あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

12月23日 定例議会と意見書

2008-12-23 | 国際・政治

定例議会では市長から提案された議案等の審査の他に、市議会の意思として国に意見する「意見書」の提出があります。今12月議会では2本が採択されました。いずれも私が所属する健康福祉委員会で付託審査しました。

一本は「国外で作成された歯科医療用補てつ物等の取り扱いに関する件」です。

入れ歯は昨今、コスト面などから中国で作成されたものを輸入して使用しているケースが増えています。けれども輸入品としては実は雑貨物扱いであり、口の中で長年使用していく製品であるにも関わらず、安全基準等のチェックも曖昧なまま国内に出回っている現状にあります。したがって国に対し、輸入取扱の法整備と品質や安全確保に必要な措置を求める内容となっています。

国内には優秀な歯科技工士が多数いるにもかかわらず、中国からインターネットを通して早く安く入れ歯が輸入されるシステムがあって、実は歯科医師も国内外いずれで作成されたか知らずに使っているという。食べ物以上に安全の担保が明確でなければならない入れ歯が、コスト至上のみで取扱いされていく現状を、議員が等しく知る機会ともなった。

人の健康は先ず食生活からと言われているが、歯が健康でなければ食べられず口の中の衛生が保たれなければ、内蔵も弱っていく。口腔の衛生管理と嚥下機能の保持は老年になるほど生活の自立に欠かせない必要条件です。作成材料も不明なモノを口に入れて生活している現況を野放しにしていられません。国に早急な措置を強く求めます。

もう一本は「障害者自立支援法の抜本的な見直しを求める件」です。

3年前から支援費制度の導入をはじめ障害者皆さんの生活の自立を支援するという目的の法律ができ(民主党は反対)、3年後の来年度から見直すことになっていました。法の目的は兎も角、制度開始直後から不具合ばかりで、法律の趣旨と支援する実態とのかい離が著しく国と自治体は法の不備面を特別措置によって補足するという奇妙な法制度として今日にいたっています。

政府からは遅々として法改正の準備作業が見えていませんでしたが、今月16日にやっと審議会の部会から報告書が提出されたところです。自民党の議員は報告書によって良い制度に来年度からなるものと信じているようですが、国会にどのような内容で提案して実施するか全く不明です。また報告書の内容を見ると、現行の問題点を把握している点は評価できますが、その改善策についてはどこも希望・要望の程度に言い方が抑えられているのです。公明党の議員は、障害者から最も問題と指摘されている、応益負担についてその意義を敢えて当局へ質問し確認していました。民主党は第一に、応能負担に戻すことを来年度からに求めています。

来年度からの抜本改正にむけて、年明け国会での審議入りも不明であり、改正内容も不明なままですが、兎も角、現行制度はこれ以上看過できない。速やかに障害当時者の視点に立った抜本的な見直しを実施するよう、具体な内容には目をつぶり市議会全体の意思として国に物申すため賛同しました。翌日の本会議で採択され議長名で両院議長、総理大臣、所管する5大臣宛てに提出することになりました。

福祉施策の取り纏めにも自公政権は難しい舵取りを強いられている様を十分に視る機会となった今回の意見書提出でした。内閣よりも総理を出している党が強く、さらにもうひとつの党の存在が大きく。国民全体の公平な利益の確保はどうなるのだ!!


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