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●桐生悠々さん《論説「関東防空大演習を嗤ふ」では敵機を東京上空で迎え撃つ想定の無意味さを指摘します。…歴史を振り返れば正鵠を射る内容》

2023年10月30日 00時00分41秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年09月17日[日])
これもまた、10月下旬になってしまって、「6月ジャーナリズム」「8月ジャーナリズム」を語る…。アベ様とカースーオジサンによって敷かれた、そして、キシダメ政権によっても、いまも続く《メディアコントロール》下…そのジャーナリズムの重要性。最「低」裁を頂点とした司法も役立たずで、三権分立は何処に? 

   『●《どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならない》
      (東京新聞社説)…下足番新聞やアベ様広報紙に言っても詮無いこと
   『●《「現実離れしている」と叱責…マンネリ化が指摘》? でも、《戦争の
     悲惨さと平和の大切さを伝え続ける意味は増している》<ぎろんの森>
   『●軍事国家となり軍事費を《増やせば日本が守れるというのは幻想》…
     社説「関東防空大演習を嗤ふ」での桐生悠々の予見・予言に学ぶべきこと

 《新聞が言わなくなった先にあるのは、内外で多大な犠牲者を出した戦争であり、それが歴史の教訓》、《悠々の批判の矛先は、政府や軍部にとどまらず、権力におもねる新聞にも向けられていました》、《新聞を「輿論(よろん)を代表せずして、政府の提灯(ちょうちん)を持っているだけである」「今日の新聞は全然その存在理由を失いつつあると批判》、《新聞は権力におもねらず、読者の期待に応えているか、常に自問自答する必要を感じざるを得ません》、《「言いたいこと」ではなく、権力者に対して言わねばならないことを言い続けることが新聞など言論の役割》、《悠々が残した一連の言論は、権力と向き合う覚悟を、現代に生きる私たちにも問うています》。
 2023年9月10日の東京新聞の【<社説>週のはじめに考える 桐生悠々が問う覚悟】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/276435?rct=editorial)によると、《きょう10日は、反戦、反軍の記者、桐生悠々=写真=が1941(昭和16)年、太平洋戦争の開戦直前に亡くなった命日です。今年で生誕150年。明治から大正、戦前の昭和にかけて藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を痛烈に批判し続けた報道姿勢は今も、言論にたずさわる者のお手本です》。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行」だからである》と
     〆ています」

   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《全米の新聞、一斉に社説言論の自由への危機感
     …桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
     《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」

   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
    「《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが
     「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、
     「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…に
     とって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う
     義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。
     アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、
     《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 
     《義務の履行》を果たしているか?」

   『●《国会を開かなければ、それもできない。これを政治空白と言わず
     して、何と言う。…国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい》…
   『●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の
     昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
        メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》
   『●桐生悠々に《ちなんだ社説の掲載に至ったのも、どんな政権であろうと、
       新聞は権力監視の役割を放棄してはならないという決意を》読者に
    《社説「桐生悠々を偲(しの)んで」…。安倍、菅両政権の九年近くの
     間、独善的な政治運営が続き、政治は私たちの望む、あるべき方向とは
     全く違う道を進んでしまいました。でも、それを止める力が新聞には
     まだある、義務を履行せずしてどうするのか、と読者の皆さんに
     教えられた思いです。きのう始まった自民党総裁選後には衆院選が
     あります。どんな政権ができようとも、私たちは
     「言わねばならないこと」を堂々と言う新聞でありたいと考えます》

   『●《どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならない》
     (東京新聞社説)…下足番新聞やアベ様広報紙に言っても詮無いこと

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/276435?rct=editorial

<社説>週のはじめに考える 桐生悠々が問う覚悟
2023年9月10日 07時21分

 きょう10日は、反戦、反軍の記者、桐生悠々=写真=が1941(昭和16)年、太平洋戦争の開戦直前に亡くなった命日です。今年で生誕150年。明治から大正、戦前の昭和にかけて藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を痛烈に批判し続けた報道姿勢は今も、言論にたずさわる者のお手本です。

      ◇

 本紙読者にはすっかりおなじみだと思いますが、桐生悠々について、おさらいをしてみます。

 悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知」新聞や長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です。

 新愛知時代の18(大正7)年に起きた米騒動では、米価暴騰という政府の無策を、新聞に責任転嫁して騒動の報道を禁じた寺内正毅内閣を厳しく批判。社説「新聞紙の食糧攻め 起(た)てよ全国の新聞紙!」の筆を執り、内閣打倒、言論擁護運動の先頭に立って寺内内閣を総辞職に追い込みました。

 信毎時代の33(昭和8)年の論説「関東防空大演習を嗤(わら)」では敵機を東京上空で迎え撃つ想定の無意味さを指摘します。日本全国が焦土と化した歴史を振り返れば正鵠(せいこく)を射る内容でした。

 しかし、在郷軍人会の抵抗に新聞社が抗しきれず、悠々は信州を離れて新愛知時代に住んでいた今の名古屋市守山区に戻り、34(同9)年から個人誌「他山の石」を発行して言論活動を続けます。


◆軍部台頭を厳しく批判

 新聞社を辞めても、悠々の筆鋒(ひっぽう)(筆の勢い)が衰えることはありませんでした。他山の石は厳しい検閲で、しばしば発売禁止や削除の処分を受けながらも、軍部の台頭を厳しく批判し続けます。

 例えば36(同11)年、旧陸軍の青年将校ら反乱部隊が首相官邸などを襲撃。当時の高橋是清蔵相らを殺害し、軍部の影響力が強まる契機となった二・二六事件です。

 悠々は「だから、言ったではないか」との書き出しで「五・一五事件の犯人に対して一部国民が余りに盲目(もうもく)的、雷同的の讃辞(さんじ)を呈すれば、これが模倣を防ぎ能(あた)わないと」「軍部よ、今目ざめたる国民の声を聞け。今度こそ、国民は断じて彼等(かれら)の罪を看過しないであろう」と断罪しました。

 しかし、その後の歴史を見ると悠々の警告むなしく、日本は破滅的な戦争へと突き進みます

 悠々は米国との戦争を避けるべきだと考えていました。他山の石ではニューヨーク・タイムズなどで編集者を務めたE・J・ヤング氏の著作を紹介し、米国とは「日本が今これを敵として戦うことは無謀の極(きわみ)であって」「倍旧の友情を温めるのが賢策である」と記しています。

 日米の国力差はもちろん、当時の中国大陸や旧ソ連、さらに欧州にまで視野を広げて、国際情勢を冷静に見ていたのです。

 こうした分析力は、海外の文献を丹念に読み込むことで磨かれていきます。悠々は名古屋で洋書を取り扱う丸善で当時、大学教授らをしのぐ最大の顧客でした。

 悠々の批判の矛先は、政府や軍部にとどまらず、権力におもねる新聞にも向けられていました

 他山の石では当時の新聞を「輿論(よろん)を代表せずして、政府の提灯(ちょうちん)を持っているだけである」「今日の新聞は全然その存在理由を失いつつあると批判しています。

 今、新聞にたずさわる私たちにも耳の痛い指摘です。新聞は権力におもねらず、読者の期待に応えているか、常に自問自答する必要を感じざるを得ません。


◆言わねばならないこと

 悠々は「言いたいこと」と「言わねばならないこと」とを明確に区別すべきだと考えていました。

 「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが、「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」と、他山の石に書き残しています。

 「言いたいこと」ではなく、権力者に対して言わねばならないことを言い続けることが新聞など言論の役割なのです。

 新聞が言わなくなった先にあるのは、内外で多大な犠牲者を出した戦争であり、それが歴史の教訓です。当時とは状況が違うとはいえ、岸田文雄内閣が進める防衛力の抜本的強化が、かつての軍備増強に重なります。

 <蟋蟀(こおろぎ)は鳴き続けたり嵐の夜>

 悠々が遺(のこ)した句です。もし今が再び<嵐の夜>であるならば、私たち新聞は<蟋蟀>のように鳴き続けなければなりません

 悠々が残した一連の言論は、権力と向き合う覚悟を、現代に生きる私たちにも問うています。
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●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》

2023年09月18日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2023年09月11日[月])
軍隊は住民を守らない》…軍事費倍増・軍事国家化のいま、語られない《歴史上明らかなこの教訓》。《標的の島

   『●6月ジャーナリズム…《戦争について集中的に報道される様を指す。記念
     日までの雄弁さと、対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信》


【「軍隊は住民を守らない」スパイと言われた沖縄住民 (大城勇一さん)【うりずん通信特別号】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=YNnRdK2Sces

 デモクラシータイムスの映像記事【「軍隊は住民を守らない」スパイと言われた沖縄住民 (大城勇一さん)【うりずん通信特別号】】(https://www.youtube.com/watch?v=YNnRdK2Sces)。《うりずん通信MC三宅千晶が1945年の沖縄戦を生き延びた大城勇一さんにききます。いざというとき、軍隊は住民を守るのか、台湾有事に東京が関与を決めた時、戦場となる沖縄で自衛隊は県民を守るのか。もやもやとある疑問に、沖縄戦の経験者は答えます。「戦場では、住民は邪魔者。軍隊は住民を守らなかった」。歴史上明らかなこの教訓は、いま意図的に無視され、国の政策決定に反映されることもありません。沖縄で地上戦が始まった1945年4月から日本軍の組織的抵抗が終わったという6月23日の後、7月初めに米軍の捕虜になるまで、わずか3か月に大城少年が目の当たりにした戦争と、その戦争の兆しであった戦陣訓と日本軍の駐留についてもうかがいました。今、沖縄では、日々の平和に見える生活に並行して、なし崩し的に軍事化が進みます。その雰囲気は、あの沖縄戦前夜に重なります。歴史の教訓を知ることで、戦わずに済む方法を模索することの重要性をあらためて確認しました》。

   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行
     場も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

 さて、デタラメなキシダメ首相。N値はゼロで、工期と工費は∞。決して新基地は完成せず、普天間も返還されない。踏んだり蹴ったりな辺野古は、単なる破壊「損」
 山田祐一郎木原育子両記者による、東京新聞の記事【軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…地元で渦巻く怒りが向かう先は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/273772?rct=tokuhou)。《マイナカード原発処理水で岸田政権の強権ぶりが際立つ中、この問題も見過ごせない。沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画。軟弱地盤の改良工事を巡り、国は設計変更の承認を県から得ないうちに、関連工事の契約に踏み切った。29日には県が行政指導を出して強く反発。新基地反対派の間にも「建設ありきの先走り」と憤怒の渦が広まる。(山田祐一郎木原育子)》、《つじつまが合わず、自分たちの言葉を無視。…政権の姿勢を的確に表す。原発処理水も「関係者の理解なしに処分せず」と約束したのに、つじつまが合わない放出強行に踏み切るため、自分たちの約束を無視したまさに何でもあり近代国家とは到底思えない》。

 ホントに最「低」裁だな! 政治判断乱発し、マトモな判決・司法判断無し。
 沖縄タイムスの記事【沖縄の新基地建設巡る裁判 県の敗訴確定 知事に承認義務 国連までに是非判断か 最高裁が上告棄却】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216747)。《名護市辺野古の新基地建設の防衛省の埋め立て変更申請を巡り、国土交通相が県に承認を迫った「是正指示」は違法な国の関与として県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、是正指示を適法とした一審福岡高裁支部判決を維持し、県の上告を棄却した。裁判官5人全員一致の結論県側の主張への判断は示さず、補足意見もなかった。敗訴確定で県側は承認する義務を負った。県関係者によると、玉城デニー知事は9月中旬に出席予定の国連人権理事会までに承認に関し何らかの判断を示す考えだという。(社会部・新垣玲央、政経部・又吉俊充)》。
 沖縄タイムスの【[社説]辺野古 県敗訴確定 自治踏みにじる判決だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1216670)。《名護市辺野古の新基地建設に伴う設計変更申請を巡る裁判で、最高裁第1小法廷は、県の上告を棄却した。県の敗訴が確定したことで、民意を背景に反対の姿勢を貫いてきた玉城デニー知事は、重大な決断を迫られることになった。軟弱地盤改良工事のための設計変更申請を不承認とした県に対し、国土交通相は不承認を取り消す「裁決」と、承認するよう求める「是正の指示」を行った。「裁決」は無効だとする訴訟は上告不受理が決定しており、今回の辺野古訴訟は「是正の指示」を違法な国の関与だとして県が取り消しを求めていたものである。最高裁の判決は、県がこれまでさまざまな場で主張し、司法の場でも問題にしてきた辺野古埋め立てを巡る重要な論点がまったくと言っていいほど取り上げられていない。取り上げているのは、本来国の業務である法定受託事務の審査請求に関する法解釈などの問題である。判決は、県の不承認を取り消す裁決が出された場合、県知事は「裁決の趣旨に従った処分をする義務を負う」と指摘する。裁決後も同じ理由で申請を認めないと「紛争の解決が困難になる」というのが最高裁の言い分だ。国の関与について地方自治法は「必要最小限度のものとし、普通地方公共団体の自主性、自立性に配慮しなければならない」と規定する。最高裁判決は、反対する地元の民意を切り捨て、地方自治の視点を著しく欠いた内容だ》。

 最「低」裁、もはや沖縄イジメ沖縄差別。司法がそれに加担してどうする。
 琉球新報の【<社説>設計変更敗訴確定 沖縄の不条理を直視せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1778556.html)。《2000年施行の地方分権一括法による地方分権改革の意義は失われてしまったのか。辺野古新基地建設の設計変更申請に対する玉城デニー知事の不承認に対する国交相の「是正の指示」取り消しを求めた訴訟で、最高裁は県の主張を退け、県敗訴が確定した。沖縄の基地集中を考慮しない形式的判断に終わった》。

 川内博史さんのつぶやき:

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https://twitter.com/kawauchihiroshi/status/1698606887430914343

川内 博史@kawauchihiroshi

明かな不当判決
県が不承認の理由とした「国の地盤調査の不足」は明らかであり、最高裁の忖度判決
最高裁は後世に恥をかくことになった

【速報】辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定 最高裁判決 - 記事詳細|Infoseekニュース
………
午後5:00  2023年9月4日
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 琉球新報のコラム【<金口木舌>むちゃな話なのに】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1779846.html)。《暦の上では既に秋。秋と夏の空気の境目となる秋雨前線が南下する時季を迎えた。北から冷たい空気がやってくる。そんな“冷たい空気”が沖縄に向かっていきなり南下してきた ▼最高裁判所は4日、辺野古の新基地に関わる軟弱地盤の改良工事を巡る県の訴えを退けた。「マヨネーズ並み」の粘土層の上に新基地を建設するのだから危ない。工事の設計変更を県は認めなかったが、最高裁は認めろという ▼環境面を含む危うさの審査には踏み込まず、国に従えでは乱暴に過ぎよう。自治の否定だ。危険を回避できるのかも不明なのに予算を軟弱地盤に埋没させ続けるとは ▼風をまともに受けた沖縄。玉城デニー知事は「憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねない」と語った。日本本土の人々は沖縄に吹きつける風の強さと冷たさ想像できるだろうか ▼国は相変わらず公金を散財しむちゃな工事を続ける。そんな中、おかしな風にあおられ、自治と民主主義は今にも吹き飛ばされそう誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》。

 この沖縄差別、沖縄イジメ。自民県連やその会派「辺野古、人権問題に結びつけないで」!? いうに事欠いて。何故にこんな《釘を刺》されなけらばならぬのか? 「国内政治の場で議論を深めるべき」!? よく言うよなぁ。さんざん「国内法秩序をないがしろ」にしてきたのは自公お維コミじゃないのかね? 自民県連の酷い腐敗具合よ。沖縄の皆さん、こんな自民党議員に絶対に投票してはいけない。
 琉球新報の記事【「辺野古、人権問題に結びつけないで」 沖縄の自民県連が玉城知事にくぎ刺す 国連出席を前に 】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1779731.html)。《9月後半に予定される玉城デニー知事の国連人権理事会への出席を前に、自民党県連と同会派は6日、県庁で知事と面談し、人権理事会での発言について「辺野古問題を人権問題と結びつけず、冷静な発言をしてほしい」などと申し入れた。自民県連の座波一政調会長が申し入れ書を読み上げた。米軍基地から派生するさまざまな問題について「国際世論ではなく、まず国内政治の場で議論を深めるべきだ」と強調した。名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る訴訟で、県敗訴とした最高裁判決についても言及し「行政権の一翼を担う地方行政の長たる知事は(県敗訴の)確定判決に従って承認すべき」とした。その上で、人権理事会において「国内法秩序をないがしろにしかねない言動は慎んでいただきたい」などと述べ、くぎを刺し。知事は「日米安保体制の中で70%もの米軍専用施設面積を(県が)持たされていることについての考え方。人として平穏なあり方を考えて政府、国際社会とも協力していきたいということについて、一定、われわれの考えを述べたい」とした》。

 司法判断できない最「低」裁、政治判断連発の最「低」裁。(川内博史さん)《最高裁の忖度判決》。さすが、泉房穂さん《“裁判”といっても、これは“政治”そのもの》。
 沖縄タイムスの記事【辺野古判決は「裁判といっても、これは政治そのもの」 前明石市長・泉房穂さんがXに投稿】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1218150)。《沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る最高裁判決で県敗訴が確定したことを受け、前明石市長で弁護士の泉房穂さん(60)=写真=は5日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、「“裁判”といっても、これは“政治”そのもの最高裁の裁判官を決めるのは、ときの政権」と投稿した。泉氏はさらに「政権が許容できる範囲の裁判官しか今は選ばれていない政権が許容できない判決が出ることはなく、結局は“政治”だ」と断じた。泉氏は今年4月まで兵庫県明石市長を務め、子育て政策などで注目を集めた。(社会部・榧場勇太)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/273772?rct=tokuhou

こちら特報部
軟弱地盤の沖縄・辺野古 県が未承認でも工事契約なんて…地元で渦巻く怒りが向かう先は
2023年8月31日 12時00分

 マイナカード原発処理水で岸田政権の強権ぶりが際立つ中、この問題も見過ごせない。沖縄県名護市辺野古の新基地建設計画。軟弱地盤の改良工事を巡り、国は設計変更の承認を県から得ないうちに、関連工事の契約に踏み切った。29日には県が行政指導を出して強く反発。新基地反対派の間にも「建設ありきの先走り」と憤怒の渦が広まる。(山田祐一郎木原育子


◆「そこまでやるのか。沖縄だからか」

 「何でもあり。あきれて物が言えない」。ため息交じりに吐き出すのは名護市議の東恩納琢磨さん(61)。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)を移設する名目で進む新基地建設。県の承認を得ないまま国が関連工事を契約したことに「そこまでやるのかと。これも沖縄だからか」と不信を強める。

 今月上旬の台風6号の影響で護岸が壊れ、工事は一時止まっている。国の計画では、米軍キャンプ・シュワブの南側と東側の海域で埋め立てが予定される。

 南側の海域では2018年12月、土砂の搬入が開始された。浜田靖一防衛相は今年4月の衆院安全保障委員会で埋め立ての進捗(しんちょく)率に触れ、3月末時点で92%と説明。まもなく土砂投入は終了するとみられる。


◆国は100万立方メートルの土砂を仮置きへ

 一方、軟弱地盤の存在が問題視されたのが、東側の海域だ。防衛省は20年、地盤改良工事のために設計変更を申請したが、県は翌年に不承認とした。

 防衛省の不服審査請求を受けた国土交通相は22年、不承認を取り消す裁決を下し、承認を求める是正指示を出した。これに対し、県は裁決と是正指示に異を唱えて提訴。今年3月の高裁判決で県側は敗訴となったが、上告を申し立てた。

 県は是正指示に応じていないため、「未承認の状態となっている」(辺野古新基地建設問題対策課の担当者)のだという。

 それでも沖縄防衛局は4月、2件の入札を公告。既に埋め立てが進む南側の区域に土砂を仮置きする方針で、その量は100万立方メートル。今月3日には工事契約を業者と締結した。浜田防衛相はこれまでの会見で「(東側の)埋め立て工事に必要となる土砂を準備しておくもの」「現行の承認処分で可能」と認識を示した。

 県は反発を強め、29日には仮置き工事に着手しないよう、沖縄防衛局に行政指導した。県海岸防災課の与儀(よぎ)喜真副参事は「今の工事の根拠は当初の計画書。これほどの大規模な仮置きは規定されておらず、認められない」と防衛省側の主張を批判する。


◆「国は、県にも市民にも余力がないとみている」

 新基地反対派は司法判断にも懐疑的な見方を示す。

 最高裁は今月24日、設計変更の不承認を取り消した裁決を巡り、不服としていた県の上告を受理しない決定をした。冒頭の東恩納さんは「内容に踏み込まず門前払い」と憤る。

 承認を求める是正指示を巡っては9月4日に最高裁で判決が言い渡されるが、高裁判決の変更に必要な弁論は開かれていないため、県にとって厳しい結果が見込まれる。

     (本紙のインタビューに答える沖縄県の玉城デニー知事)

 「沖縄ドローンプロジェクト」の活動を続ける土木技師の奥間政則さん(57)は「最高裁の判断が全てではない。新基地建設は軟弱地盤だけではなく、耐震設計の問題もあり、徹底的に闘う必要がある」と語る一方、危惧を強める。

 「知事は毅然(きぜん)と対応しているが、土木事務所が仮置き土砂の搬送のためのベルトコンベヤーの使用を許可するなど、対応に矛盾がある。国の方は、県にも市民にも余力がないとみているのでは」


◆工事を認めたとは一言も言っていないのに

 新基地建設の埋め立て工事を巡っては他にも懸念がある。土砂の問題だ。特に重要なのが、岩石以外の砕石や砂などがどれだけ含まれるかを示す「細粒分含有率」になる。

 沖縄防衛局が2013年、県に承認を求める文書で明記していたのは「おおむね10%前後」。だが18年末から始まった南側の海域の埋め立て工事で、国は県に無断で40%以下として業者側に発注した。細粒分の割合が増すほど、土砂を投入した時に濁りが起きやすく、環境に影響を及ぼす懸念がある。

     (埋め立てが始まった当初の辺野古沿岸部
      =2018年12月14日、沖縄県名護市で)

 元土木技師で「沖縄平和市民連絡会」の北上田毅さん(77)は「とんでもない話だよ」と憤まんやる方ない。30日も県庁で工事をやめさせるよう、担当課との交渉に奔走していた。

 前出の県海岸防災課の与儀副参事は「国側は『40%以下でも護岸に囲まれているため危険性は少ない』との説明だった。県としては工事を認めたとは一言も言っていないが、勝手に進められてしまった」と話す。

 東側の海域の埋め立ての仕様規格も「10%前後」から「40%以下」に変更された。19年当時、防衛局は細かい土が増えても、護岸で外海と遮断されるため、周辺海域への影響はないと主張していた。

 県などによれば、今回は護岸の完成前に埋め立てに着手する。「こちら特報部」は30日、防衛省に確認を求めたが「時間がかかる」と回答するにとどまった。北上田さんは「国は自分たちの弁明のつじつまが合わなくなり、自分たちが主張してきた言葉を無視せざるをえないようになっている」とあきれる。


◆サンゴは、遺骨は…

 東側の海域は砂地や藻場、サンゴ礁など生物および地形に富んだ環境を持つ。国は埋め立て予定海域に生息していた4万群体の小型サンゴ類を既に移植し、さらに小型サンゴ類約8万4000群体などの移植に必要な特別採捕許可を申請。県が不許可とすると、農相が是正指示を出したため、県が提訴している。

 日本自然保護協会の保護・教育部主任の安部真理子さん(57)は「すでに進められている護岸工事で、海の環境は大きくダメージを受けている」と指摘する。「日本生態学会など19の学会から工事の一時停止を求める要望が出るほど、国が実施した環境アセスメントではの海域が持つ生物多様性を把握できていない

 国は埋め立ての土砂採取予定地に本島南部を加えることを計画している。沖縄戦の激戦地だった本島南部で採取した場合、遺骨の混じった土砂が使用される可能性があり、市民団体などが強く反発している。

 「地元の不信も何のそのと強引に進める岸田文雄首相。福島第1原発事故に伴う処理水を巡り、地元の漁業関係者の理解を十分に得ることなく、海洋放出に踏み切ったさまと通底しているようにも見える。


◆岸田首相はいつも結論ありき

 沖縄大の高良沙哉教授(憲法学)は「岸田首相はいつも結論ありきで進める。地元に寄り添う』『丁寧に説明する』『理解を求めていくとおっしゃるが、実現した試しがない。福島も沖縄もよく見ている。これでは信頼関係を築くことはできない。世界を見渡してみても、今の時代、環境への配慮をこれだけ気にしない国も珍しい」とする。

 翁長雄志前知事が亡くなって今夏で5年。「翁長知事だからつなぎとめられていた経済界を中心とした保守層も離れてしまっている。オール沖縄として一枚岩になれていない一面もある」と高良さん。ただ、それにしても「地元の意見を聞かず、歩み寄りさえせず、断行していく国の姿勢は、大変問題だと感じる。政治姿勢を変えなければ、問題が解決するどころか、ねじれたままだ」と指弾する。


◆デスクメモ

 つじつまが合わず、自分たちの言葉を無視。北上田さんの指摘は政権の姿勢を的確に表す。原発処理水も「関係者の理解なしに処分せずと約束したのに、つじつまが合わない放出強行に踏み切るため、自分たちの約束を無視したまさに何でもあり近代国家とは到底思えない。(榊)

【関連記事】「機動隊派遣は違法」の最高裁判決が意味すること 米軍基地問題で蹂躙されてきた「沖縄の意思」
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●図星だったのに、《「軍事大国」が不満らしい。…タイム電子版が「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない》<金口木舌>

2023年06月03日 00時00分21秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年05月19日[金])
軍事費倍増以外言い表しよう無し…それは《「軍事大国」は現実…図星》だということ。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>図星だったか】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1711950.html)/《▼「軍事大国が不満らしい。外務省は「見出しと中身が異なる」と言うが、記事は防衛費増にも言及しており、許容範囲だろう。タイム電子版が「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない》。

   『●食料と農業を守らないニッポン『乳牛をしぼればしぼるほど赤字になる。
     まったく希望が持てない』…《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね?

 2023年《報道自由度ランキングで日本は昨年より三つ順位を上げ》たそうです、凄い!? 68位に上がったそうです。《タイム電子版が「国際舞台でより積極的な役割」と修正》するはずです。

 (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1) だそうで、しかも、表紙そのものも差替えになった模様。
 日刊ゲンダイの記事【米誌「タイム」が書いた通り 大メディアが書かない軍拡首相の危険な正体】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/322910)によると、《岡目八目ということか。米誌「タイム」(電子版)のタイトル変更が物議をかもしている。岸田首相の写真を表紙に使ったタイム誌は、当初、<岸田首相は長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる>との表題をつけ、記事の冒頭に<岸田首相が平和主義だった日本を…>》。
 dot.の記事【岸田首相の表紙が“物議”の米『タイム』誌 メディアは問題の本質を伝えているか?】(https://dot.asahi.com/dot/2023051200086.html)によると、《米誌『タイム』に岸田文雄首相が表紙として登場したが、表紙には「首相は平和主義を捨て、真の軍事力を持った国にすることを望んでいる」と記され、大きな話題になっている。政府がタイム誌に抗議し、中の記事の見出しが変わるという事態が起きたが、専門家からは「アメリカの見解を的確に表している」という指摘も出ている…インタビュー記事のタイトルも「岸田首相はかつて平和主義だった日本を軍事大国に転換しようとしている」となっていた》。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1711950.html

<金口木舌>図星だったか
2023年5月18日 05:00

 180カ国・地域を対象とする世界の2023年報道自由度ランキングで日本は昨年より三つ順位を上げて68位という。順位を下げたのが164位のロシアなど

▼戦時に報道管制が猛威を振るうのは悪しき歴史の教訓。発表元の「国境なき記者団」は「多くの国で権力の攻撃性が高まり、インターネット上や現実の世界で記者に対する敵意が増している」と言う

そんな敵意の表れと見えなくもない。米タイム誌に外務省が物言いをつけた。岸田文雄首相が表紙を飾り、見出しは「平和主義だった日本を軍事大国に変える

▼「軍事大国が不満らしい。外務省は「見出しと中身が異なる」と言うが、記事は防衛費増にも言及しており、許容範囲だろう。タイム電子版が「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない

▼明日から始まる広島サミットの主要7カ国で日本は報道自由度が最下位。県内からすれば自衛隊施設は復帰時から4倍超となり「軍事大国現実。外務省の振る舞いは図星を突かれてむきになっているとしかみえない。
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●水は単なる必要物か?…《ウルグアイとイタリアでは「水は人権」の声が国民的な運動に発展し、住民投票の結果、憲法の改正も成功させた》

2022年10月28日 00時00分10秒 | Weblog

(2022年10月06日[木])
民営化ではなく民主化を…水私企業化反対、水道民営化反対。

   『●【新自由主義からの脱却を──「脱民営化」が世界のトレンド/とこ
      とん共産党】《ゲスト:岸本さとこさん》…民営化ではなく民主化を

 長周新聞の書評【「私がつかんだコモンと民主主義」 著・岸本聡子】(https://www.chosyu-journal.jp/review/24592)によると、《著者はオランダ・アムステルダムに本拠地を置く政策シンクタンクNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」に2003年から所属し、水道民営化問題にとりくんできた。今年6月には杉並区長選挙に勝利し、杉並区初の女性区長になったことが話題になった》。《…そこから著者は、環境保全は民主主義を深めることでこそ実現できると思い至る。環境問題は個人の倫理観で解決できるようなものではなく、環境を破壊しながら無制限に市場を拡大し、持続不可能な大量生産・大量消費を押しつけてくる経済のあり方そのもの、社会の構造が問題なのだ。それを制御し、方向転換させる政治と政策が必要だ、と。》

 水男爵や《自分で提案してその後、自分がプレーヤーになる》人々がコモンズでカネ儲け。《自分が関わったところで自分が利益を得るという構図》は竹中平蔵氏ばかりではないようだ。カネの臭いに、意地汚い人々が蝟集。
 ニッポンの水道法の精神…「第一章 総 則  (この法律の目的) 第一条 この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成することによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする」(http://www.houko.com/00/01/S32/177.HTM)…《清浄》《豊富》《低廉》は水道私企業化水道私営化により破壊される…。《水は誰かが独占してはならず、国民共有の財産でなければならない沖縄が歩んだ歴史の教訓だ》…その教訓に何も学ばないニッポン。《企業が儲けて、国民も安くて良質な公共サービスを享受……。海外では水道民営化が失敗して再公営化が続出しているというのに、そんなバラ色の話、本当にあるんだろうか》…そんな話は絶対にあるはずがない。あるのだったら、成功例を示してくれ。

   『●水ビジネスは住民を幸せにするのか?
   『●今度はID?
   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了
   『●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)
   『●『月刊 自然と人間2007年10月号』読了
   『●Blue Goldをめぐる水商売: コモンズとしての水と新自由主義
   『●『ブルー・ゴールド』映画化!!(1/2)
   『●ブルーゴールド: 民営化される水道の水源までもが買収される・・・
   『●「森友劇場に現を抜かす間にも…天下の悪法
      と言っても過言ではない様々な法律の審議が着々と進んでいる」
   『●世界の潮流に周回遅れで水道私企業化の亡国…
       「15年までに再公営化を決断した自治体は世界で180」

   『●構造調整という名の奈落: 「エコノミック・ヒットマン…
          巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし…」
   『●私企業化反対: 「国の予算投入が減り、
      水道料金が上がる可能性が高い。安倍政治の典型的な危険な政策」

   『●「浄」水売国…「「最大派閥」はさんずいの「水」部…
       人の営みを表すのに欠かせないような文字が多い」

   『●アレは、モンサント社ラウンドアップによるSilent Springだったのかな?
                      「世界の水支配」を目論む…
   『●「コンセッション方式であろうが、他の形態であろうが、
        民営化では水道事業の公共性を守る事はできない」
   『●「世界各国では水道民営化による問題が噴出し、悲劇…
               いまは民営化をやめて公営に戻す流れが主流」
    《町山智浩氏…日本の水道局っていうのは優秀なんですよ。やっぱりその国が、
     企業ではなくて、金儲けではなくて、ちゃんとしたお役所として水道局を
     運営して、安い、タダ同然のお金でみんなに水をあげて、しかも、
     その水道局自体の水を綺麗に管理するというのは、国がやることだから
     徹底的に管理して綺麗にすればいいんだけれども、企業がやっちゃうと、
     まず、水質の管理ができなくなっちゃう。だって、会社だから。
     で、金が儲からないとわかると、どんどん手を抜くからどんどん水が汚くなる。
     しかも、高く売るっていう、最悪の状況になるんですよ》

   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』から再び…
      水道民営化・私企業化により水男爵がコモンズでカネ儲け
   『●移民法、水道民営化までも…カネの臭いに集る学商、
       またしても竹中平蔵センセが意地汚い政治家と共に蝟集
   『●水私企業化…《企業が儲けて、国民も安くて
      良質な公共サービスを享受…そんなバラ色の話》は絶対に無い
   『●【新自由主義からの脱却を──「脱民営化」が世界のトレンド/とこ
      とん共産党】《ゲスト:岸本さとこさん》…民営化ではなく民主化を

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https://www.chosyu-journal.jp/review/24592

「私がつかんだコモンと民主主義」 著・岸本聡子
書評・テレビ評 2022年10月1日

 著者はオランダ・アムステルダムに本拠地を置く政策シンクタンクNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」に2003年から所属し、水道民営化問題にとりくんできた。今年6月には杉並区長選挙に勝利し、杉並区初の女性区長になったことが話題になった。


赤ん坊を抱えてオランダへ

 本書で描かれているのは、1974年生まれでロスジェネ世代の著者が、学生時代に環境問題にかかわり始め、2001年にはそのなかで知り合ったオランダ人のパートナーと生後2カ月の赤ん坊とともにアムステルダムに移住し、お金もなく言葉もわからないなかで20年間やってきた葛藤と感動の日々の記録である。

 と同時にその20年は、ケア労働をコストとみなして削減し続け、貧富の格差を極限まで拡大した新自由主義に対し、世界各地で人々が怒り、運動を広げ、強大になっていった時期でもあった。

 そして著者の仕事は、世界各地の水道民営化に抵抗する運動を支援し、つなげ、教訓を共有し、オルタナティブ(別の解決法)を提案するという地道なものだが、その役割は各地の住民運動が大きくなるにつれて重要なものになっていく。

 それは、著者のパートナーのNGOの仕事――大企業のために国境を低く薄くしていくEU統合を監視する――も同じで、20年の忍耐強い努力の後に、米国とヨーロッパの強大な貿易投資協定TTIPを頓挫させるまでに社会運動が発展した。

 といってもそれは簡単なことではなく、その過程でさまざまな葛藤や試行錯誤があったことが読みとれる。とくに印象に残ったのは次の場面だ。

 著者は1997年にCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)のとき、若き気候活動家だった。

 だがその後、環境問題を引き起こしている当の大企業が、問題解決のパートナーとして国連や国際会議の場に登場し、影響力を強めるようになるその狙いは、環境分野への投資やイノベーションを通じて新たな市場を生み出すことだった。

 そこから著者は、環境保全は民主主義を深めることでこそ実現できると思い至る。環境問題は個人の倫理観で解決できるようなものではなく、環境を破壊しながら無制限に市場を拡大し、持続不可能な大量生産・大量消費を押しつけてくる経済のあり方そのもの、社会の構造が問題なのだ。それを制御し、方向転換させる政治と政策が必要だ、と。


「水は人権!」 国民的運動に

 そこから著者は、水道民営化に抵抗する運動にかかわるようになる。

 1990年代後半には、ボリビアで「水戦争」が起こっていた。ボリビアは世界銀行から水道民営化を押しつけられ、第三の都市コチャバンバの水道は米企業ベクテルがコンセッション契約で得た。水道料金は貧困層が払えないまでに跳ね上がり、井戸や水源の利用も禁止されたため、住民は巨大な外国企業にストライキや蜂起で立ち向かった。都市機能は麻痺し、軍隊の出動で17人の死者が出たが、何週間も続く蜂起を押さえられず、ついに政府はベクテルとの契約を破棄した。

 それを契機に、マニラ、ジャカルタ、ブエノスアイレス、ヨハネスブルグ、ベルリン、米国各都市の水道民営化に反対する運動がつながり始めた。民営化の導入が住民無視で検討されたインド、ガーナ、メキシコ、ナイジェリア、コロンビア、スペインなどの市民運動も加わった。ウルグアイとイタリアでは「水は人権」の声が国民的な運動に発展し、住民投票の結果、憲法の改正も成功させた

 このなかで2008年、著者が立ち上げたのが「水道再公営化追跡」というサイトだった。再公営化の事例は、民営化の失敗をはっきりと映し出す鏡だからだ。そして命の水をめぐる運動は、組織やイデオロギーをこえて連帯する力を持っていた。10年たち、水道だけでなく、電力、医療、教育、住宅、交通などを含む1500件以上の脱民営化の事例を明らかにするデータベースに成長したという。

 それは、世界各地の運動の情報をつなげ、教訓を話し合い、政策提言につなげる、信頼と共有のネットワークになった。初め同僚の左派系知識人の男性は「情報を集めるだけで、理論化が弱い」と露骨に批判していたが、今では著者の部下になっているというのも、ありがちなエピソードではなかろうか。


都市の公共財を守るために

 今、BLACK・LIVES・MATTER(黒人の命も大切だ)運動が全米を席巻し、韓国では何百万人が参加したろうそくデモが朴槿恵大統領を退陣させ、ラテンアメリカではチリをはじめとして左翼ドミノが起こっている。こうして世界で同時多発的に起きる「下からの民主主義」の時代、仲間に推されて立候補し杉並区長に当選した著者のもとに、バルセロナから手紙が届いた場面には目を見張った。

 手紙は、バルセロナ市民がつくった新しい政党バルセロナ・コモンズのリーダー、アダ・コダール(バルセロナ市で初の女性市長)からで、「私たちは選挙をこえて、都市の公共財(コモンズ)と民主主義を地方自治に取り戻そうとしているのです。利権を恐れず、国政やEUからの政策圧力を恐れず、移民や難民を助けることで国から制裁されることを恐れない、地域経済と市民を守ることを恐れない“恐れぬ自治体”です」というものだった。

 スペインでは政府とEUの厳しい緊縮政策に怒り、100万人以上が抗議行動に立ち上がった「怒れる人々」運動が起こり、そのなかで国政政党ポデモスを誕生させ、それとつながる市民政党が各地で生まれた。バルセロナ・コモンズもその一つで、水、電力、住宅といったすべての人に必要な公共財を守るために結成され、2015年には11議席を獲得して第一党になった。

 彼らは住民の政治への直接参加を重視し、市長や議員は各地区の住民の会合に定期的に出向き、生の声を議会に持ち帰る。市政を担う政党であると同時に、選挙で勝っても負けても運動体であり続ける。そして地域の主権を大切にするのと同じぐらい、国際主義を大切にし、国境を飛びこえて地域と地域がつながることで新自由主義を実行する国家を包囲することを旨としている。

 日本の運動がこうした世界の運動とつながることで、新たな展開が期待される。今の日本を変えたいと考える読者にさまざまな気づきを与えてくれる一冊

 (晶文社発行、四六判並製・224ページ、定価1600円+税)
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コメント (3)
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●《どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならない》(東京新聞社説)…下足番新聞やアベ様広報紙に言っても詮無いこと

2022年09月30日 00時00分58秒 | Weblog

(2022年09月15日[木])
どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならない》…下足番新聞アベ様広報紙に言っても詮無いこと。毎日新聞や朝日新聞には《権力監視の役割を放棄》しないでもらいたい。

   『●桐生悠々に《ちなんだ社説の掲載に至ったのも、どんな政権であろうと、
       新聞は権力監視の役割を放棄してはならないという決意を》読者に
    《社説「桐生悠々を偲(しの)んで」…。安倍、菅両政権の九年近くの
     間、独善的な政治運営が続き、政治は私たちの望む、あるべき方向とは
     全く違う道を進んでしまいました。でも、それを止める力が新聞には
     まだある、義務を履行せずしてどうするのか、と読者の皆さんに
     教えられた思いです。きのう始まった自民党総裁選後には衆院選が
     あります。どんな政権ができようとも、私たちは
     「言わねばならないこと」を堂々と言う新聞でありたいと考えます》

 東京新聞の【<社説>桐生悠々を偲んで 言論の覚悟を新たに】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/202017?rct=editorial)によると、《新聞が言わなくなった先にあるのは、内外で多大な犠牲者を出した戦争であり、それが歴史の教訓です言論や報道に携わる私たちに「言わねばならないこと」を言い続ける覚悟があるのか悠々の生き方は、そう問い掛けます》。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《だいたいみんな、このごろ、まちがえてんのよね。
     「偏らないことがいいことだ」「メディアは中立公正、
     不偏不党であるべきだ」「両論を併記しないのは
     不公平だ」。そういう寝言をいっているから、
     政治音痴になるのよ、みんな。》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》
    《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

    《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
     …専門的には「番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズム」理論という》
    《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
     一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していってこそ
     成長し、民主主義社会に貢献できる
のではないか》

 1年前、… ―――――― 「自民党総裁選を嗤 (わら) 」新聞求む…アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。―――――― と訴えたのですが、結果は惨憺たるものでした。それを継いだキシダメ氏の酷いこと…。
 これも1年前…(東京新聞)《新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか》。…桐生《悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます》…箕部幹事長の言う「他山の石」ならぬ、「自」山での「石」だらけ。例えば、腐敗した政権や数多のアベ様案件の責任をとらせてほしい。また、《平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です》…。状況は悪化しています。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行」だからである》と
     〆ています」

   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《全米の新聞、一斉に社説言論の自由への危機感
     …桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
     《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」

   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
    「《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが
     「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、
     「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…に
     とって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う
     義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。
     アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、
     《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 
     《義務の履行》を果たしているか?」

   『●《国会を開かなければ、それもできない。これを政治空白と言わず
     して、何と言う。…国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい》…
   『●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の
     昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
        メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/202017?rct=editorial

<社説>桐生悠々を偲んで 言論の覚悟を新たに
2022年9月14日 06時56分

     (桐生悠々)

 九月十日は私たち記者の大先輩で反軍、抵抗のジャーナリスト、桐生悠々(きりゅうゆうゆう)=写真=を偲(しの)ぶ命日でした。世界を見回すと、悠々が活動していた時代同様、戦禍が絶えず、新たな戦争も始まりました。戦争の犠牲者はいつも、何の罪もない「無辜(むこ)の民」です。こんな時代だからこそ、悠々の命懸けの警鐘に耳を傾け、言論の覚悟を新たにしなければなりません。

      ◇

 本紙読者にはおなじみだと思いますが、桐生悠々について、おさらいをしてみます。

 悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知」新聞や長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です。

 明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を痛烈に批判し続けました

 新愛知時代の一九一八(大正七)年に起きた米騒動では、米価暴騰という政府の無策を新聞に責任転嫁し、騒動の報道を禁じた寺内正毅内閣を厳しく批判。社説「新聞紙の食糧攻め 起(た)てよ全国の新聞紙!」の筆を執り、内閣打倒、言論擁護運動の先頭に立ち、寺内内閣を総辞職に追い込みました。

 信毎時代の三三(昭和八)年の論説「関東防空大演習を嗤(わら)」では、敵機を東京上空で迎え撃つ想定の無意味さを指摘しました。日本全国が焦土と化した歴史を振り返れば正鵠(せいこく)を射たものですが、在郷軍人会の抵抗に新聞社が抗しきれず、悠々は信州を離れます。

     (桐生悠々の遺族から寄託された「他山の石」
      =金沢市の金沢ふるさと偉人館で)


◆発禁処分を乗り越えて

 それでも悠々は、新愛知時代に住んでいた今の名古屋市守山区に移り、三四(同九)年から個人誌「他山の石」=写真=を月二回発行します。当局からたびたび発売禁止や削除の処分を受けながらも、四一(同十六)年に病で亡くなる直前まで、軍部や政権への厳しい批判を続けたのです。

 他山の石が最初に発禁となったのは三五(同十)年の「広田外相の平和保障」という論文です。

 当時の広田弘毅外相による「我在任中には戦争なし」との議会答弁を「私たちの意見が裏書きされた」と評価しつつ、アメリカやロシアとの戦争は「国運を賭する戦争」であり「一部階級の職業意識や、名誉心のため」「一大戦争を敢(あ)えてすることは、暴虎馮河(ぼうこひょうが)(無謀な行為)の類である」「戦争の馬鹿(ばか)も、休み休み言ってもらいたいものだ」と軍部の好戦論を批判しました。

 これが反戦を宣伝扇動したとして発禁処分になったのです。

 悠々の研究者、太田雅夫さんの著書によると他山の石の発禁・削除処分は二十七回に上ります。このうち二十五回は三五〜三八年の四年間ですから、この間に発行された四分の一以上が発禁・削除処分を受けたことになります。

 その後、悠々は発行継続のため不本意ながらも愛知県特高課による「事前検閲」を受ける方針に切り替え、指摘された箇所を自主的に削除することで発禁を免れました。ただ、その筆勢は衰えず、政権や軍部批判を続けました


◆言わねばならないこと

 それらは悠々にとって「言いたいこと」ではなく「言わねばならないこと」でした。他山の石にはこう書き残しています。

 「私は言いたいことを言っているのではない」「この非常時に際して、しかも国家の将来に対して、真正なる愛国者の一人として、同時に人類として言わねばならないことを言っているのだ」

 そして「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」とも。

 悠々が残した記者としての心構えは古びるどころか、今の時代にも通じる、いや、今だからこそ胸に刻むべき至言なのです。

 今、新聞にとって「言わねばならないこと」があふれています

 法的根拠を欠く国葬実施旧統一教会と政治との深い関係平和憲法を軽視する安全保障政策への転換防衛費の増額などです。

 国外に目を転じれば、国際法無視のロシアの振る舞いや、核兵器使用の可能性も看過できません。

 新聞が言わなくなった先にあるのは、内外で多大な犠牲者を出した戦争であり、それが歴史の教訓です言論や報道に携わる私たちに「言わねばならないこと」を言い続ける覚悟があるのか悠々の生き方は、そう問い掛けます
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●【新自由主義からの脱却を──「脱民営化」が世界のトレンド/とことん共産党】《ゲスト:岸本さとこさん》…民営化ではなく民主化を

2022年09月21日 00時00分17秒 | Weblog

(20220904[])
世界の潮流に逆らい、周回遅れで今更ながらの水道民営化水道私企業化。「民営化」よりも民主化が大事。何の成果も上がらず、検証もされない「民営化」など捨て去り、「脱民営化」を。そもそも、なんで水道事業でカネ儲けさせねばならないのか? 
 【新自由主義からの脱却を──「脱民営化」が世界のトレンド/とことん共産党 2022.6.1】(https://www.youtube.com/watch?v=yTsmLH2r47w)がとても面白かった。杉並区長選前の岸本さとこ (岸本聡子) さん。共産党の番組など、見ない!? 統一協会問題があったから言う訳ではないですが、「反共」の方にこそ見て欲しい。新自由主義者の言うがままに公共財コモンズを売り払い、その結果、何が起きたのかを。


【新自由主義からの脱却を──「脱民営化」が世界のトレンド/とことん共産党 2022.6.1】
https://www.youtube.com/watch?v=yTsmLH2r47w
《日時:6月1日(水)午後8時~
 新自由主義からの脱却を──「脱民営化」が世界のトレンド
 ゲスト:岸本さとこさん(シンクタンク研究員)
 MC・司会:小池晃書記局長、朝岡晶子》


 水男爵や《自分で提案してその後、自分がプレーヤーになる》人々がコモンズでカネ儲け。《自分が関わったところで自分が利益を得るという構図》は竹中平蔵氏ばかりではないようだ。カネの臭いに、意地汚い人々が蝟集。
 ニッポンの水道法の精神…「第一章 総 則  (この法律の目的) 第一条 この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成することによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする」(http://www.houko.com/00/01/S32/177.HTM)…《清浄》《豊富》《低廉》は水道私企業化水道私営化により破壊される…。《水は誰かが独占してはならず、国民共有の財産でなければならない沖縄が歩んだ歴史の教訓だ》…その教訓に何も学ばないニッポン。《企業が儲けて、国民も安くて良質な公共サービスを享受……。海外では水道民営化が失敗して再公営化が続出しているというのに、そんなバラ色の話、本当にあるんだろうか》…そんな話は絶対にあるはずがない

   『●水ビジネスは住民を幸せにするのか?
   『●今度はID?
   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了
   『●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)
   『●『月刊 自然と人間2007年10月号』読了
   『●Blue Goldをめぐる水商売: コモンズとしての水と新自由主義
   『●『ブルー・ゴールド』映画化!!(1/2)
   『●ブルーゴールド: 民営化される水道の水源までもが買収される・・・
   『●「森友劇場に現を抜かす間にも…天下の悪法
      と言っても過言ではない様々な法律の審議が着々と進んでいる」
   『●世界の潮流に周回遅れで水道私企業化の亡国…
       「15年までに再公営化を決断した自治体は世界で180」

   『●構造調整という名の奈落: 「エコノミック・ヒットマン…
          巨額の貸付金によって途上国を債務漬けにし…」
   『●私企業化反対: 「国の予算投入が減り、
      水道料金が上がる可能性が高い。安倍政治の典型的な危険な政策」

   『●「浄」水売国…「「最大派閥」はさんずいの「水」部…
       人の営みを表すのに欠かせないような文字が多い」

   『●アレは、モンサント社ラウンドアップによるSilent Springだったのかな?
                      「世界の水支配」を目論む…
   『●「コンセッション方式であろうが、他の形態であろうが、
        民営化では水道事業の公共性を守る事はできない」
   『●「世界各国では水道民営化による問題が噴出し、悲劇…
               いまは民営化をやめて公営に戻す流れが主流」
    《町山智浩氏…日本の水道局っていうのは優秀なんですよ。やっぱりその国が、
     企業ではなくて、金儲けではなくて、ちゃんとしたお役所として水道局を
     運営して、安い、タダ同然のお金でみんなに水をあげて、しかも、
     その水道局自体の水を綺麗に管理するというのは、国がやることだから
     徹底的に管理して綺麗にすればいいんだけれども、企業がやっちゃうと、
     まず、水質の管理ができなくなっちゃう。だって、会社だから。
     で、金が儲からないとわかると、どんどん手を抜くからどんどん水が汚くなる。
     しかも、高く売るっていう、最悪の状況になるんですよ》

   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』から再び…
      水道民営化・私企業化により水男爵がコモンズでカネ儲け
   『●移民法、水道民営化までも…カネの臭いに集る学商、
       またしても竹中平蔵センセが意地汚い政治家と共に蝟集
   『●水私企業化…《企業が儲けて、国民も安くて
      良質な公共サービスを享受…そんなバラ色の話》は絶対に無い

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●《「ストップ・プーチン」に動く気が岸田にあるのなら、あらゆるアベ案件から直ちに撤退しなければおかしい。二枚舌は通用しない》

2022年04月18日 00時00分58秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(20220405[])
日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/二枚舌は通用しない!「サハリン」より筋悪な安倍案件「アーク2」から即撤退せよ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/302843)。
日刊ゲンダイのコラム【佐高信「この国の会社」/安倍晋三のロシア案件「アーク2」に出資する三井物産の泥沼】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/302996)。

 《ロシアが北極海で主導する液化天然ガスプロジェクト「アークティックLNG2」はさらに筋悪だ。ロシアのガス大手ノバテクを中心とするJV(共同企業体)がギダン半島に採掘施設を建設し、23年から年間最大1980万トンのLNGを生産するビッグプロジェクトなのだが、ノバテクの事実上のオーナーは「プーチンの黒い金庫番」と呼ばれるオリガルヒ(新興財閥)のゲンナジー・ティムチェンコ氏。14年のクリミア併合をめぐって欧米による対ロ制裁の対象となった人物だ。…「ストップ・プーチン」に動く気が岸田にあるのなら、あらゆるアベ案件から直ちに撤退しなければおかしい二枚舌は通用しない》。
 《3月23日付の『日刊ゲンダイ』に金子勝が「『サハリン』より筋悪な安倍案件『アーク2』から即撤退せよ」と書いている。ロシアのガス大手を中心とするLNGのプロジェクトのアーク2に出資する日本勢の権益は10%で、三井物産が25%を出資する。経産省丸抱えのこのリスクの高い事業に三菱商事は参画しなかったという》。

 《問題プロジェクトになぜ日本企業が首を突っ込んだのか。安倍元首相が「レガシー」にしようともくろんだ北方領土返還交渉が絡んでいたからだ。19年のG20大阪に出席するためプーチン大統領が来日したタイミングで三井物産などに出資契約を締結させた。プーチンの歓心を得るため、国際社会による対ロ制裁には頬かむりで献上したのだ》。《火事場ドロボー》1号アベ様…ここにも、数多のアベ様案件がまた一つ。ご病気は一体どうなったのだろう。最近のご発言、《火事場ドロボー》ぶりが酷過ぎるのだが…。

 〝四月バカ〟越えの《バカ》と未だに戦わねばならないとは、疲れる…。
 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/安倍元首相「蛮行は許さない」ん? これって誤魔化しなんじゃ…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/303288)によると、《「蛮行は許さない」(安倍晋三・元首相) これは安倍元首相の24日の発言だ。3月26日の日刊ゲンダイ、「逃げまくる安倍元首相 『ロシア外交失敗』語らず『ウクライナ派』へちゃっかり転向」という記事によれば…。ほんで、ロシアへのエネルギー投資として日本は大金を出しているけど、これからどうするの? 経済制裁って各国が足並みをそろえないと効果が薄いんでしょ? このことについてもある報道で、ロシアへの投資は安倍さんが決めたことなので、岸田さんは態度を決めかねている、みたいなことが書かれてあった。気ままな安倍さんのお守りが、日本の最重要案件ですってか?

 そのアベ様が「失敗から学べ…」って!? 《火事場ドロボー》1号がよくもまぁ、言うよなぁ。《自分がプーチンを増長させた張本人であるという事実を消し去ろうとしている》《しかし、そんな安倍氏を正面から批判する大手メディアはない。安倍氏は都合の悪いことは何でも忘れてしまうようだが、私たちは、赤木俊夫さんのこととともに、安倍元総理の罪も決して忘れてはいけない》(古賀茂明さん)。

   『●「君と同じ未来を見ている」…あぁ虚しい、《外交の安倍》と称賛、
     《安倍外交「センスある」と評価》していた皆さん、いま何を想うの?
    《■安倍がプーチンに「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」
     とネトウヨ同士の愛確認 しかし、犬っぷりがもっともひどかった
     のはやはり、この間の北方領土交渉だろう。安倍元首相はプーチン
     大統領との友情によって北方領土が返還されるかのような幻想を
     振りまいてきたが、実際は返還交渉なんて1ミリも進んでいない
    《■経済制裁のさなか、年金積立金を使ってプーチンに近い
     国営企業支援を画策した安倍政権 …会談は主に、日本の経済産業相
     ・世耕弘成となされた。交渉が合意に至った場合、その株式の購入者は、
     管理対象資産が1.4兆ドル以上をもつGPIF(年金積立金管理運用
     独立行政法人)、または独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
     (JOGMEC)のいずれかになっていた、とこの件に詳しい3人の
     関係者がロイターに話した。…そう、日本は一時、安倍元首相の側近
     である世耕弘成経産相(当時)が乗り出して、政府系ファンドに
     この株を買わせようとしていたというのだ。経済制裁の対象となって、
     経営不振にあえいでいる企業の株を引き受けようとするとは、正気の
     沙汰とは思えないが、これも安倍首相の強い意向が働いていた
     といわれ、政権はかなり本気で動いていたようだ

 近畿大卒業式のあのザマはなんなだ!? 《火事場ドロボー》1号が「失敗から学べ」と訓示って、卒業生の皆さんも戸惑われたことでしょうよ。そして、経産相として世耕弘成氏も《プーチンを増長させた張本人》の一人だ。

 《けれども、安易な対応は、己の社会をも彼らのそれへと限りなく近づけていく。冷静に、冷静に……。自壊ほどの愚の骨頂はないのである》(斎藤貴男さん)。
 東京新聞のコラム【ぎろんの森/戦争の熱狂と冷静さと】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/167893?rct=discussion)によると、《憲法九条で国際紛争を解決する手段としての戦争や武力による威嚇、武力の行使を放棄した日本は、軍事的協力はできませんが、ロシアに停戦を促すための経済制裁や戦後の復興、民生安定などできる限りの協力はすべきです。…ただ、同日の本紙特報面も報じていたように、演説後、山東昭子参院議長が「貴国の人々が命をも顧みず、祖国のために戦っている姿を拝見して、その勇気に感動しております」と述べたことには、違和感を覚えました。侵略をしたロシアが悪いと分かってはいても、国のために市民が命を賭して戦う姿を称賛することは、太平洋戦争当時の「本土決戦」「一億玉砕」のスローガンとどうしても重なってしまうのです。年配の読者の方からも「私たちが子どものときの状況と同じで心が痛みます。人ごとと思えません。私も夫も中学校教員でした。教え子たちや子、孫が平和に生きられる世界を強く望みます」との意見が届きました。ウクライナ国民と連帯することに全く異論はありませんが、それ一色に染まり、疑問や異なる意見を言い出しづらくならないようにはしたい多様な意見の存在こそが、ロシアと対極にある民主主義、自由主義の価値だからです戦争は人々を熱狂させ、為政者はそれを利用しようとしますそれが歴史の教訓でしょうだからこそ、どこかに冷静さを持ちながら議論することが、より大切になると思えてならないのです。(と)》。
 リテラの記事【山東昭子だけじゃない、ゼレンスキー大統領の演説を「国民の戦争動員」に利用する自民と維新の極右議員たち】(https://lite-ra.com/2022/03/post-6176.html)/《もっとも日本の極右連中は、その演説をまたまたご都合主義丸出しで歪曲し、悪用を繰り広げている。その典型が、ゼレンスキー大統領の演説のあと答礼の挨拶をおこなった山東昭子・参院議長の、例の発言だ。「閣下が先頭に立ち、また貴国の人びとが命をも顧みず、祖国のために戦っている姿を拝見して、その勇気に感動しております」 一方的な侵略によってウクライナ市民は生活を脅かされ、抗戦せざるを得ない状況に追い込まれ、多数の死亡者が出ているというのに、参院議長という立場にある者が「感動しております」などと口にする──。ようするに、山東氏は「国のために命をかけて戦っている」ことを称賛したのである》《だが、杉田議員よりももっとひどかったのが、日本維新の会の青柳仁士・衆院議員だ。青柳議員はゼレンスキー大統領の国会演説後、自身のTwitterにこう投稿した。〈「国を護りたい」との想いが痛切に伝わってくる演説でした。振り返れば、私たちの平和で豊かな暮らしも、日本という国をつくり、命をかけて護り続けたご先祖のお陰です。有事に国を護る気持ちがないなら、平時にも国から恩恵を受けるべきではありません。国会議員は尚更です。〉 山東議員の「命をも顧みず祖国のために戦っている姿に感動」も相当ひどい発言だが、なんと青柳議員はそのさらに上をゆき、「国のために命をかける気もない奴は平時から国の恩恵を受けるな」と言い出したのだ。ようするに、「非国民に社会保障を受ける権利なし」というわけだ》《憲法審査会でも自民党の山田宏がウクライナを使って改憲主張、西田昌司教育勅語復活を主張》。

 《火事場ドロボー》1号、2号、3号…らがウヨウヨと湧いてくる始末なニッポン。
 AERAのコラム【姜尚中「核保有論に焦点をむけず、日印中によるウクライナ停戦仲介の検討を」】(https://dot.asahi.com/aera/2022032900017.html)によると、《問題はウクライナ一国やゼレンスキー大統領、そしてプーチン大統領だけで決められることではなくなっていることです。これ以上、人の命が奪われないためには、一刻も早く停戦にもっていくような仲介の労を取らないといけません。にもかかわらず、そういうことに総力戦にならずに「核保有論」などに政治の焦点が行くこと自体、強い憤りを感じざるを得ません》。

 《火事場ドロボー》達は「本気」? 少なくとも「正気」じゃぁないね。
 デモクラシータイムス【「核共有」本気なのか 【半田滋の眼 NO.54】20220322】(https://www.youtube.com/watch?v=aT2zL1WWXJY)によると、《防衛ジャーナリスト半田滋が解説する「核共有」の現実。ヨーロッパで言われる「核共有」は、アメリカの核を共有するのではなく、アメリカの所有する核兵器を運搬するだけ。発射ボタンを持っているのはアメリカです。見捨てられる恐怖と巻き込まれる恐怖のはざまで生まれた「核共有」ですが、フランスは核共有を拒否して自前の核を持つ道を選んでいます。今時使えない核を国内に抱え、他国でアメリカが核を使えば報復される危険がむしろ高いのではないかという議論もあります。日本では、どうか。非核三原則との関係はどうするのか。「核共有」したとき近隣との関係はどうなるのか。北方領土にロシアの核がおかれるのは必至ですし、中国北朝鮮の警戒感も各段に上がるのではないでしょうか。これこそ抑止力のわな、果てしのない軍拡、軍事的緊張を引き起こすことは目に見えています。岸田政権は「核共有」議論をどう料理するつもりなのか、半田さんにうかがいます》。

 一方、電力会社。「供給力不足のリスク」で脅す九電。《意図的な航空機衝突などのテロ攻撃を受け原子炉が大規模に破壊された場合でも…》、それどころでないリスクは?
 西日本新聞【「前から分かっていた」玄海3、4号機とも停止へ 供給力不足のリスクも】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/899493/)によると、《九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)で建設中のテロ対策用「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成が遅れることになった。来年1月までに3、4号機のいずれも発電できない期間が計6カ月も生じるため、九電は計画停止を予定していた石炭火力を稼働させるなどして乗り切る方針。九電にはトラブルにより供給力不足に陥らないような発電所の運営が求められるのに加え、代替発電によるコスト増が重くのしかかることになる。...》

 成田三樹夫さん《権力にへたへたする役者じゃ意味がない。…バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》。
 日刊ゲンダイの記事【追悼・宝田明さんが取材に語った反戦と平和「時の政府におべっか使う必要なんてない」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/302981)によると、《「若い人は言いにくいだろうから、僕らの世代が言わなきゃ」 一方、反戦と平和についての思いは誰よりも強く、自身の意見を発言し続けた人でもあった。取材当時は安倍政権全盛時だったが、集団的自衛権を強行に閣議決定し、9条改憲に突き進む政府を名指しで批判していた。戦争中、ソ連兵に腹を撃たれ死の恐怖を味わった体験を背景にした言葉には説得力があり、断固としてゴジラの脅威から人類を守ろうとする映画での姿と重なって見えた。当時は政府批判をしたキャスターや文化人が次々と干され、政治的発言については皆が躊躇していた時代。だが宝田さんは「時の政府におべっか使う必要なんてないでも若い人は言いにくいだろうから、僕らの世代が言わなきゃね。どうせ10年も生きられないんだからさ」と、おなじみの人懐っこい笑顔で語った》。

 最後に、清水潔さんのつぶやき。《暴論併記》《暴論兵器》(なすこ@nasukoBさん)に次ぐ、《暴論平気》:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1509094004788379649

清水 潔@NOSUKE0607

真実と嘘を並べて書く事を
両論併記とは言わない。
暴論平気だ。

午後6:03  2022年3月30日
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   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》
   『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
     火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない
   『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
     至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…
   『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
       な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
       「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
     まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》
   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●斎藤貴男さん《ロシア軍のウクライナ侵攻をダシにした、帝国主義への
     妄執と言うべきか…日本の対米従属度が、いっそう高められるだろう》
   『●《火事場ドロボー》1号、2号、3号…を支持し、投票する人々に、
     壊憲して戦争する国になる自覚はあるのか? 予想されるその結果は?
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●「失敗から学べ」? 《火事場ドロボー》1号がよくもまぁ…《自分が
     プーチンを増長させた張本人であるという事実を消し去ろうとしている》
   『●火事場ドロボー…《このような状況で便乗型の様々なショック・ドクト
     リンが出てきている…その一つが安倍晋三元首相による「核の共有論」》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/302843

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
二枚舌は通用しない!「サハリン」より筋悪な安倍案件「アーク2」から即撤退せよ
公開日:2022/03/23 06:00 更新日:2022/03/23 06:00
今だけ無料

     (ただただプーチン大統領(右)の歓心を得るために献上…
      (安倍首相と。2019年当時)/(C)ロイター)

 ロシアのウクライナ侵攻に対する岸田政権の経済制裁は尻抜けだ。米英は戦争財源となるロシア産の原油や天然ガスを禁輸し、依存度が高いEUも2027年までの脱却で合意した。ところが、岸田首相は「エネルギー安全保障の追求」を名目に、安倍政権時代の負の遺産を整理しようとしない。対ロ制裁はやっているフリ。プーチン大統領の戦争に協力するかのような二枚舌を使っている

 前回は極東ロシアの資源開発事業「サハリン1」「サハリン2」が抱える問題を指摘したが、ロシアが北極海で主導する液化天然ガスプロジェクト「アークティックLNG2」はさらに筋悪だ。ロシアのガス大手ノバテクを中心とするJV(共同企業体)がギダン半島に採掘施設を建設し、23年から年間最大1980万トンのLNGを生産するビッグプロジェクトなのだが、ノバテクの事実上のオーナーは「プーチンの黒い金庫番」と呼ばれるオリガルヒ(新興財閥)のゲンナジー・ティムチェンコ氏。14年のクリミア併合をめぐって欧米による対ロ制裁の対象となった人物だ。

 アーク23000億円超を出資する日本勢の権益は10%。出資割合は三井物産が25%、経産省系の独立行政法人JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が75%だ。協調融資の形を取って国際協力銀行が2200億円超、三井住友銀行が数百億円規模を用立て、三井住友銀の融資分は、これまた経産省系のNEXI(日本貿易保険)が保険を提供。つまり、経産省丸抱えで、裏を返せばそれほどリスクが高い事業だということ。実際、三菱商事は参画を見送った。国際ビジネス感からいって当然だ。

 さらに商船三井や日本郵船が砕氷LNG船の長期定期傭船契約を締結したが、LNGの主な供給先は中国。実態はロシア発中国向けのプロジェクトで、日本のエネルギー安全保障とは関係ない

 問題プロジェクトになぜ日本企業が首を突っ込んだのか。安倍元首相が「レガシー」にしようともくろんだ北方領土返還交渉が絡んでいたからだ。19年のG20大阪に出席するためプーチン大統領が来日したタイミングで三井物産などに出資契約を締結させた。プーチンの歓心を得るため、国際社会による対ロ制裁には頬かむりで献上したのだ

 「ストップ・プーチン」に動く気が岸田にあるのなら、あらゆるアベ案件から直ちに撤退しなければおかしい二枚舌は通用しない
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/302996

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

佐高信「この国の会社」
安倍晋三のロシア案件「アーク2」に出資する三井物産の泥沼
公開日:2022/03/28 06:00 更新日:2022/03/28 06:00

     (三井物産の社長、会長を歴任したの池田芳蔵氏
      (C)日刊ゲンダイ)

 3月23日付の『日刊ゲンダイ』に金子勝が「『サハリン』より筋悪な安倍案件『アーク2』から即撤退せよ」と書いている。ロシアのガス大手を中心とするLNGのプロジェクトのアーク2に出資する日本勢の権益は10%で、三井物産が25%を出資する。経産省丸抱えのこのリスクの高い事業に三菱商事は参画しなかったという。

 この事実を知ってすぐに思い出すのは物産の屋台骨を揺るがしたイラン石油化学プロジェクト(IJPC)だろう。どうも、物産はあれから教訓を得ていないようである。物産のトップは池田芳蔵や籾井某など、その後、NHKの会長になって問題を起こした人物を輩出している。トップにふさわしい人物が選ばれているようには見えないのである。

 日本とイランの合弁のIJPCは1979年のイスラム革命で盤石を誇ったパーレビ体制が崩壊し、その後、イラン・イラク戦争が始まって、完成を目前にしたコンビナートは、工事中断を余儀なくされる。

 高杉良の『バンダルの塔』(講談社α文庫)はIJPCがモデルだが、高杉は小説の結び近くで、ある中堅社員にこう言わせている。

「僕は、長谷川社長(モデルは池田)が首を吊るんじゃないかと心配です。罪の深さを考えたら、夜も眠れないでしょう。たとえ革命であれ、オイルショックであれ、経営者は結果が問われるわけですから、責任をとるのは当然です。それに、IJPCの歴史をふりかえったら、間違いだらけで、べからず集をまとめたら、優に一冊の本ができるんじゃないですか。徹頭徹尾、失敗の繰り返しです」

 これは実際に物産の社員が高杉に語った言葉だというが、トップの決断が、たとえ誤っていたとしても、ミドルはその決断に従って、そのプロジェクトを進行させなければならない。そこにミドルを含めた社員の悲哀がある。

 高杉がこの小説を書こうと思ったのは、イラン革命を予言した総領事がいた、と聞いたからだった。小説では篠原となっている彼の名は篠村巌。プロジェクトが発足した当時はトルコのイスタンブールの総領事で、アフリカの小国ガボンの大使を最後に退職したが、篠村は「パーレビ体制はまもなく崩壊する」と断言していた。

 1974年にまとめられた「事業概要」が「イランの現政権は極めて安定しており、国内・国外ともこれを覆す要因は見当たらず、中近東では最も安定した国と認められている」と書いていた頃である。

 しかし、篠村は、イスラム教のシーア派の僧侶の力は侮れないとし、底知れない資本力をもつバザール(市場)商人とモスク(イスラム)の接近から、パーレビ体制の崩れる日は近いと見通していたが、ノンキャリアの外交官だったため、何度、本国やイラン大使館にそれを意見具申しても取り上げられなかったのである。日本の総合商社のカントリーリスク研究に大きな欠陥があると言わざるをえない。(敬称略)
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●桐生悠々に《ちなんだ社説の掲載に至ったのも、どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならないという決意を》読者に

2021年09月27日 00時00分35秒 | Weblog

[※ 野党共闘 市民連合と政策合意 (週刊金曜日、2021年9月17日1345号)↑]


(20210920[])
東京新聞のコラム【ぎろんの森/言わねばならないこと】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/131655?rct=discussion)。

 《社説「桐生悠々を偲(しの)んで」…。安倍、菅両政権の九年近くの間、独善的な政治運営が続き、政治は私たちの望む、あるべき方向とは全く違う道を進んでしまいました。でも、それを止める力が新聞にはまだある、義務を履行せずしてどうするのか、と読者の皆さんに教えられた思いです。きのう始まった自民党総裁選後には衆院選があります。どんな政権ができようとも、私たちは「言わねばならないこと」を堂々と言う新聞でありたいと考えます。(と)》


   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《だいたいみんな、このごろ、まちがえてんのよね。
     「偏らないことがいいことだ」「メディアは中立公正、
     不偏不党であるべきだ」「両論を併記しないのは
     不公平だ」。そういう寝言をいっているから、
     政治音痴になるのよ、みんな。》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》
    《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

    《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
     …専門的には「番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズム」理論という》
    《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
     一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していってこそ
     成長し、民主主義社会に貢献できるのではないか》

 「自民党総裁選を嗤 (わら) 」新聞求む…アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行」だからである》と
     〆ています」

   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《全米の新聞、一斉に社説言論の自由への危機感
     …桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
     《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」

   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
    「《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが
     「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、
     「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…に
     とって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う
     義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。
     アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、
     《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 
     《義務の履行》を果たしているか?」

   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)
   『●癒(ゆ)党・《菅義偉の別動隊がいよいよ動き出した》―――
     《部分連合》などと言わずに、スッキリと自公お維で一体化してほしいもの
   『●《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組…安全保障関連法廃止を求める
        グループ「市民連合」と国会内で会合を開き…共通政策に合意》
   『●醜悪…《安倍晋三や…麻生太郎が偉そうに派閥の領袖として力を
     行使し、それに対して首相になりたい…や…が上目遣いでご機嫌を…》
   『●アベ様が《新政権も警察権力も私物化する暗黒時代が始まる》、《官邸の
       忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》が…
   『●山添拓議員の《送検》、八代英輝弁護士の《野党共闘に対する意図的な
      攻撃》とそれに群がるお維議員たち、中村格氏の警察庁長官へ昇格…
   『●《国会を開かなければ、それもできない。これを政治空白と言わず
     して、何と言う。…国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい》…
   『●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の
     昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
        メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》

 (東京新聞)《新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか》。アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。桐生《悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます》…箕部幹事長の言う「他山の石」ならぬ、「自」山での「石」だらけ。例えば、腐敗した政権や数多のアベ様案件の責任をとらせてほしい。また、《平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です》。
 野党の動きをもっと報じて! 何度でも言いますが、自民党総裁は誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/131655?rct=discussion

ぎろんの森
言わねばならないこと
2021年9月18日 07時05分

 九日に掲載した社説「桐生悠々を偲(しの)んで」に読者から多くの反響をいただきました。ほぼすべてが、東京新聞への励ましでした。まずは心よりお礼申し上げます。

 社説で紹介したように、桐生悠々=写真=は太平洋戦争が始まる直前の一九四一(昭和十六)年九月十日、六十八歳で亡くなりました。

 その命日にちなんで毎年、悠々に関する社説の掲載を始めたのは今から九年前の二〇一二年。見出しは「言わねばならないこと」でした。

 当時は野田佳彦首相率いる民主党政権でしたが、公約違反の消費税増税を決めたり、原発維持の選択肢を残したりと、私たちの命や暮らし、民主主義をないがしろにするような政策を続けていました。

 悠々にちなんだ社説の掲載に至ったのも、どんな政権であろうと、新聞は権力監視の役割を放棄してはならないという決意を、読者の皆さんに伝えたかったからです。

 悠々は「言いたいこと」と「言わねばならないこと」は区別すべきだとして、「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが、「言わねばならないことを言うのは義務の履行」であり、「義務の履行は多くの場合、犠牲を伴う」と書き残しています。

 日々の社説は「言いたいこと」ではなく「言わねばならないこと」でなくてはならないという、私たち自身への戒めでもあります。

 悠々の社説には毎年、読者の皆さんから励ましのお便りをいただくのですが、今年は私たちの新聞への期待感がより大きくなっているように感じました。それは危機感の裏返しなのかもしれません。

 安倍、菅両政権の九年近くの間、独善的な政治運営が続き、政治は私たちの望む、あるべき方向とは全く違う道を進んでしまいました。でも、それを止める力が新聞にはまだある、義務を履行せずしてどうするのか、と読者の皆さんに教えられた思いです。

 きのう始まった自民党総裁選後には衆院選があります。どんな政権ができようとも、私たちは言わねばならないことを堂々と言う新聞でありたいと考えます。 (と)
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●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》

2021年09月25日 00時00分55秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑]


 (2021年09月12日[日])
cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/菅義偉首相が辞める】(https://cakes.mu/posts/34489)。

 《「テレビは朝から『さぁ次はどうなる!?』ばかりで、放り投げて逃げようとしているのは何か、誰なのかを問わない問題山積の東京五輪総括河井夫妻買収事件、大臣の恫喝・圧力問題、名古屋入管問題赤木ファイル日本学術会議任命拒否問題などなど……」 忘却に加担するのかしっかり掘り返して問うのかメディアが問われているまたいつもの感じでやっているの、ヤバいと思う》。

 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない。主権を取り戻しましょう。主権者として、必ず選挙に行きましょう。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
   『●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の

     昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》

 (東京新聞)《新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか》。アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。桐生《悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます》…箕部幹事長の言う「他山の石」ならぬ、「自」山での「石」だらけ。例えば、腐敗した政権や数多のアベ様案件の責任をとらせてほしい。また、《平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です》。
 野党の動きをもっと報じて! 何度でも言いますが、自民党総裁は誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある

   『●辺野古基地サンゴ訴訟、最「低」裁上告棄却…《国が、地方自治体の
       裁量を不当に制限し、地方自治を侵害しているという事実》を無視

 サンゴ移〝殺〟…もう、滅茶苦茶だ。「本土」メディアのだらしなさ…もう、滅茶苦茶だ。
 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/強行が続く埋め立て工事とサンゴ移植に海上から抗議】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/78cd1afadde6f3a61009062242d2caaf)によると、《海底には、採取されたサンゴが入ったカゴがいくつも置かれ、ダイバーが接着剤で貼り付ける作業が行われている。台風14号の影響が懸念されるが、水温の高い夏場や台風シーズンを避けるように、という沖縄県の行政指導を無視して、移植作業が強行されている。メディアは連日、自民党の総裁選について報じているが、辺野古新基地建設や沖縄の自衛隊強化などが話題になることはない誰が新総裁になろうが沖縄に対してはこれまでどおりというのが自明のこととされている。衆議院選挙前に連日自民党のことばかりで、日本のメディアは自公政権維持のために力を尽くしている。オリンピック報道もそうだったが、ほんとに腐っているな新型コロナウイルスの感染爆発が起こったのは、安倍・菅政権とメディアの共犯関係によるものだ。自民党議員たちのあとを記者がぞろぞろと付き従い、権力の監視が聞いてあきれる》。

   『●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が
     計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》
   『●自公お維のヒトデナシっぷり…「病床のダウンサイジング」《高齢者の
       負担を倍増…医師の残業をさらに増やす…今の状況に完全に逆行》

 いま、血税・消費税を使って「病床のダウンサイジング」!…もう、滅茶苦茶だ。
 リテラの記事【菅首相の人気取り「制限緩和方針」の一方で医療体制が信じがたい逆行税金を使った一般病床削減を延長、看護師5万人削減計画も】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6015.html)によると、《「コロナ対策に専念する」と言いながら、肝心の医療提供体制の強化などは置き去りにしたまま、制限緩和策で歓心を買う──。…いや、それだけではない。いますぐ進めなくてはならない問題であり、そして菅首相が動けばいますぐ解消できるのが、消費税を原資に補助金まで付けて進めている「病床削減」政策の撤回だ》。

   『●《「人間として扱って欲しい」…ウィシュマさんの遺品である番号が
       振られた青いシャツの写真を示し、人間は数字ではない、と》…
    「周香織氏による、レイバーネットの記事【安田菜津紀さん渾身の
     黒板解説〜TBS「サンデーモーニング」でウィシュマ事件】…。
     望月衣塑子記者による、東京新聞の記事【ウィシュマさん死亡問題の
     入管開示資料 1万5113枚全て黒塗り 遺族「ごまかさないで」】」

   『●《人道上の対応》? 《ウィシュマンさんの名誉や尊厳の観点》から
      同席拒否? ➙《遺族は弁護士の同席を強く希望して》るんだよ!

 「入管がウィシュマさんを見殺しに」《人命軽視》、1万5113枚すべて黒塗り隠蔽体質》…もう、滅茶苦茶だ。
 【「入管がウィシュマさんを見殺しに」代理人弁護士が語る人命軽視、隠蔽体質】(https://dot.asahi.com/wa/2021090700075.html)によると、《スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が、名古屋出入国在留管理局の施設で亡くなった問題は、わが国の入管体制のずさんさを浮き彫りにした。過去にも同種の事案が起きていながら、なぜ悲劇は繰り返されるのか。遺族側の代理人である指宿昭一弁護士に聞いた》。

 アベ様の害交害遊を《継承》…(落第なのに〝卒業旅行〟だそうな)無駄な訪米にドブガネ...もう、無茶苦茶だ。米政府に、辺野古は出来ません、でも、普天間の返還を、ぐらい言うのなら見直すよ。
 dot.の記事【緊急事態宣言延長の菅首相 「訪米は政界引退の花道?」とザワつく自民党】(https://dot.asahi.com/dot/2021090900107.html)によると、《自民党総裁選への不出馬表明で、すっかり影が薄くなってしまった菅首相。そこへ突然、9月末に菅首相がアメリカを訪問し、米国のバイデン大統領と会談する予定であることが報じられた》。

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https://cakes.mu/posts/34489

ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜
武田砂鉄
菅義偉首相が辞める
今だけ無料 2021年9月8日

今月行われる自民党総裁選に出馬しないことを表明した、菅義偉首相。第百代の総理大臣は誰になるのか?の前に、考えなければいけないことについて、武田砂鉄さんが論じます。


ワイドショーからの連絡

先週末、数匹のコバエを追いかけながらもそれなりに穏やかな午後を過ごしていたら、朝のワイドショーの番組制作スタッフから連絡が来て、菅義偉首相が総裁選不出馬を明らかにしたことを受けて、インタビューをお願いしたい、難しければツイートを紹介させてほしい、との連絡が来た。何十分話そうが長くても30秒程度に編集されてしまうこの手のインタビュー依頼はもちろん断るのだが、ツイートならば省略できないだろうと了承し、「顔写真をください」「では、こちらをどうぞ」とやりとりしておいた。

紹介したいと言われたツイートは下記だ。
「テレビは朝から『さぁ次はどうなる!?』ばかりで、放り投げて逃げようとしているのは何か、誰なのかを問わない問題山積の東京五輪総括河井夫妻買収事件、大臣の恫喝・圧力問題、名古屋入管問題赤木ファイル日本学術会議任命拒否問題などなど……

投稿したのは、菅義偉首相が出馬しない意向を示した日の翌朝4日であることを明示してください、と伝え、やりとりは終わった。で、その結果、どのように放送されたか。……放送されなかったのである。謝罪のメールは来たものの、デーブ・スペクター茂木健一郎に続いて、なぜ自分のツイートが紹介されなかったのか、何の説明もなかった。


「一晩寝て起きれば状況は変わっているはずだ」

安倍政権が終わり、菅政権が始まった頃、「この政権に名前をつけるなら『〇〇政権』でしょう」という、ありがちな取材を受けた。自分はそこで、「名付けるなら、『安倍政権』ですね」と答えた。安倍政権下で官房長官を務めてきた人物に、諸々の打開策を見出せなかった前任が押し付けた形となったのだから、間違っても、これでリセットされたというムードに乗せられてはいけない安倍政権の後は安倍政権だ、と答えておいた。案の定、叩き上げの政治家」「パンケーキ好きで親しみやすい人柄」といった報道が続き、そのイメージ強化のために、番記者たちは、朝から、パンケーキ会合に駆り出されたのだった。

手元に、菅政権が誕生した直後に発売されたムック『第99代総理大臣 菅義偉の人生相談』(別冊プレジデントムック)がある。自身のバイブルの一冊としてあげたコリン・パウエル『リーダーを目指す人の心得』(飛鳥新社)を紹介する箇所にこう書かれている。自分が助けられてきたのは、「彼の13ヵ条のルールのひとつである『なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ』という言葉です」「時間が経てば、状況は変わる、時間が解決してくれるとよく言うじゃないですか。それと同じように、『一晩寝て起きれば状況は変わっているはずだ』と、時に楽観的になってみること、自信を失わず諦めないことが重要だという助言は、やっぱりその通りでしたね」とある。


「パンケーキ報道」の自省はないのか

今、読み直してみるとどうだろう。コロナ感染拡大にしても、東京五輪開催強行にしても、菅首相の楽観視、つまり、寝て起きれば状況は変わっているのではないかという姿勢が、状況を悪化させたのではないか。感染拡大している現状を問うと、諸外国だって抑えられていないと言い、自身の責任から逃れるような弁明を続けた。思い返せば、昨年4月、外国人記者から「失敗だったらどういうふうに責任をとりますか?」と問われ、「最悪の事態になった時、私が責任を取ればいいというものではありません」と答えたのが当時の安倍首相だった。安倍政権に続くのは「安倍政権」だ、という見立ては間違ってはいなかった。

先の、ワイドショーで使われなかったツイートに羅列したように、複数の大問題がそのまま放置されようとしているのに、毎度おなじみ「さぁ次はどうなる!?」報道が続く。有力候補の一人とされている岸田文雄前政調会長がYouTubeのライブ配信で視聴者からのバナナはおやつに含まれるか」との問いかけに「含まれません」と生真面目に答えたとの旨を各メディアが報じていたパンケーキ報道」の当事者としての自省はないのだろうか


紹介されなかったのでもう一回

岸田の「前政調会長」との肩書きが証明するように、今、後任に取り沙汰されている名前は、安倍政権、菅政権と続いてきたこの約10年の間で、中枢にいた、あるいは体質改善に乗り出そうとはしなかった人たちばかりだ。会社組織にたとえるならば、社長も部長も課長も若手のホープもそれぞれ問題を抱えている組織に対し、外から問いかけるべきなのは「うーん、この中だったら誰がベストかなぁ?」ではなく、「この会社ヤバくないか?」ではないか。一緒になってリセットボタンを押すような、「一晩寝て起きれば状況は変わっているはず」に再び加担するような報道があまりに情けない

紹介されなかったのでもう一回。
「テレビは朝から『さぁ次はどうなる!?』ばかりで、放り投げて逃げようとしているのは何か、誰なのかを問わない問題山積の東京五輪総括河井夫妻買収事件、大臣の恫喝・圧力問題、名古屋入管問題赤木ファイル日本学術会議任命拒否問題などなど……

忘却に加担するのかしっかり掘り返して問うのかメディアが問われているまたいつもの感じでやっているの、ヤバいと思う
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●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》

2021年09月24日 00時00分11秒 | Weblog

(2021年09月12日[日])
東京新聞の記事【<社説>新聞の存在理由を問う 桐生悠々を偲んで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129825?rct=editorial)。

 《気骨のジャーナリスト、桐生悠々=写真=は八十年前のあす十日に亡くなりました。破滅的な戦争へと向かう時代、古巣の新聞界にも批判の矛先を向け、奮起を促し続けた悠々を偲(しの)び、今の時代にも通じる教訓を読み取ります。悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知新聞」や、長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です》。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行」だからである》と〆ています」


   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《全米の新聞、一斉に社説言論の自由への危機感
     …桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
      《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」


   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
    「《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが
     「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、
     「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…に
     とって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う
     義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。
     アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、
     《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 
     《義務の履行》を果たしているか?」

 《新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか》。アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。《悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます》…箕部幹事長の言う「他山の石」ならぬ、「自」山での「石」だらけ。例えば、腐敗した政権や数多のアベ様案件の責任をとらせてほしい。また、《平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です》。

   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)
   『●癒(ゆ)党・《菅義偉の別動隊がいよいよ動き出した》―――
     《部分連合》などと言わずに、スッキリと自公お維で一体化してほしいもの
   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の

     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
   『●総合科学技術・イノベーション会議(菅義偉議長)…《「稼げる大学」へ
         外部の知恵導入 意思決定機関設置、来年法改正》(時事通信)
   『●COVID19対策に「せんにん」するため粛々と政権を無責任に放り
     出してアベ様を《継承》し、一体どこが「国民のために働く。」政権か?

   『●《国会も開かず党の選挙が優先》な自民党…違憲にも国会を開きも
     しない自公お維の暴政を許してはいけない [#投票倍増委員会 会員]
   『●醜悪…《安倍晋三や…麻生太郎が偉そうに派閥の領袖として力を
     行使し、それに対して首相になりたい…や…が上目遣いでご機嫌を…》
   『●《フジロック批判の珍奇さ…ギスギスさせて、失政を自分以外の
     誰かのせいにする、あの技術に、加担してはいけない》(武田砂鉄さん)
   『●山添拓議員の《送検》、八代英輝弁護士の《野党共闘に対する意図的な
      攻撃》とそれに群がるお維議員たち、中村格氏の警察庁長官へ昇格…

   『●《国会を開かなければ、それもできない。これを政治空白と言わず
     して、何と言う。…国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい》…

 東京新聞の記事【消費税減税、原発ゼロを追求 4野党、衆院選へ共通政策合意】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129603?rct=politics)によると、《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の4野党党首は8日、安全保障関連法廃止を求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き、消費税減税や、原発のない脱炭素社会の追求などを盛り込んだ次期衆院選に向けた事実上の共通政策に合意した。合意後、立民の枝野幸男代表は「次期衆院選で共通の政策を掲げ戦えば、必ず政権交代できる。国民の命と暮らしを守る政権をつくる」と語った。共産党の志位和夫委員長も「共通の旗印が立った。選挙に勝利し、政策を実行する政権をつくりたい」と強調した。立民、共産両党は、これを契機に衆院選小選挙区の候補者一本化に向けた調整を加速させる構えだ》そうだ。

   『●《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組…安全保障関連法廃止を
     求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き…共通政策に合意》

 野党の動きをもっと報じて! 何度でも言いますが、自民党総裁は誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/週明け石破茂・元幹事長の出馬あるぞ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202109100000208.html)によると、《★前首相・安倍晋三、元首相・麻生太郎、党税調会長・甘利明のいわゆる3Aが守りたいものが図らずもわかってきた。前政調会長で総裁選挙に出馬を決めた岸田文雄森友学園について触れただけで過剰に反応したようで岸田はすぐさま修正した。元幹事長・石破茂は党内で嫌われているのか。石破をどうしてもだめだという党内の理由はこの3Aが嫌っているからであり、党の議員として特別、異彩を放つ政策を持っているわけではない。こちらも森友・加計事件だけでなく、桜を見る会などに疑問を持っているだけで3Aから見ればけしからん存在ということのようだ。 ★つまりほじくり返すやつは全部だめということなのだろう。また3回生までは安倍・菅政治しか知らない議員たちで、この2人ににらまれたら怖いと思って同調しているのだろう。だからもともと魅力的な候補者が少ないこの総裁選がどんどんつまらなくなる。すべてが長老議員たちの代理戦争になるからだ。意中の候補を当選させ操りたいというのは、過去の事件を掘り起こさせないためか、それともすべての権力を維持掌握していたいからか。 ★それを問うメディアも長老の介入は迷惑だという候補者もいない。そんな中で29日まで総裁選挙をやり続けても国民の関心は薄れるだろう。9日には政調会長・下村博文、外相・茂木敏充は総裁選への不出馬を発表した。これで党内最大派閥細田派と竹下派は候補者を出さないことになった》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/129825?rct=editorial

<社説>新聞の存在理由を問う 桐生悠々を偲んで
2021年9月9日 07時49分

 気骨のジャーナリスト、桐生悠々=写真=は八十年前のあす十日に亡くなりました。破滅的な戦争へと向かう時代、古巣の新聞界にも批判の矛先を向け、奮起を促し続けた悠々を偲(しの)び、今の時代にも通じる教訓を読み取ります。

 悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知新聞」や、長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です。

 明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒(ひっぽう)鋭く批判し続けました。その報道姿勢は、今も私たち新聞記者のお手本であり続けます。

 悠々は信毎時代の一九三三(昭和八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤(わら)う」が、軍部の怒りや在郷軍人会の不買運動を招いて、信毎を追われます。


◆政府の提灯持ちと批判

 新愛知時代に住んでいた守山町(現名古屋市守山区)に戻った悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます。軍部や権力への旺盛な批判がやむことはなく、同誌の発行は、悠々が喉頭がんで亡くなる直前の四一(同十六)年九月五日号まで続きました。

 ただ、この号は発行に至りませんでした。原稿を活字に組み込んだものの、病状が悪化して、校正作業をするための「校正刷り」段階にとどまったためです。悠々は八日、友人や読者に「他山の石」廃刊の辞を発送し、十日に息を引き取ります。六十八歳でした。

 悠々の「遺言」とも言える最後の九月五日号に掲載されているのが「科学的新聞記者」という記事です。抜粋して紹介します。

 《この頃の新聞に至っては、…全然社会を無視して、時の政府の反射鏡たらんとしている。輿論(よろん)を代表せずして、政府の提灯(ちょうちん)を持っているだけである。そして彼等(かれら)は矛盾極まる統制の名の下に、これを彼等の職域奉公と心得ている》
 《今日の新聞は全然その存在理由を失いつつある。従って人はこれを無くもがなのものとしているけれども、他に代(かわ)ってその機能を果たすものなきが故に、彼等は已(や)むを得ずなおこれを購読しつつある。…今日のだらしない状態である》
 《将来の新聞は科学的でなくてはならない。現在に於(おい)て、全くその態度を一変しても、決して早くはあるまい》《神秘主義を尊奉するに至っては、その存在理由を失うのは明である。見よ、彼等は既にその存在理由を失わんとしつつある。試みに街頭に出て、民衆の言うところを聞け、彼等は殆(ほと)んど挙げて今日の新聞紙を無用視しつつあるではないか》

 軍部が政治の実権を握り、すでに日中戦争に突入し、国家総動員で日米開戦に向かう時代です。

 残された時間の短さを自ら感じ取った悠々は、言論統制や戦争協力に甘んじる新聞や記者の現状を憂い、最後に、書き残しておかねばならないと考えたのでしょう。

 それは、悠々にとって「言いたいこと」ではなく「言わねばならないこと」だったはずです。


◆今の時代に通じる警鐘

 私たちが暮らしている今の日本は当時と違い、憲法で言論、報道の自由が保障されています。しかし、悠々の指摘は、今の時代にも通じる警鐘に思えてなりません。

 新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか。ネット時代に新聞は本当に求められているか。存在理由はどこにあるのか−。

 悠々が亡くなったのは日米開戦の三カ月前でした。「他山の石」廃刊の辞では「唯(ただ)小生が理想したる戦後の一大軍粛を見ることなくして早くもこの世を去ることは如何(いか)にも残念至極に御座候」と、戦後の軍縮をも予想しています。

 悠々が理想とした一大軍縮は、日本では戦後、戦争放棄戦力不保持平和憲法に結実し、日本は戦争のない時代を過ごします。

 しかし、平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です

 生涯言論人であり続けた悠々は私たちの新聞にとって、進むべき方向を示す「極北の星」のような存在です。《今日の新聞は全然その存在理由を失いつつある》。悠々が最後に書き記した一節は、没後八十年の新聞を担う私たちにも自問自答を迫ります。
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●東京新聞の社説《苛烈な言論統制の末にあったのは…。》、川柳作家《鶴彬(つるあきら)/獄死の末(さき)に/ある戦(いくさ)》

2020年12月22日 00時00分24秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2020年12月08日[火])
2020年12月8日の東京新聞の【社説/開戦の日に考える 鶴彬獄死の末にある戦】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73025?rct=editorial)と、
コラム【筆洗/その朝の授業は鬼のあだなで畏怖された教授の英語だった。その…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73024?rct=hissen)。

 《鶴彬(つるあきら)という川柳作家をご存じでしょうか。日本が戦争へと突き進む中、貧困と反戦を詠み、治安維持法違反で逮捕、勾留中に病死しました。苛烈な言論統制の末にあったのは…。七十九年前のきょう破滅的な戦争が始まります。…「鶴彬獄死の末(さき)ある戦(いくさ)」》。
 《▼あの日、今から考えれば、勝てるはずもない日米の開戦に国民の大半が高揚した。記憶にとどめなければならぬ戦争の過ち。それは軍や政府によるものだが、感情に任せたわれわれの側の「万歳」をそこから除く理由もまた見当たらぬ。繰り返すまい》。

 鶴彬さんの「生きた世」…《鶴彬(つるあきら)獄死の末(さき)ある戦(いくさ)》。

   『●鶴彬さんの「生きた世」…自公を支持する皆さんは
         人の親として「そんな世」を目指しているの?

 「あの時代」に、死を賭しているとしか思えない激しい反戦川柳を読んでおられる鶴彬さん。治安維持法など、鶴彬さんの「生きた世」は相当に過酷だった。いま、自公お維を支持する皆さんは人の親として「そんな世」を目指しているのでしょうか? アベ様の政が終わったかと思えば、陰険陰湿強権な違法・違憲オジサンの政に。《メディアコントロール》や日本学術会議の6人「だけ」を任命拒否した問題など、これ以上閉塞の時代となることに、耐えられない。《学問や言論、表現に対する弾圧は、戦争への道につながる、というのが歴史の教訓です》。スカスカオジサンはシレ~ッと冷酷に壊憲を進めそうで、恐ろしくて仕方ない。

   『●《キンモクセイで世間の鼻をごまかし、学問の自由、言論の自由を
         脅かしかねない「腐臭」に気付かせぬようにしている》(筆洗)
   『●西日本新聞【例えるなら、こんな話か。授業が始まるのに数人の
     子が…】…取り巻きが《デマを流してまでも、必死で政権擁護》の醜悪
   『●違法・違憲オジサン…《「裸の王様」…取り巻きの同調意見ばかり
     聞き入れ、学者の正論に耳をふさげば、宰相はそう呼ばれてしまいます》

 自公お維の国会議員やその支持者の皆さんは《繰り返すまい》と思っているだろうか。戦争の記憶の継承を嫌っているのではないか。

   『●『石原莞爾/その虚飾』読了 (2/2)
     「「手と足をもいだ丸太にしてかへし
       万歳とあげて行った手を大陸へおいてきた
       /…鶴彬は、こうした刺し貫くような反戦川柳をつくって逮捕され、
         赤痢にかかって、手錠をかけられたまま、二十九歳で病死した」」

   『●閉塞の時代に: 安倍晋三首相の危険な「思い入れの強さ」
    「東京新聞…記事【鶴彬(つるあきら)の愛好家らが運動 
     反骨の川柳作家 都内に句碑を】」

   『●「女性が輝く社会」の「女性を愚弄した発言」…
      「タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう」(鶴彬さん)
    「「タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう」(鶴彬さん)とでも
     脳内では? 与党自民党の桜田義孝前五輪相や元癒党お維の
     丸山穂高衆院議員…よくもまぁ、こんな議員に投票できるよな。
     《そもそもこうした議員を選ばないよう吟味するのは、
     有権者の責任である》…「1/4と2/4」の皆さん、このままでいい
     のですか? 《子育て支援を公約》《子育ての党》といったフザケタ
     与党自公や「子を人殺しに行かせたくて仕方ない」癒党お維を支える
     「1/4」の皆さん、選挙に行きもしないことで間接的に与党や癒党を
     支えている「2/4」の眠り猫な皆さん…」

   『●「戦争や軍国主義を批判、風刺、反体制的な句を作った
         俳人四十四人が治安維持法違反容疑で検挙され…」
   『●《戦争が廊下の奥に立つてゐた》…《そんな時代にしては
          ならない》はずが、癒党お維や与党議員ときたら
   『●与党自公や癒党お維は、戦争したくて(させたくて)、人殺しに
             行きたくて(いかせたくて)しかたないのね?


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/73025?rct=editorial

社説
開戦の日に考える 鶴彬獄死の末にある戦
2020年12月8日 06時42分

 鶴彬(つるあきら)という川柳作家をご存じでしょうか。日本が戦争へと突き進む中、貧困と反戦を詠み、治安維持法違反で逮捕、勾留中に病死しました。苛烈な言論統制の末にあったのは…。七十九年前のきょう破滅的な戦争が始まります。

 鶴彬(本名・喜多一二(かつじ))は一九〇九(明治四十二)年一月、石川県高松町(現在のかほく市)に生まれました。尋常小学校や高等小学校在校中から地元新聞の子ども欄に投稿した短歌や俳句が掲載されるなど、才能は早くから知られていたようです。


◆貧困、社会矛盾を川柳に

 喜多の作品が初めて新聞の川柳欄に載ったのは高等小学校を卒業した翌二四年の十五歳当時、進学の夢がかなわず、伯父が営む機屋で働いていたときでした。

 <静な夜口笛の消え去る淋しさ>(二四年「北国柳壇」)

 「蛇が来る」などと忌み嫌われた夜の口笛を吹いても、何の反応もない寂しさ。少年期の感傷的な心象風景が素直に表現された作風がこのころの特徴でしょう。

 翌年には柳壇誌に作品が掲載され、川柳作家として本格デビューを果たします。その後、多くの川柳誌に作品を寄せるようになりました。このころはまだ柳名「喜多一児(かつじ)」や本名での投稿です。

 十七歳の時、不景気で伯父の機屋が倒産。大阪に出て町工場で働き始めた喜多を待ち受けていたのは厳しい社会の現実でした。喜多の目は貧困や社会の矛盾に向けられるようになります

 <聖者入る深山にありき「所有権」>(二八年「氷原」)

 このころ都市部では労働運動、農村では小作争議が頻発、政府は厳しく取り締まります。持てる者と持たざる者、富める者と貧しい者との分断と対立です。修験者が入る聖なる山にも俗世の所有権が及ぶ矛盾。そこに目を向けない宗教勢力への批判でもありました。


◆反軍、反戦を旺盛に詠む

 十九歳のとき大阪から帰郷した喜多は、生産手段をもたない労働者や貧農、市民の地位向上を目指す無産運動に身を投じ、特別高等警察(特高)に治安維持法違反容疑で検束されます。その後、故郷を離れて上京、柳名を「鶴彬」に改めたのも、特高の監視から逃れるためでもありました。

 兵役年齢に達した二十一歳の三〇年、金沢の陸軍歩兵第七連隊に入営しますが、軍隊生活が合うわけはありません。連隊内に非合法出版物を持ち込んだ「赤化事件」で軍法会議にかけられ、大阪で刑期二年の収監生活を送ります。

 刑期を終え、除隊したのは三三年、二十四歳のときです。このときすでに日本は、破滅的な戦争への道を突き進んでいました。三一年には満州事変、三二年には海軍青年将校らが犬養毅首相を射殺した五・一五事件、三三年には日本は国際連盟を脱退します。

 この年、自由主義的刑法学説をとなえていた滝川幸辰(ゆきとき)京都帝大教授に対する思想弾圧「滝川事件」が起こり、学問や言論、表現の自由への弾圧も苛烈さを増します

 しかし、鶴がひるむことはありませんでした。軍隊や戦争を批判し、社会の矛盾を鋭く突く川柳を作り続けます

 <万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た
 <手と足をもいだ丸太にしてかへし
 <胎内の動きを知るころ骨(こつ)がつき

 召集令状一枚で男たちは戦場へ赴き、わが家に生還しても、ある者は手足を失い、妻の胎内に新しいわが子の生命の胎動を知るころに遺骨となって戻る男もいる。鶴が川柳に映しだした戦争の実態です。いずれも三七年十一月「川柳人」掲載の作品です。

 特高はこうした表現を危険思想とみなし、同年十二月、治安維持法違反容疑で鶴を摘発し、東京・中野区の野方署に勾留しました。

 思想犯に対する度重なる拷問と劣悪な環境。鶴は留置中に赤痢に罹(かか)り、東京・新宿にあった豊多摩病院で三八年九月に亡くなりました。二十九歳の若さでした。

 川柳に続き、新興俳句も弾圧され、表現の自由は死に絶えます


◆戦争へと続く言論弾圧

 お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この社説の見出し「鶴彬/獄死の末(さき)に/ある戦(いくさ)」も五七五の川柳としてみました。

 学問や言論、表現に対する弾圧は、戦争への道につながる、というのが歴史の教訓です。

 安倍前政権以降、日本学術会議会員人事への政府の介入や、政府に批判的な報道や表現への圧力が続きます。今年は戦後七十五年ですが、戦後でなく、むしろ戦前ではないかと思わせる動きです。

 戦後制定された憲法の平和主義は、国内外に多大な犠牲を強いた戦争の反省に基づくものです。戦争の惨禍を二度と繰り返さない。その決意の重みを、いつにも増して感じる開戦の日です。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/73024?rct=hissen

筆洗
その朝の授業は鬼のあだなで畏怖された教授の英語だった。その…
2020年12月8日 06時40分

 その朝の授業は鬼のあだなで畏怖された教授の英語だった。その朝とは、一九四一(昭和十六)年十二月八日。日米開戦の日だという▼開戦の臨時ニュースが校内に伝えられた。教授は廊下に飛び出し、「万歳」と叫んだそうだ。当時の学生が書き残している▼作家、半藤一利さんの『十二月八日と八月十五日』にあったが、とりわけ珍しい話ではなかろう。<やみがたくたちあがりたる戦(たたかい)を利己妄慢(ぼうまん)の国国よ見よ>斎藤茂吉。長く続く米英との緊張。当時の国民はうっとうしさや閉塞(へいそく)感の中にあり、真珠湾攻撃はその暗雲を吹き飛ばすかのように受け止められた。「利己妄慢」の米英という大国に挑む痛快さもあったという。茂吉もそうだったのだろう▼十一年後の五二年に建立された、広島の原爆死没者慰霊碑。碑文は<安らかに眠って下さい/過ちは繰返しませぬから>である。その言葉を考案したのは十二月八日に「万歳」を叫んだあの教授だそうだ▼歴史の皮肉を書きたいわけではない。教授の名は当時広島大学教授の雑賀忠義さんとおっしゃる。この人も被爆している▼あの日、今から考えれば、勝てるはずもない日米の開戦に国民の大半が高揚した記憶にとどめなければならぬ戦争の過ち。それは軍や政府によるものだが、感情に任せたわれわれの側の「万歳」をそこから除く理由もまた見当たらぬ。繰り返すまい
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●《ガルトゥング博士は…戦争のない状態を「消極的平和」…貧困や差別といった構造的な暴力のない状態を「積極的平和主義」と定義》

2020年09月17日 00時00分09秒 | Weblog

【※ 「世界から支持されてきた憲法9条」 東京新聞(2018年5月3日)↑】



マガジン9のコラム【こちら編集部 「積極的平和主義」というのなら(西村リユ)】(https://maga9.jp/200819-4/

 《75回目の「敗戦の日」でした。新聞に掲載されていた、「全国戦没者追悼式 安倍首相の式辞全文」を読んで、強い怒りと失望を感じました。その理由はいくつかあります。…そしてもう一つ、この式典での挨拶では今年初めて使われたという「積極的平和主義」。》

   『●デモクラシータイムス《「僕の雇い主は国民です」と胸をはり…生きて
      いた夫が壊れたのはなぜか、「私は真実を知りたい」から》…に応えよ
   『●《住民の命を守るのが、自治体の責務である》…世田谷モデル《…周辺
      自治体、もちろん東京から日本全体に広がっていかなければならない》
   『●《「私たちの権利はこれほどまで簡単に踏みにじられる」。沖国大の
     事故の1カ月後…学生が事故を目の当たりにした恐怖感や屈辱感を…》
   『●「憲法くん」…《「変なうわさを耳にしました。本当でしょうか。
     私がリストラされるかもしれないという話」。…無関心ではいられない》
   『●適菜収さん【それでもバカとは戦え】…《われわれ日本人が目指すべき
        なのは「核兵器のない世界」の前に「安倍のいない世界」である》

 アベ様がコピー(?)した「積極的平和主義」は、ある平和学者の原義(「積極的平和」〝Positive Peace〟)を跡形も無く破壊したもの。
 《ガルトゥング博士は1969年の論文で、戦争のない状態消極的平和」としたのに対して、貧困や差別といった構造的な暴力のない状態積極的平和主義と定義》した。さらに、《博士は来日する目的をビデオメッセージに込めて、こう続けた。「私は、日本がこう主張するのを夢見てやまない。『欠点もあるが憲法9条を守っていく』『憲法9条が当たり前の世の中にしよう』『軍隊は持たず、外国の攻撃に備えることもない』『そして核兵器は持たない』と」》。

 それに比べて、アベ様の口にする「積極的平和主義」とはなんと薄っぺらいものなのだろうか。アベ様の御「趣味」で壊憲され、「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」され、さらには、緊急事態条項の創設をされたのでは、タマッタものではない。どうやら、アベ様は、平和憲法を壊憲して、「我が軍」を復活し、大日本帝国憲法への回帰を志向しているらしい。さらには、「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が如何にいい加減か…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない。「積極的平和主義」が聞いて呆れるよ。不戦の誓い》《恒久平和の希求どころか、敵基地攻撃能力の保持を求める狂った独裁者ブリ。敵基地攻撃論の先には、何が待っていることやら。こんな腐敗した政権や政党を支持し、子や孫を戦場で人殺しさせたいという親や祖父母たちの気が知れない。適菜収さんの主張は、《われわれ日本人が目指すべきなのは「核兵器のない世界」の前に「安倍のいない世界」である》、至言だ。

 西村リユさんの本コラムの〆の言葉《現政権に「積極的平和」を目指す意志がわずかでもあるとは、私にはどうしても思えないのです》、全く同感。

   『●アベ様がコピー(?)した「積極的平和主義」は、
            ある平和学者の原義を跡形も無く破壊
    《この言葉を提唱したノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士
     
(84)が定義する意味とは異なる。博士は19日に来日し、
     「本当の平和とは何か」を語りかける。ガルトゥング博士は1969年の
     論文で、戦争のない状態を「消極的平和」としたのに対して、
     貧困や差別といった構造的な暴力のない状態積極的平和主義」と
     定義した……「私は、日本がこう主張するのを夢見てやまない。
     『欠点もあるが憲法9条を守っていく』『憲法9条が当たり前の世の中に
     しよう』『軍隊は持たず、外国の攻撃に備えることもない
     『そして核兵器は持たない』と」》

   『●ガルトゥングさん「両国政府は恥を知るべきである」…
       沖縄に対して「恥ずかしくない対応」などする気なし
   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    《土人とは、土着の人を指す言葉で、軽蔑や侮辱の意味を含んで使われる。
     かつてアイヌの人々に対しても使われたことがある。官憲が沖縄に
     住む人を土人と呼んだことは先例に従えば、琉球民族が日本人とは違う
     歴史を持つ先住民族であると公に認めたことになる

   『●(政界地獄耳)《一方、日本では一体何が起きているか。
       官製嫌韓ヘイトをメディアがあおっているお粗末さだ》
    「日本の唯一の看板だった「平和主義」も、アベ様のおかげで、
     風前の灯火だ。平和憲法を捨て去ろうとしている愚かさ。
     ガルトゥングさんの唱える「積極的平和主義」を理解できない
     アベ様…というよりも、その言葉を悪用」

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●アベ様の「積極的平和主義」とガルトゥング博士の
     「積極的平和主義」と中村哲さんが実践してきた「平和主義」と

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https://maga9.jp/200819-4/

こちら編集部
「積極的平和主義」というのなら西村リユ
By マガジン9編集部 2020年8月19日

 先週の土曜日は、75回目の「敗戦の日」でした。新聞に掲載されていた、「全国戦没者追悼式 安倍首相の式辞全文」を読んで、強い怒りと失望を感じました。その理由はいくつかあります。

 一つは、今年に始まったことではありませんが、各地で爆撃や地上戦のために犠牲になった人々への哀悼の言葉はあっても、日本の加害責任に触れる言葉がなかったこと(報道によれば8年連続だそうです)。今年はさらに、去年までは使われていた歴史の教訓」「歴史と向き合うといった、「歴史」という文言もありませんでした

 また、以前にコラムでも書きましたが、決まり文句のように使われた敬意と感謝」という言葉にも強い違和感があります。敬意はともかくとして、国が始めた戦争のために命を落とした人たちに対して、政治家が言うべきは感謝ではないはずだと思うからです。

 そしてもう一つ、この式典での挨拶では今年初めて使われたという「積極的平和主義」。2013年の「国家安全保障戦略」で基本方針として掲げられて以来、安倍政権が安全保障戦略を語るときにしばしば登場するようになった言葉です。国際社会の平和のために積極的に行動するとして、自衛隊の海外派遣拡大などにつながるロジックとして用いられてきました。

 しかし、安倍首相と現政権がこの言葉を使い始めるはるか前から、平和学の分野でよく知られていた積極的平和」という言葉がありました。ノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥングが1969年の論文で提唱した概念で、戦争という直接的暴力がないだけではなく、飢餓人権抑圧差別などの「構造的暴力も存在しない状態を指します。戦争はないけれど、飢えていたり、人権を抑圧されていたり、差別されていたりする人がいる状態は消極的平和に過ぎず本当の意味での平和ではないという考え方です。

 政権が「積極的平和主義」を掲げたときに、この「積極的平和」について知っていたのかどうかは分かりません(国際政治や安全保障の専門家なら当然知っていたはずの言葉だと思いますが)。でも、2015年9月の国会で福島みずほ参院議員が「積極的平和」の認識におけるガルトゥング博士の定義との違いを質問したとき、安倍首相は以下のように答弁しています。

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政府としては、御指摘のような「積極的平和」という概念を使用しているものではないが、「積極的平和主義」の下での具体的な取組としては、国際社会における人権擁護の潮流の拡大への貢献や、貧困削減、国際保健、教育、水等の分野における取組の強化などが含まれており、御指摘の「積極的平和」の考え方と重なる部分も多いと考えている。
(第189回国会・「積極的平和主義」の認識に関する質問に対する答弁書(2015年9月10日)より)
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 〈御指摘の「積極的平和」の考え方と重なる部分も多いと考えている〉。

 本当にそう考えているのなら、そして「積極的平和」を実現したいと少しでも思うのであれば、式典で空虚な言葉を並べ立てるだけではなく、やるべきことがあるのではないでしょうか

 新型コロナウイルスの問題への対応ももちろんですが、たとえば先月26日、インド洋・モーリシャスの沖合で、日本企業が所有する貨物船が座礁、大量の燃料油が流出するという事故がありました。これによって汚染された生態系の回復には20年以上かかるのではともいわれており、深刻な環境危機として各国メディアが連日報道。モーリシャスでは「環境緊急事態宣言」が出され、住民ボランティアらが必死に清掃作業に取り組んでいるといいます。

 そんな中で、日本は8月15日になってもまだ、小泉進次郎環境相が「近く専門家と環境省の職員を現地に派遣する意向」を示した、という対応の遅さ。安倍首相に至っては、公の場でこの事故について言及すら一切していないようです。

 この一件だけを取っても、現政権に「積極的平和」を目指す意志がわずかでもあるとは、私にはどうしても思えないのです

西村リユ
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●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める

2020年07月19日 00時00分56秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html)と、
【<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html)。

 《その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった ▼語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)だ》
 《沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる。証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動きは戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない》。

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人がその嘘っぱちを
        を信じている、というよりも、信じたいんでしょう」

 辺野古破壊高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。何のためらいも無く、未だに「番犬様」に貢ぐ非道。
 その延長線上の今回の《圧力》、《証言封殺》。あまりに卑劣で、言葉がない…。
 琉球新報の記事【「震える少女」沖縄戦証言に圧力 見知らぬ男性、女性宅押しかけ非難】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1144981.html)によると、《沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として本紙に名乗り出た浦崎末子さん(82)の自宅を男性が訪ね、証言をとがめるような言葉を投げ掛けていたことが25日、関係者への取材でわかった。浦崎さんはこの一件以来、外部との接触を控えるようになったという。座間味村での「集団自決」(強制集団死)の証言者らにも同様の接触があったことも判明。沖縄戦の継承が課題になる中、証言を封殺する動きに識者は「証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げになりかねない」と警鐘を鳴らしている》。

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」と。
 「戦争屋のアベ様」が政権を持っている社会では、愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
   『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう
                  という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)
    「教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制
     道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、
     教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟現代の教育破壊は着実に
     進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境」
    「《戦争屋》のアベ様らには、侵略戦争への反省も無く、壊憲して再び
     「戦争のできる国」へ…、《自分たちの加害をはっきり残し
     『もう絶対にやらない世界に約束している》ドイツと彼我の差。
     そして今、「教育再生」という名の教育破壊が進む。札束で頬を
     打つように、最高学府の研究・教育にまで侵食」

   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                     「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html

<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜
2020年6月29日 06:00
震える少女 はだしのゲン 金口木舌

 小学生のころ、原子爆弾の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさも伝える

▼本紙も4月から、新報小中学生新聞りゅうPON!で「まんがで伝える沖縄戦」(絵・なかもとあやこ)を掲載している。このうち沖縄戦の映像で知られる「震える少女」も今月題材とした

▼「震える少女は私」と浦崎末子さん(82)が初めて報道されたのは昨年6月23日付の本紙。その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった

語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)

▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情をきっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動きがあった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的となっている

▼ことしの慰霊の日の本紙には、家族10人を失い、孤児となった金城節子さん(83)の初証言が掲載された。「自分が死んだら、もう残せない。誰がなんと言っても平和が大事」。75年の時を要した体験者の思いである。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html

<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず
2020年6月28日 06:01

 沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる

 証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動き戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない

 沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として名乗り出た女性に対して、知らない男性が自宅を訪れ「どういうつもりか」と詰め寄った。座間味村での「集団自決」(強制集団死)について母親の手記をまとめた研究者は職場への嫌がらせの電話や自宅への訪問があった。「集団自決」の生存者は黒ずくめの男性2人が自宅を訪れ、「追い返したが、恐怖心が残った」と話す。

 体験者だけではなく、過去には「集団自決」を題材にした小学校での創作劇に対し、抗議や中止を求めるメールや電話が十数件寄せられた事例があった。

 言うまでもなく、憲法21条の保障する「表現の自由は民主主義の根幹を成す権利である。戦前の日本にこの権利はなかったといってよい。

 大日本帝国憲法は、表現の自由はあくまで「法律の範囲内において」と記され、さまざまな法で制限された。特に1925年に制定された治安維持法は法改正を繰り返し、対象を一般市民にまで広げ、思想・言論の弾圧に利用された。さらに国民全体が相互に監視し合い、ものが言えない社会をつくり出した。政府や軍部には、強まる戦時体制のなか、戦争遂行の妨げになるわずかな動きでも封じたいという思惑があった。

 民主政治は誰もが自由に政治的意見を述べることができて初めて成り立つ。日本国憲法で認められた表現の自由は、米国統治下の沖縄では長く許されなかった。表現の自由は沖縄の先人たちが体を張って獲得した重要な権利だ。

 資料が乏しい沖縄戦の実相を把握するために、体験者の証言は重要である。複数の証言を付き合わせることでより多角的になり、資料価値は高まる。

 体験者の証言は、大江・岩波訴訟の最高裁判決でも示された通り、オーラル・ヒストリー(口述証言)の資料価値は法廷で認められた。連綿と紡いできた沖縄戦の証言の蓄積がきちんと評価されている。

 他人の自宅を訪問してまで圧力をかけた人たちの目的は定かではない。戦争体験の記憶の継承を、敗戦の記憶を呼び覚まし国家をおとしめると考えているとすれば、主権者である国民を冒とくする行為である。戦争に突入した「いつか来た道」に通じる。

 だからこそ沖縄戦の記憶を風化させてはならない不当な圧力には毅然(きぜん)とした対応を取り、証言者の声に耳を傾け、歴史の教訓に学ばねばならない
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●映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』《その中で…ナイト・リッダー社の記者たちは政権のウソを報じ続ける》

2019年04月22日 00時00分00秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]



東京新聞の豊田洋一記者のコラム【【私説・論説室から】/権力のウソと新聞記者】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019041002000168.html)。

 《ブッシュ政権が開戦の大義としたのが大量破壊兵器の存在だが、イラクはそんなものは持っていなかった。証拠をでっち上げ、ウソの理由で戦争が始められ、多くの命が失われた米国の報道機関のほとんどが政権の誤った情報を垂れ流した》。

   『●『松下竜一未刊行著作集3/草の根のあかり』読了(2/2)
    「…ブッシュ大統領めがけて、イラク人記者が靴を片方ずつ
     投げつけたのです。…「イラク人からのさよならのキスだ、め」、
     「これは夫を亡くした女性や孤児、殺されたすべての人のためだ」
     といいながら投げた…一般にイスラム世界では「」と
     呼ぶのも靴を投げつけるのも「最大級の侮辱」だということです」

   『●靴を投げられたブッシュ氏のいま
    「大統領だった当時、靴を投げつけられるという屈辱を受けた
     ブッシュ氏。大量破壊兵器を捏造してまでイラクに侵略したブッシュ氏」

   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了
   『●戦争できる国にしたくてしょうがないらしい・・・アベ様に一番に戦場へ
    《二〇〇三年三月、米国のブッシュ政権は「フセイン政権が大量破壊兵器を
     隠し持っている」との根拠のない情報をもとにイラク戦争に踏み切りました
     世界に先駆けてこの戦争を支持した小泉純一郎首相は同年十二月、
     「日米同盟、信頼関係を構築していくことは極めて重要だ」と述べて
     自衛隊のイラク派遣を決定しました》

   『●戦争できる国へ: アベ様をはじめ自公議員・
          翼賛野党議員の皆様がまずは「丸太」に
   『●「積極的平和主義」なアベ様という
        civili-UNcontrolな大暴走(out of control)
    《イラク戦争前、ブッシュ政権によって米国民のみならず、日本政府を
     含む国際社会がイラクに大量破壊兵器があると信じ込まされていた
     (後に大うそだと分かったのだが…)。
       軍人出身のパウエル国務長官ら政権内部や米軍首脳部にあった
     慎重論は退けられ、開戦に突き進む。米連邦議会も結局、
     対イラク武力行使の権限を大統領に与えてしまう。
       開戦に前のめりだったのは軍ではなく、大統領やチェイニー副大統領ら
     シビリアン(文民)であり、シビリアンたる議会も、誤った戦争を阻止
     できなかった、という構図だ》

   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」……アベ様達からして?
    「以前、青木理さん曰く「「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す」…、
     でっ、本記事では「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」と。
     そして、結果として
     「アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
     ばかりに。「アベ様のNHK…」をはじめ、酷いことになっている」
    《例えばイラク戦争。当時のブッシュ政権は「大量破壊兵器の脅威」を
     あおって侵略戦を繰り広げたけれど、そんなものはなかった。つまり
     ブッシュ政権の言い分を垂れ流した報道はすべて誤報です。いくつかの
     欧米メディアは後に検証したけれど、日本の新聞は知らんぷり

 ブッシュ元大統領(パパブッシュのドラ息子の方)によって、《証拠をでっち上げ、ウソの理由で戦争が始められ、多くの命が失われた米国の報道機関のほとんどが政権の誤った情報を垂れ流した》。そんな番犬様の家来に成り下がり…報道機関も頼りにならず…なニッポン。

 ブッシュ(パパブッシュのドラ息子の方)氏はなぜ靴を投げつけられたのか、なぜと蔑まれたのか?、自公お維投票者の皆さんはよく考えた方が良い。

 米映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』…《その中で、地方新聞社を傘下に置くナイト・リッダー社の記者たちは政権のウソを報じ続ける。映画はその奮闘ぶりを当時のニュース映像などを交えて描き出していた》。《権力はウソをつく歴史の教訓だそのウソに新聞記者としてどう立ち向かい、真実を暴くのか》? ニッポンのジャーナリズム、何とかならないものか。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                 …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

    《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
     …専門的には「番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズム」理論という》
    《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
     一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していってこそ
     成長し、民主主義社会に貢献できる
のではないか》

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』(望月衣塑子×森ゆうこ著)読了
                    …《今、ジャーナリズムと野党の…》
   『●沖縄県知事選で「ファクトチェック(事実検証)」報道…
           「ネット上にはびこるデマやうそ、偽情報を検証」
   『●最低の《官房長官が「これでいい」と決めれば、
       官僚も秘書官も誰も止められない。それは非常に危険》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019041002000168.html

【私説・論説室から】
権力のウソと新聞記者
2019年4月10日

 米映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」を公開当日、仕事帰りに観(み)に行った。

 心に残る映画「スタンド・バイ・ミー」を撮ったロブ・ライナー監督作品であることに加え、筆者のワシントン勤務と同時期の、米新聞記者の奮闘を描いた実話であることが、映画館へと足を急がせた。

 「衝撃と畏怖」は二〇〇三年三月、イラク戦争開戦時の米軍の作戦名。圧倒的軍事力でイラク側の戦意をくじくという意味だ。

 ブッシュ政権が開戦の大義としたのが大量破壊兵器の存在だが、イラクはそんなものは持っていなかった証拠をでっち上げ、ウソの理由で戦争が始められ、多くの命が失われた米国の報道機関のほとんどが政権の誤った情報を垂れ流した。ニューヨーク・タイムズなど米国を代表する新聞も例外ではない。

 その中で、地方新聞社を傘下に置くナイト・リッダー社の記者たちは政権のウソを報じ続ける。映画はその奮闘ぶりを当時のニュース映像などを交えて描き出していた。

 筆者はあの当時、大量破壊兵器の存在に懐疑的ながらも、政権発の情報は、その都度報じざるを得なかった。外国のメディアだとしても、米メディアと同罪だろう

 権力はウソをつく歴史の教訓だそのウソに新聞記者としてどう立ち向かい、真実を暴くのか。エンドロールを見つめながら、当時を思い出し、自問した。 (豊田洋一
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●《事実誤認》はどちらか? 《権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命》

2019年03月01日 00時00分22秒 | Weblog

『追及力 権力の暴走を食い止める』(望月衣塑子×森ゆうこ著)…《今、ジャーナリズムと野党の…》↑]



東京新聞の社説【記者会見の質問 知る権利を守るために】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021902000183.html)。
沖縄タイムスの【社説[官房長官会見]質問封じは許されない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/387956)。

 《記者会見での記者の質問は、国民の知る権利を守るために、報道機関として当然の行為だ。権力側が、自らに都合の悪い質問をする記者を排除しようとするのなら、断じて看過することはできない》。
 《事の発端は昨年12月26日の官房長官会見。東京新聞の望月衣塑子記者が、名護市辺野古の新基地建設で同14日から始まった土砂投入に関し「埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない」などと質問した。これに対し菅官房長官は「そんなことありません」と一言返しただけだった》。

   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
    「阿部岳記者は、《民主主義社会における報道はプロパガンダとは違う
     権力から独立し、監視するのが役割
     評価するのは権力ではなく、読者や視聴者だけだ》と言います。
     最低の官房長官は、市民の《評価》を妨害しようとしています。
     「事実誤認」「度重なる問題行為」かどうかは《読者や視聴者》が
     判断することで、最低の官房長官がやるべき事じゃない」

   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に… 
                 アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》

 「事実誤認」の常習犯は一体どちらか? 《権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命》。

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
      デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「…と、アベ様の広報紙・産経新聞は紙面で《沖縄2紙》を
     擁護できるだろうか? 《取材に人数制限があり、日本のメディアは
     抽選で代表5社を選んだ。ところが、このうち》朝日《だけ認めない、
     と中国政府が通告した》時に、アベ様の広報紙・産経新聞はどうする?

 それにしても、だらしのない内閣記者会の政治部記者たち。
 ホワイトハウス記者会では、《いっしょになって会見をボイコットホワイトハウス記者会も抗議声明を発表》、《記者たちは食い下がって何度も質問を繰り返す》。一方、ニッポンでも、《▼8月末、日中高官が北京で会談した。取材に人数制限があり、日本のメディアは抽選で代表5社を選んだ。ところが、このうち産経だけ認めない、と中国政府が通告した。これまでも繰り返し狙い撃ちにしてきた ▼各社は足並みをそろえて取材を中止。産経や日本政府は抗議した》。
 内閣記者会の政治部記者、いずれの社も、…《今回は…東京新聞の側に立つ》べきじゃないのですか?

   『●「紙面や番組ではっきりと「嘘つき」…
      「最悪の返答」と批判を浴びせ」る矜持もなく…民主主義の危機
    《対して米国のメディアはどうか。トランプ政権のホワイトハウス報道官
     だったショーン・スパイサー氏が政権に批判的なCNNや
     ニューヨーク・タイムズなどを会見から締め出した際には、AP通信や
     タイム誌はいっしょになって会見をボイコットホワイトハウス記者会も
     抗議声明を発表した。もちろん、スパイサー氏が菅官房長官と同様に
     まともに質問に答えず、批判的なメディアには強権的な姿勢を見せても、
     記者たちは食い下がって何度も質問を繰り返す。スパイサー氏が詭弁を
     振りかざした際には露骨にシラけた表情を向け、紙面や番組ではっきりと
     「嘘つき」「バカ」「大バカ」「最悪の返答」と批判を浴びせている。これこそが
     不誠実な政権担当者へのジャーナリズムの本来のあり方ではないのか》。

 日刊ゲンダイの記事【官邸文書申し入れ問題 記者イジメなぜ内閣記者会ダンマリ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247876)によると、《首相官邸が昨年12月、東京新聞記者の質問を「事実誤認」などとして、内閣記者会に対して「正確な事実を踏まえた質問」をするよう文書で申し入れた問題…申し入れに対し、新聞労連は5日に決して容認できないと抗議する声明を発表したものの、“現場”となった肝心要の内閣記者会はダンマリを決め込んでいる。会見の場で菅官房長官に脅し、スカシまがいの対応をされ、上村報道室長には質問を制限される。そんな状況にジワジワ追い詰められる東京新聞記者を目の前で見ていれば、菅氏や上村氏に向かって「おかしいだろう」と詰め寄るのがジャーナリストというものだろう》。
 レイバーネットの記事【官邸による望月記者への質問妨害を許さない!〜学者・文化人・ジャーナリストが立ち上がる】(http://www.labornetjp.org/news/2019/0219shasin)によると、《2月19日参院議員会館で「官邸による取材・報道の自由侵害に抗議する緊急声明」発表の会見が行われた。50人以上のメディアが詰めかけた…服部孝章さんは「内閣記者会が沈黙していることがおかしいメディアが忖度し安倍を支えているいまメディア全体のあり方が問われている」と厳しく批判…梓澤弁護士は「日本のメディアは一人ひとりが会社員になってしまっていると言われている。会社組織の価値観を抜け出し、新聞記者の初心に返って個人で考えてほしい。一人ひとりの良心が問われている」と熱く語った》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021902000183.html

【社説】
記者会見の質問 知る権利を守るために
2019年2月19日

 記者会見での記者の質問は、国民の知る権利を守るために、報道機関として当然の行為だ。権力側が、自らに都合の悪い質問をする記者を排除しようとするのなら、断じて看過することはできない

 なぜ今、こうしたことに言及せざるを得ないのか、経緯を振り返る必要があるだろう。

 発端は本紙記者が昨年十二月、菅義偉官房長官の記者会見で、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設について「埋め立て現場では今、赤土が広がっており、沖縄防衛局が実態を把握できていない」と質問したことだ。

 首相官邸の報道室長は官邸を取材する報道機関でつくる「内閣記者会」宛てに文書で、質問を「事実誤認がある」「度重なる問題行為」とし「事実を踏まえた質問」をするよう申し入れた。

 また報道室長はたびたび、本紙記者が質問している途中に「質問は簡潔にお願いします」などと催促したり、遮ろうとしている

 しかし、質問は本紙の取材、報道による事実関係に基づいたものであり、決して誤認ではない

 もし、政府が事実誤認と考えるなら、会見の場で事実関係を提示し、否定すれば済むだけの話だ

 菅氏は国会で「会見の様子は配信され、国内外で直ちに視聴できる。事実に基づかない質問が行われると、内外の幅広い視聴者に誤った事実認識が拡散される」と答弁したが、政府の反論が正しければ、誤った事実認識が拡散されることはないのではないか。

 憲法は「表現の自由」を基本的人権の一つとして、国民の知る権利を保障している。

 官邸報道室は申し入れに「質問権や知る権利を制限する意図は全くない」としているが、政府に都合の悪い質問をしないよう期待しているのなら見過ごせない。

 申し入れがあっても、質問を制限されないことは、知る権利を尊重する立場からは当然だ。

 菅氏はかつて会見で安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設を「総理の意向だ」と伝えられたとする文部科学省文書を「怪文書みたいではないか」と語ったことがある。

 その後、文書は存在することが分かった政府が常に正しいことを明らかにするとは限らない。一般に権力は、都合の悪いことは隠すというのが歴史の教訓である。

 権力を監視し、政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命だ。私たち自身、あらためて肝に銘じたい。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/387956

社説[官房長官会見]質問封じは許されない
2019年2月22日 07:40

 首相官邸が報道室長名で、菅義偉官房長官の会見で特定の記者の質問を「事実誤認」とし、文書で内閣記者会に「問題意識の共有」を申し入れていた。記者会は「質問を制限することはできない」と伝えたほか、新聞社の労働組合でつくる「新聞労連」は「申し入れは国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認できない」との声明を発表した。申し入れは、記者が質問する権利を制限しようとする行為で、撤回すべきだ。

 事の発端は昨年12月26日の官房長官会見。東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者が、名護市辺野古の新基地建設で同14日から始まった土砂投入に関し「埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない」などと質問した。これに対し菅官房長官はそんなことありませんと一言返しただけだった。

 官邸側が記者会に「沖縄防衛局は埋め立て材(土砂)が仕様書通りの材料と確認している」など望月記者の質問は事実誤認とする申し入れ書を提出したのは2日後だ。

 しかし実際には、土砂投入後「性状が確認できない土砂が投入されている恐れがある」として調査を求めた県に、防衛局は「(土砂は)確認した上で使用している」と回答し、立ち入り調査を拒否している。望月記者の質問が事実誤認との指摘は当たらない。

 官邸の申し入れは、気に入らない質問をする記者を排除し、それに対して記者会の同意を求めることに等しく、著しく不適切だ

    ■    ■

 検証記事を掲載した東京新聞によると、菅官房長官の記者会見では約1年半にわたり、望月記者の質問を、会見の進行役である報道室長が何度も遮ったり、質問を制限したりする行為が繰り返されている

 今回の申し入れが、こうした異様な会見の延長線上にあることは明らかだ。

 西村康稔官房副長官は申し入れについて「質問権や知る権利を制限する意図は全くないと官邸報道室長から報告を受けている」と釈明した。

 だが、望月記者は「文書は私や社への精神的圧力だ」と反論している。

 政府は自由党の山本太郎参院議員の質問主意書に対し「一方的に質問を制限できる立場になく、その意図もない」とする一方、「質問を簡潔にまとめたり、質問数を絞ったりするよう協力を求めることはある」との答弁書を閣議決定した。

 質問制限を事実上容認する回答で到底納得できない。

    ■    ■

 安倍晋三政権下では、河野太郎外相が、記者会見で日ロ平和条約交渉についての記者の質問を繰り返し無視する前代未聞の対応で批判を浴びたことも記憶に新しい。政権の中に、国民への説明責任を軽視する雰囲気がはびこっていないか。

 記者会見は事実確認をする場でもあり、報道機関の務めは権力を監視することだ。記者の質問に応じるのは、官邸や政治家の義務であるということを肝に銘じるべきだ。
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