時々いわゆる「反原発派」の学者のブログを覗いたりする。その代表格でカリスマと言われる武田邦彦中部大学教授のを読むと思わず首を傾げることが多い。時に怒ったり呆れたりもする。しかし小さな子供を持つ母親はそんな悠長なことはいっていられないのかもしれない。
自分は一方で武田教授とは違う本当の?専門家による「暮らしの放射線Q&A」のサイトは大いに参考にするしそれで勉強にもなる。たまたま12月2日での相談は武田教授のブログ(10月13日付)を読んで不安になった母親からのものだった。以下全文
<質問>
牛乳の安全性
千葉県在住 30代 専業主婦 女性 の方からいただいたご質問
いつも参考にさせていただいております。
今日、武田邦彦さんという人のブログ(横浜のストロンチウムと子供の守り方(緊急の2))の中で、(http://takedanet.com/2011/10/post_81fe.html)
>でも、困ったことがあります。太平洋の静岡から北の小魚は汚染されていますし、牛乳は危険で飲むことができません。
とありましたが、日本の牛乳は本当に飲む事ができないほど危険なのでしょうか。
どういう根拠があってこのようなことが言われているのでしょうか。
子どもをもつ親として、給食で毎日出ますし、栄養面からも牛乳は飲ませたいと思っているのですが。
<回答>
食品(飲料水、牛乳・乳製品、野菜類、肉・卵・魚介類)については放射性物質に関する暫定規制値が設けられています。対象としている放射性核種は「放射性ヨウ素」、「放射性セシウム」、「ウラン」、「プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種」となっています。しかし、放射性セシウムの指標の算定に当たっては、セシウム137を1とした場合に、0.1相当のストロンチウム90が含まれていると仮定して、ストロンチウムの影響も含めて計算しています。今回の事故では、セシウムに対するストロンチウムの比は、特別な場合を除き、100分の1にもならなかったようですので、ストロンチウムについては過小評価になっていないはずです。また、現在流通している牛乳は、すべて規制値以下であり、規制値の牛乳を毎日1年間飲み続けても1年で1 mSvにしかなりません。稀に規制値を超える牛乳があったとしても、それは規制値をはるかに大きく超えた値とは考えられないことから、それを1度や2度飲んでも健康に影響が出るということはないと回答者は考えます。
消費者庁, 食品と放射能:http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/11
「専門家」の回答はあくまでも科学的な数値を使って冷静かつ淡々としたものになっている。武田教授のセンセーショナルな物言いとは対照的だ。どちらを信用するか自分には一目瞭然にさえ思える。武田教授への疑念は10月13日の発言に限らない。ほとんど全てに煽りが含まれていると言っても大袈裟ではない。敢えて言わせてもらえば「犯罪的」だともいえる。ここで紹介した主婦も放射線問題のカリスマの「名声」を頼りに教授のサイトを訪れたようだ。しかし逆に不安になり、こうして「Q&A」に駆け込んだのだろう。この主婦はこの回答を読んできっと安心したのに違いない。武田煽り症の「処方箋」は「暮らしの放射線Q&A」薬局までどうぞ、とおすすめします。全国のお母さん!
そんな武田教授、11月29日の「日本の歴史を変えた内閣」…「菅内閣」の最後はこう結んでいる。
2000年の長い伝統を誇った日本の「国」も菅政権でもろくも崩れ去ったのである。いま、「私にできること」というのがはやっている。つまり、「国は何もしないから、私がする」ということであり、国はなくなった。・・・・・・・・・絶対にそれではいけない。子供たちが銃を持たなければ安心して生活できないような国、城壁の中に住民が住む国にしてはいけない。もう一度、「清貧」、「誠実」、「礼節」を重んじる国にしなければならない。それが大人の責任である。
これには正直苦笑せざるを得ない。「あんたに言われたくない。」と。あなたは国を批判できるほど偉い学者さんですか。すこしでも「大人の責任」とはどういうものか考えたらいかがですかね。あなたの68年の「伝統」はどうなんですか?清貧で誠実で礼節を重んじる武田教授へ。
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