べてみたけどどうにもわからない。ヤマカガシは比較的大きなヘビなので、単に体の大きさだけでは雌雄は判じ切れない。

金槌で叩いてグリルで焼いた。さて、これで夕飯のおかずはできた。後は日暮れまでちょっとひと仕事しようかい。

猫が網戸の外で盛んに鳴いている。そうか、おまえたちはいつもヘビと格闘してるからなあ。時々やつらに咬まれるのか、足を引き摺ってたりする者もいる。焼いたヘビの匂いがするのかい。でもこれは、先ずは俺の食べ物だよ。

まあ待てよ! おまえらのためには、今日は美味しい魚(のあら)を用意してるんだから。


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4 コメント

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考えすぎだけど (南無)
2006-06-12 23:22:19
常連御一行様のコメントがつかないですネェ。蛇を食う、ってことが衝撃的なのかなぁ。

黒マムシは5000円ぐらいで売れるし、ヤマカガシはゼロ円で残念だけどね。事務所横にある社員寮の厨房のまな板にはよく蛇の頭が残ってますが・・・。現在中国人が10人居ますから。これからが蛇料理の季節ですね。林道仕事の帰りに彼らはよくぶら下げて帰ってきます。骨を抜き輪切りにして油で揚げて食っているみたいです。私はもともと長いものは全て駄目なので食べません。アナゴ、うなぎ、太刀魚等々全部駄目(汗

ところで奴は毒持ちではなかったか?
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疲れ気味なのでヘビでも食べて・・・ (agrico)
2006-06-13 09:46:58
ヤマカガシは毒蛇だそうですね。気性が大人しいのと咬まれても毒が注入されにくいのとで長い間毒蛇とは思われなかったと聞きます。昔はよく子どもたちが捕まえて遊んだそうです。



さてヤマカガシの肉なんですが・・・

ちょっと苦かったです。なるほど、この苦味があるので食べられないんだろうか、なんて考えました。でも酒のツマミにはちょうどいいですよ。

後で残った部分を猫や犬にやったのですが、全然食べませんでした。彼らはヘビは追いかけるくせに、食べないんでしょうか。因みに鶏にやったら食べました。



それとヘビ肉は骨があるから食べづらいです。歯が丈夫だといいのですけどね。私は歯が丈夫でないものだから、背筋の肉の多い部分しか食べれません。

確かに背骨を抜いて揚げれば、パリパリとしていいかもしれないですね。今度試してみます。
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そのほか (南無)
2006-06-13 10:21:15
中国の方々(当社は遼寧省の満州族が多い)は蛾の羽を毟り胴体だけを唐揚げで食べることもあります。

爬虫類系は始祖を同じくする鳥類なら食べるんでしょう。ただし推測でしか有りませんが。

いずれにしても食物連鎖の頂点は人間なのですから、およそ食べれないものなどほとんど無いはずです。スーパーマーケットに行くだけでもその食物の種族のなんと多いことか!

まさに悪鬼餓鬼のごとくが人間なのです。
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人類の繁栄は・・・ (agrico)
2006-06-13 20:02:57
その雑食・多岐食性にもひとつの要因があるのでしょうか。考えてみれば恐竜も草食か肉食どちらかのようですしね。してみると雑食の哺乳類は彼らの絶滅を土台にしたその延長上にあるのかもしれないですね。進化の先端なのかもしれません。



食べ物を選べる状況になった時に、(その選べる幅が広ければ広いほど)固体は弱くなってしまいますね。そしてそれが種の弱体化に繋がってくる。

もちろんあまりに選べなさ過ぎてもいけないのですが、なべれば空腹感を忘れられない暮らしが一番いいのかもしれません。そんな時にはおよそ食べれるもの何でも食べますし、最も自然環境に近い生き方になる。潜在能力もずっと発揮できるのかもしれません。



しかし現代、飢えも貧困も知らない私たちが自分の意思でそれを選ぶのは難しいです。

食べ物をコントロールできる人は自分自身を制御できるのだと思いますよ。私もそれを目指してはいるのですが・・・今日もまた、したたかどぶろくを飲んでしまいました。



かつて食物連鎖の頂点にいた生き物たちは、今では絶滅しているかそれを超える生物の下にいるのでしょうね。

人類もやがては同じ宿命なのかもしれないですね。意外と人の天敵は人の内部から(例えばウイルスや奇形、突然変異などの形で)出てくるのかもしれません。
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