往年のロックグループ「ゴダイゴ」のヒット曲のひとつに「ビューティフルネイム」がある。当時(1979年)は国際児童年にあたり、それにあわせてつくられた。曲中“Every one has a beautiful name.”とあるように、特に子供たちにはその美しい名前にふさわしい輝かしい未来が待っていることを歌い上げている。
最近大分県で長女の死体遺棄の容疑で母親が逮捕された。その2歳の女の子の名前は「琴音」ちゃんだ。とても素敵で愛らしい名前だと思う。まさにbeautiful nameと呼ぶにふさわしい。しかも日本語の読みを正確に生かしている。最近では漢字の読みが当て字で全くわからない名前が多く、首を傾げることもしばしばだ。「輝宙」君は一体どう読むんだと思ったら、なんと「ぴかちゅう」と聞いて唖然としてしまった。いかにもアニメ世代の若い親が付けた名前らしいが、我々50を過ぎた親父にはどうも釈然としない。「輝宙」君が成長して自分の名前をどう思うのだろうかと心配してしまう。
「琴音」ちゃんの母親が逮捕された後、双方の祖父が謝罪の会見を次々していた。おそらく「琴音」ちゃんは、両方の祖父母から大事に可愛がられていたことが想像される。風光明媚だが過疎化が進む国東半島の田舎町では、こんな子供たちは町の宝のはずだったに違いない。その笑顔はそれこそ琴を奏でるような美しく希望に満ちたものだったろう。それなのにこんな痛ましい事件が起きてしまった。祖父母のみならず町全体の悲しみだろう。
事件の様子を知る限り、どうも殺人も母親の関与が濃厚だ。母親に一体何があったのだろうか。聞くところによると夫は船乗りで家を空けていることが多かったようだ。
時を同じくして、日本の女子高生がバレエの国際コンクールで優勝したニュースを伝えていた。3歳から厳しい練習を受けていたが、才能を確実に開花させたのは素晴らしい。「琴音」ちゃんもそんな才能の開花を親たちから将来望まれ願われていたはずだ。Beautiful Nameがまさに輝くことを…。