先週は週刊朝日について広瀬隆氏を中心に書いた。今回はもうひとつの煽り週刊誌サンデー毎日を購入(350円)。毎日の人には申し訳ないが、これまでの人生でサンデー毎日を買って読んだ事がない。朝日もそうだが、新聞社系の週刊誌は、大手出版社系と比べて週刊誌としての印象が薄い。実際コンビニには朝日も毎日も売ってない。もちろんアエラもない。週刊大衆やアサヒ芸能はあるというのに。
したがって書店での販売に活路を見出す事になる。サンデー毎日を手にしてまず感じた事は、「主婦」を対象にしている事だ。ライバルは女性週刊誌だ。たとえば特集「お母さんのための放射線汚染対策」の「子供のお弁当は大丈夫?(ウィンナー・ハンバーグ…)」はそのものズバリだ。あるいは「関東・関西私立中・高630校学校説明会スケジュール」といった記事も細かい表にして紹介しているがその一環だろう。
お受験の傾向と対策はともかく、こちらの放射能汚染の報道姿勢は感心しない。悪くいえば放射能で煽いながら、その傾向を分析しその対策として食品選びを念入りに勧める。読んでみると結論は「できるだけ汚染の少ない食品を選べ。できれば輸入品がいい。加工品は産地が不明なものが多くできればメーカーに尋ねるのがよい。むしろ産地がはっきりした生鮮食品を食べた方がよい…」とまあ、陳腐な内容だ。そもそも政府の基準値があるのに放射性物質を含むだけで子供の体には問題があるようなトーンで記事を進めているのがいかにも毎日らしい。
朝日の広瀬隆氏の記事にも登場したが、ここでもドイツ放射線防護協会の子供キロ4ベクレル大人8ベクレルの汚染基準が「専門家」の証言として言及される。自分自身もう一度ネットでその協会を調べてみたが、ドイツの民間の調査期間であり、その協会がただ「提言」しているだけであり、全く政府となんの関係もない。そもそもキロ4ベクレルの精度まで正確に計れる検定機があるのか。事故以前から放射性カリウムは存在する。カリウムの検出が多すぎて多くの食品がクリアできない…といろいろ疑問がわいてくる。毎日と朝日も揃ってこんなうさん臭い協会を世界の常識がごとく得意げに紹介している事自体、雑誌の品位が疑われる。
自分がサンデー毎日をレジで会計している間に、主婦が週刊朝日の在庫の有無を聞いてきた。朝日も同じ路線(主婦対象)といえる。放射能汚染を今一番心配しているのは小さい子供を持つ主婦だろう。自分たちの反原発の主張をこうした主婦を中心に訴え世論を誘導する。おまけに販売の実利も挙げる。こう単純に決めつけるのも問題だろうが、どうしてもこうした煽り週刊誌(アエラを含めた朝日の2誌、サンデー毎日)のいやらしさを感じてしまう。表紙に登場する知性的なイケメン・美女さえうざく見えるのが悲しい。