ミュンヘン五輪で日本男子バレーボールを金メダルに導いた監督松平康隆さんが死去した。もう40年前のことだが、当時のことはいまでも記憶に鮮烈に焼きついている。特に準決勝のブルガリア戦で2セットを先取され、最終セットも押され気味の中絶体絶命からの大逆転は歴史に残るドラマであった。
バレーも球技の中でも元々体力重視のスポーツだった。しかし松平監督は時間差攻撃や多彩な速攻など技を駆使して、旧ソ連や東欧のパワー中心の強豪を次々打ち破っていった。まさに日本お得意の「技の勝利」だった。
しかし他国はその後日本の技を習得し本来のパワーをくわえて、あっという間に日本の実力を凌駕してしまった。以後日本は男子バレーどころか、もともと実力があった日本女子さえも、世界トップレベルからははるか遠い存在になっていった。
他のスポーツたとえば柔道にしても依然として世界水準であるが、ここでも日本の伝統技だけでは通用しない時代になってきた。ルールがなんども改正され、技よりも体力がものをいう。まるでプロレスのような試合が多く、日本人選手が苦戦する姿を良く目にする。
階級制がない日本の大相撲は、もはや体力に勝る外国人力士に土俵が牛耳られてしまっている有様だ。体力ばかりか気力にも劣る日本人力士の横綱誕生は遥か遠い世界になってしまった。
今後は技で外国人選手をきりきり舞いさせることは不可能なのだろうか。とても淋しい気がする。できれば第2の松平監督が出現してそうやすやすと外国人がまねのできない高難度の技で世界を圧倒してほしい。工業製品にしても依然日本は技術で市場を切り開く宿命にあるのだから。
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