粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

お笑い武田教授食材「汚染」情報

2012-11-03 13:30:09 | 煽りの達人

この教授はしばしばB級のデマ情報を提供してくれて話題に事欠かない。いつもながら他人の不確かな伝聞をそのまま引用して、教授風に煽りに味付けをする。武田邦彦中部大学教授「食材汚染情報」今度はなんと「日干しダイコン」などだ。

福島県郡山市の日干しダイコンが1キロ3421ベクレルと安全なレベル(1キロ40ベクレル)の約100倍の汚染がでました。同じダイコンを室内で乾燥したものは100ベクレルを切ったと報告されています(2012年10月28日)。

まず教授は計算がいい加減だ。約100倍の汚染というが、3421÷40=85.52倍で「約100倍」というのは強引だ。まさか教授は「ゆとり教育」の推進者?また食材を乾燥すると放射性物質の濃度が高まる。しかし日干しと室内との差が大きすぎる。3421対100で34倍というのはどうなのか。ただ単に室内の乾燥が不十分だということに過ぎないのではないか。教授の記事にはこれが出荷停止になったということは書いていない。(同じ記事で岩手のそばが出荷停止になったと記しているが)あまりにもこの情報の出所が不確かである。とすると日干しダイコン3421ベクレルという数字もその精度に疑問が残る。しかし、教授はこの情報をもとに「セシウムの再飛散」という虚論を作り上げる。

つまり福島ではまだ空気中にかなりのセシウムが再飛散していることを示していますので、日干しのもの(干し柿、日干しの魚など)に注意するとともに、福島の人はできるだけマスクをしてください。日干しダイコンだけが汚染されるのではなく、人間の肺も汚染されますので。

飛散したセシウムが日干しダイコンに大量に付着して濃度が上がったということなのだろうか。それも室内と比較して34倍にもなるとは。それなら外部の空気中の放射線量は相当な高さであろう。しかし記事には具体的な数値が示されていない。

こんな不確かな「セシウム飛散情報」で教授から「マスクの使用」を勧められても郡山市民は困惑する。まして人間の肺も汚染されますなどと言われても大迷惑だ。

実際福島の空気中のセシウム濃度は一時的な増加があるものの、直実に下がっているし、決して拡散しているとは考えらない。日常生活には全く無視してよいレベルだ。

まあ今の福島県民で武田教授の言説などほとんどの人が信用していないから、まず教授の「影響力」などとるに足らないとは思う。しかし相変わらず人騒がせなおじさんだ。日干しダイコン以外にも教授の「想像力」でその他いろいろ煽っているが、とても論じる気になれない内容だ。


追記:後でわかったことだが、福島県農業総合センターが検査したものなので、その数値に間違いないようだ。空気中のチリやホコリが付着したとも結論付けている。にわかに信じがたいが、それを認めるとしても、はたして空気中にどれくらいセシウムが存在しているかが問題だ。「再飛散」といえるほどの状況なのか疑問は残る。

なお、今回の記事とは直接の関係はないが、昨年10月に佐賀大学教授が福島市内で大気中のセシウム濃度を検査した結果が興味深い。その教授によれば、福島市内で1年間吸入した場合の被曝量は0.5マイクロシーベルト程度ということだ。食品の内部被曝と比べたら遥かに少ない。ただ除染作業でホコリとして舞い上がることを心配している。この点は今後注視すべき課題だが武田教授のいうように、除染作業時は別としてマスクを着用するほどのものなのか。



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