自分自身、電車に乗って一番不愉快に思うのは、若い男女が人目も憚らず抱き合っていちゃついている姿だ。自制が効かないルーズさがだらしなく獣の欲情にしか見えず、こちらの方が恥ずかしく感じてしまう。そんなことはラブホテルか自分の部屋でやってくれといいたいくらいだ。そこに水が入ったバケツがあったら、思わずそこに水を投げかけたい衝動に駆られる。
それと比べたら、路上キスならまだ許せる。まして黄昏あるいは真夜中なら「問題ない」だろう。本人たちは少しは人目を忍んで行為に及んでいるはずだから。薄明かりのなか特に大人の男女がスマートに収まっている様は絵になりそうだ。その現場に遭遇したら、ちょっと得した気分になるといったら、三流の恋愛映画の見過ぎだといわれてしまうだろうか。
今国会議員同士の路上キスが世間を騒がせている。中川郁子農水政務官と門博文自民党衆議院議員だ。失礼ながら二人とも美男美女という感じはしない。ただ、路上キスはなかなか様になっている。酔った上での行為であってそれ以上でもそれ以下でもない。世間でいわれるような不倫とはほど遠い気がする。
こんなことが、どうして国会で追求されるのかさっぱりわからない。もっと議論することがたくさんあるはずだ。
むしろ、このニュースは春の慶事といってよいだろう。今年に入って、中東の人質事件や川崎の少年殺害など暗い話題が続いた。暗い冬で気が重かったときに、この路上キスだ。やっと春が来たと思わせるような話だ。人間にも盛りがある?路上キスを春の季語にしたいほどだ。
多少道徳的に問題があるが、政治家にそんな厳しい道徳を求めるのはどんなものだろう。こんな話、政治家の間ではありふれている。むしろ、50を過ぎたおばさんたちには勇気を与えたかもしれない。
中川郁子政務官は見た印象では、女のけばけばしさがなく普通の女性のようだ。ただ年より若くみえてる。そんな冴えないがどこかかわいらしさも感じられる女性が酒の勢いで及んだ行為に過ぎない。別にそれよって仕事に支障があったわけではない。今回のバッシングにめげず政務に励んでほしいと思う。