[↓ 双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、報道特集 2021年03月27日[土])] (2024年03月02日[土])
【映画『津島 ー福島は語る・第二章ー』予告編/2024年3月2日(土)公開】
(https://youtu.be/87HDT9OGCJs)
《土井敏邦監督作品
ドキュメンタリー映画『津島 ー福島は語る・第二章ー』予告編
【2024年3月2日(土) 東京・K's cinema ほか全国順次公開】
帰ることが叶わなくとも
わたしの故郷はたしかに”ここ”にある
2011年3月11日の福島第一原発事故の直後に大量の放射性物質が
降り注ぎ、地域の大部分が「帰還困難区域」に指定されたまま、
現在も多くの住民が帰れずにいる故郷・津島。「100年は帰れない」
と言われた故郷・津島の歴史と、そこで生きてきた人々の記憶と感情を
映像化した、総勢18名、3時間を超える圧巻のオーラル・ヒストリー》
キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》。アケスケに言えば、〝棄民〟ではないのか。さっさと、元通りに戻して見せよ。勝手に《原発回帰》《原発復権》するな。
《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》。《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》。
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
「みんなの願いは単純だ。国や東電が、大地の汚れを取り除き、
元の状態に戻す、原状回復してくれることだけだ。《原発事故で
地域の歴史や人の絆、伝統や文化、一切合切が壊された》。
《…原状回復して住めるようにしてほしい。ふるさとに
帰れるのなら、賠償はいらない。津島に帰りたい。
このままでは終われない》」
『●《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で
食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》』
「笠原眞弓氏による、レイバーネットの記事【原発は何を奪った
のか~『福島は語る・完全版』江古田映画祭で上映】…。
《コロナ騒ぎで、プログラムが軒並み中止・延期される中、
江古田映画祭は会場を武蔵大学からギャラリー「古藤」に移して
開催された。初日の2月29日、私は『福島は語る・完全版』を
見た。5時間20分の完全版を見るには、それなりの体調管理と
決心がいる」
「《生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄》。3.11東京電力
核発電人災の何か一つでも解決したのか? 」
「堀切さとみ氏による、レイバーネットの記事【セシウムが染み
ついた飯舘村で懸命に生きる~映画『サマショール』】」
西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/原発事故に故郷を奪われた18人の「痛み」 「戦後日本で繰り返されてきた横暴」への思いを189分の映画に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/312256?rct=tokuhou)。《東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域に焦点を当て、避難者の証言を記録したドキュメンタリー映画「津島 ―福島は語る・第二章―」が2日から公開される。原発事故被災者の声を拾い続けてきた監督の土井敏邦さん(71)は「故郷を奪われる痛みに思いをはせてほしい」と呼びかける。(西田直晃)》。
『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
…原状回復して見せたのか? 誰か責任は?』
「《失われた古里》、《もどれない故郷》、失われた
《本来は恵みをもたらす田畑の土》…原状回復して見せたのか?
誰か一人でも責任をとったのか?
それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…。
東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらくだ。
核発電「麻薬」中毒患者達は、経済性から核発電輸出からは撤退しよう
としているが、…国内では、核発電所を再稼働し、新規建設をしたくて
しょうがない訳だ。3.11の核発電人災の反省など一切なし」
《「福島は語る」という映画…土井敏邦監督が福島県民ら十四人に
インタビューした記録映画である。そこに杉下初男さんが出ていた。
杉下さんは石材業を営み、本の中では、飯舘の白御影石は安くて色が
ブルーなので東京で人気だった、と書いてある。
映画で杉下家の本当の悲劇は、事故の何年も後だったと知った。
杉下さんは原発事故のせいとも、放射能のせいとも語っていないが、
故郷を離れ、避難生活を送ることの厳しさを感じた》
『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》』
「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
…。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
浮かび上がらせているのが特徴だ》」
『●2019年度文化庁映画賞《文化記録映画部門の優秀賞》を受賞
…三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』』
《『福島は語る』監督:土井敏邦 2018年/170分
原発事故という大きな現実の中で,生きざるを得ない人びとがいる。
その人たちは今,何を思い,どうしようとしているのか。映画は14人の
声を,丹念に長い時間をかけ記録していく。お互いの信頼関係の中で,
人びとは徐々に語りにくかった思いをしずかに,整理するように語る。
制作者はその証言に正面から向き合い,そのことで,福島の現実を
直視しようとする。この映画はドキュメンタリーの一つの到達点
といってよい作品である》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/312256?rct=tokuhou】
こちら特報部
原発事故に故郷を奪われた18人の「痛み」 「戦後日本で繰り返されてきた横暴」への思いを189分の映画に
2024年3月1日 06時00分
東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域に焦点を当て、避難者の証言を記録したドキュメンタリー映画「津島 ―福島は語る・第二章―」が2日から公開される。原発事故被災者の声を拾い続けてきた監督の土井敏邦さん(71)は「故郷を奪われる痛みに思いをはせてほしい」と呼びかける。(西田直晃)
◆今も多くの住民が戻らぬ浪江町・津島地区
(津島地区の住民への思いを語る土井さん=横浜市神奈川区で)
2019年公開の「福島は語る」の続編。震災直後から福島入りして取材を重ねており、今作では、県東部の浪江町の山間部にある津島地区に密着。原発から北西に30キロ離れているが、事故直後に大量の放射性物質が降り注ぎ、地域のほとんどが帰還困難区域に指定されたまま、現在も多くの住民が戻れずにいる。
津島の歴史書を編み始めた男性に心を打たれ、土井さんは「どうしても記録しなければ」と思い立った。貧しさにあえいだ開拓時代の記憶、綿々と受け継がれてきた伝統文化、今は亡き家族との思い出…。最初のインタビューから約5年を費やし、総勢18人の証言と四季の映像を前面に出し、事故から10年以上を経ても癒えない望郷の思いを映像に収めた。
◆経済合理性のために少数を切り捨てるのか
土井さんは「反原発を声高に主張する人は登場しないが、語りの奥に問題が浮かび上がっている」と強調する。津島地区の住民は土地の原状回復などを求め、国と東電を相手取った裁判を続ける。「経済合理性だけを重視し、少数の人々を切り捨てるのか。原発事故に限らず、戦後日本で繰り返されてきた風景だ。横暴を許してはいけない」と作品に込めた思いを語る。
「見る者にとって、撮る者にとって、ドキュメンタリーの登場人物は『鏡』」が持論の土井さん。若いころに故郷の佐賀県を飛び出したからこそ、津島地区に愛着を抱き続ける登場人物たちに大きく感情移入したという。「心の揺れを語る住民に自分自身を投影しながら、これまでの生き方を僕自身も省みた。豊かさとは何か、生きるとは何なのか。共感できる人がいるはずだ」と話す。
◆2日に新宿で封切り、全国で順次公開
映画は2日、東京都新宿区の「K’s cinema」で封切りされた後、全国で順次公開される。16日には横浜市中区の「シネマ・ジャック&ベティ」で上映開始予定。189分。
【関連記事】原発周辺、かつての福島の町並みは跡形もなく 除染で出た汚染土の中間貯蔵施設の現在地【動画】
【関連記事】「新たな開拓者として」避難指示解除で帰還、ラベンダーの花言葉に託した願いは… 福島・浪江の津島地区
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琉球新報のコラム【<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html)と、
【<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html)。
《その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった ▼語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)だ》
《沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる。証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動きは戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ。不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない》。
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人がその嘘っぱちを
を信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
辺野古破壊や高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。何のためらいも無く、未だに「番犬様」に貢ぐ非道。
その延長線上の今回の《圧力》、《証言封殺》。あまりに卑劣で、言葉がない…。
琉球新報の記事【「震える少女」沖縄戦証言に圧力 見知らぬ男性、女性宅押しかけ非難】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1144981.html)によると、《沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として本紙に名乗り出た浦崎末子さん(82)の自宅を男性が訪ね、証言をとがめるような言葉を投げ掛けていたことが25日、関係者への取材でわかった。浦崎さんはこの一件以来、外部との接触を控えるようになったという。座間味村での「集団自決」(強制集団死)の証言者らにも同様の接触があったことも判明。沖縄戦の継承が課題になる中、証言を封殺する動きに識者は「証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げになりかねない」と警鐘を鳴らしている》。
「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」と。
「戦争屋のアベ様」が政権を持っている社会では、愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める。
『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」』
『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…』
「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
前に、「平和の礎はあらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」
『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」』
『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」』
『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう
という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)』
「教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制、
道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、
教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟…現代の教育破壊は着実に
進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境」
「《戦争屋》のアベ様らには、侵略戦争への反省も無く、壊憲して再び
「戦争のできる国」へ…、《自分たちの加害をはっきり残し
『もう絶対にやらない』と世界に約束している》ドイツと彼我の差。
そして今、「教育再生」という名の教育破壊が進む。札束で頬を
打つように、最高学府の研究・教育にまで侵食」
『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
「一番いけないのが戦争です」』
《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん。
《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です。
戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
その支持者達には聞こえないらしい。
自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
彼女らの神経が知れない」
『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》』
《高畑勲、野坂昭如、大橋巨泉、永六輔、かこさとし、水木しげる、
愛川欽也、金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
入り始めている》
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html】
<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜
2020年6月29日 06:00
震える少女 はだしのゲン 金口木舌
小学生のころ、原子爆弾の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさも伝える
▼本紙も4月から、新報小中学生新聞りゅうPON!で「まんがで伝える沖縄戦」(絵・なかもとあやこ)を掲載している。このうち沖縄戦の映像で知られる「震える少女」も今月題材とした
▼「震える少女は私」と浦崎末子さん(82)が初めて報道されたのは昨年6月23日付の本紙。その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった
▼語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)だ
▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情をきっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動きがあった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的となっている
▼ことしの慰霊の日の本紙には、家族10人を失い、孤児となった金城節子さん(83)の初証言が掲載された。「自分が死んだら、もう残せない。誰がなんと言っても平和が大事」。75年の時を要した体験者の思いである。
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html】
<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず
2020年6月28日 06:01
沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる。
証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動きは戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ。不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない。
沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として名乗り出た女性に対して、知らない男性が自宅を訪れ「どういうつもりか」と詰め寄った。座間味村での「集団自決」(強制集団死)について母親の手記をまとめた研究者は職場への嫌がらせの電話や自宅への訪問があった。「集団自決」の生存者は黒ずくめの男性2人が自宅を訪れ、「追い返したが、恐怖心が残った」と話す。
体験者だけではなく、過去には「集団自決」を題材にした小学校での創作劇に対し、抗議や中止を求めるメールや電話が十数件寄せられた事例があった。
言うまでもなく、憲法21条の保障する「表現の自由」は民主主義の根幹を成す権利である。戦前の日本にこの権利はなかったといってよい。
大日本帝国憲法は、表現の自由はあくまで「法律の範囲内において」と記され、さまざまな法で制限された。特に1925年に制定された治安維持法は法改正を繰り返し、対象を一般市民にまで広げ、思想・言論の弾圧に利用された。さらに国民全体が相互に監視し合い、ものが言えない社会をつくり出した。政府や軍部には、強まる戦時体制のなか、戦争遂行の妨げになるわずかな動きでも封じたいという思惑があった。
民主政治は誰もが自由に政治的意見を述べることができて初めて成り立つ。日本国憲法で認められた表現の自由は、米国統治下の沖縄では長く許されなかった。表現の自由は沖縄の先人たちが体を張って獲得した重要な権利だ。
資料が乏しい沖縄戦の実相を把握するために、体験者の証言は重要である。複数の証言を付き合わせることでより多角的になり、資料価値は高まる。
体験者の証言は、大江・岩波訴訟の最高裁判決でも示された通り、オーラル・ヒストリー(口述証言)の資料価値は法廷で認められた。連綿と紡いできた沖縄戦の証言の蓄積がきちんと評価されている。
他人の自宅を訪問してまで圧力をかけた人たちの目的は定かではない。戦争体験の記憶の継承を、敗戦の記憶を呼び覚まし国家をおとしめると考えているとすれば、主権者である国民を冒とくする行為である。戦争に突入した「いつか来た道」に通じる。
だからこそ沖縄戦の記憶を風化させてはならない。不当な圧力には毅然(きぜん)とした対応を取り、証言者の声に耳を傾け、歴史の教訓に学ばねばならない。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif)
『筑紫哲也』、10月に読了。週刊朝日MOOK、2009年11月発行。編集後記の執筆者の一人に諸永裕司氏の名が(p.280)。
編集後記、「・・・ジャーナル時代・・・。こう強調してもいました。「ジャーナルは儲けを期待されている雑誌ではない。でも赤字を出さないことが、社内外に対する言論の自由の基盤として大切だ」」(p.280)。
多事争論傑作選、「TBSは今日、死んだに等しいと思います」(p.22)。
「石原(慎太郎)さんを倒すのは、やっぱり同じ世代の責任じゃないですか? ああいう人を出した、筑紫さんの世代の責任じゃないですか?」(pp.28-29)。家族の反対で思い止まる。「・・・房子は夫にこうたずねた。/「私が反対していなかったら、あなたやってた?」/即座に返ってきたのは、「やった」という答えだったという」。
「私が最も真剣に考えたのは、東京都のひどさでした。この年齢になってきたら、世代の責任というものもあるのではないかという気もしましたが、・・・」(p.134)。
井上陽水さん「傘がない」(p.32)。「最後のニュース」、「・・・また、文明の終わりが迫っているという意味の最後ともとれる・・・」(p.34)。
「「『現在』を知るために『過去』を学べ」/「『学ぶ』とは、『疑う』ことだ。自分を、常識を、現在を疑え」/と説いた」(p.47)。「最後の生出演となった08年28日の「多事争論」で、筑紫さんは「23のDNA」を三つ挙げた。/▽大きな権力に対する監視の役を果たそうとすること。/▽少数派であることを恐れないこと。/▽多様な意見や立場を登場させて、この社会に自由の気風を保つこと。/そして、こう続けた。/「これからも、その松明(たいまつ)は受け継がれていきます」」。
「筑紫さんもクロンカイトも実に「品性」(decency)があった。そしてともに文化のありようと価値をよく理解し、歴史認識を研ぎ澄ましていた」(p.52)。
イラクで人質となった3人およびその家族に対する「自己責任」という批判の嵐。「・・・たくさんの嫌がらせや誹謗中傷があったということです。/私が「多事争論」と言っておりますのは、いろんな意見があっていいということですけれども、その域を超えた中傷と嫌がらせは大変に問題だろうと私は思います」(p.63)。
永六輔さん(p.64、215)。國弘正雄さん(p.132)。野中広務氏(p.177)。小田実(p.178、232、247)。城山三郎さん(p.243、246)。
オーラル・ヒストリー。「ですからこの年入社組には常識のないやつが多いと言われ、社内では「常識なしの34年(昭和34年入社)組」と呼ばれていました。それに懲りて、翌年直ちに常識問題を復活させましたけれども。とにかく同期入社には、本多勝一、上前淳一郎など、個性的な人が多かったと思います」(p.118)。
「・・・政治家からの供与。お金はもちろん受け取りませんけれども、飲み食いの問題です。少なくとも私がいたころの政治部の不文律で、おごられたら必ず返す。/・・・暗黙のルールでした」(p.131)。
「・・・森喜朗さんでした。彼が総理大臣になるとは思っていなかったのです。なるべき人ではないと思いましたしね。自民党幹事長時代に非常に文句が多くて、細かいくだらないことにまめにクレームをつけてくる・・・」(p.131)。
本田靖春さん『我、拗ね者として生涯を閉ず』(p.136、173)。
記者クラブ制度。「政治記者たちが「あんなことは、みんな知っていた」と言うなら、なぜ書かなかったのか。これは大問題でした」。
中島みゆき、「生きとし生けるものへの誠意」(p.230-231)。「最後の女神」。
残日録(抄)(pp.242-251)。「ゲルニカ・・・ロンドン、ドレスデン、重慶・・・ヒロシマ、ナガサキに至る戦争の残虐化、ジェノサイドの系譜・・・」(p.248)。忌野清志郎(p.249)。
福光恵氏「全国へ旅立つ/筑紫さんの愛した本」(pp.264-268)。
筑紫房子氏「最後に棺に言えた「パパ、ありがとう」」(pp.16-21)。
写真作家筑紫拓也氏「筑紫哲也×僕×パパ」(p.252-263)。
公表された最後のメッセージ。WEB多事争論08年8月1日、「遺言/この国のガン」(pp.272-275)。「・・・教育しか取りえがないという国ですね。・・・/・・・医療費というものをきちんと使っていない国なんです。・・・そういう国が高齢者に対して、たくさんのパイを与えているとは言えない。つまり未来にも投資していない、過去にも投資していない、・・・。/つまりお金が変なところに行ってて、・・・。/で、私は今病気〝ガン〟ですから、・・・。人間の体がガンに侵されますと、本来使うべき栄養とかエネルギーとかいうものが、ガンと戦うためにそっちに取られてしまうんですね。本来人間が生きていくために使うべきところに向かなくなっちゃう。ですから、この国というのは一言で言えば、ガンにかかっている。そういう状況だというのが、この国の状況だろうと思います」。
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