11月28日 臨時議会本会議にて会派を代表して質疑を紹介いたます。
市民フォーラム仙台の安孫子雅浩です。
震災復興計画案に対して、市民フォーラム仙台を代表して、以下に順次質問して参ります。
先週月曜日、待ちに待った国の第三次補正予算が、共産党を除く与野党賛成多数により成立しました。本市の復興計画をスタートさせる基盤になるものであり、三次補正による国からの予算措置を財源として、これから震災復興計画が示す復旧復興事業を可及的速やかに進めていかなければなりません。
先ず、はじめに復興計画を推し進める上で前提となる件数点についてご質問いたします。
① 国の第三次補正予算は総額12兆円余りのうち9兆2000億円が震災復興に係るものであります。津波被災地区の集団移転事業、宅地被災地区の宅地復旧事業、中小企業への資金繰り入れ対策をはじめ時間は要したけれども、これまで本市が市長、議長ともに再三再四、国に要望してきた内容は、ほぼ網羅された予算措置であると考えます。本市選出の郡代議士が政府側の震災復興対策本部長であり、財務大臣は安住代議士であり、財源問題の調整をはじめ与野党とも相当に汗を流した結果、成立した国の第三次補正予算でありますが、その内容に関して、先ず市長のご所見を伺います。
②
また、第三次補正予算には、当初から本市も要望してきた、自治体の裁量に委ねる使い道の自由度が高い復興交付金があり、防災集団移転促進事業、農業農村整備事業、道路整備など新たな地域づくりに必要なハード事業を幅広く一括化したものです。復興事業を進める上で使途の自由度の高い復興交付金は、自治体の調整力が問われます。本市東部地区の復興と再生にいかに活用できるか、被災地復興の先陣を切り、交付金を活用した復興事業の先例となる、震災復興交付金の活用についてご所見を伺います。
③
また、被災して新たな借金を抱え再建の見通しがつきにくい零細企業や農林水産事業者などを「二重ローン」問題から救うための二重ローン救済法が、みんなの党を除く各党の賛成多数で成立しています。復興の機動力に関わるものだけに、速やかなる救済実施にむけては、引き続き国の第四次補正予算の早期成立を求めていくものですが、二重ローン救済法の成立と本市の対応についてご所見を伺います。
④
発災から既に8ヵ月を過ぎ、季節は冬を迎える中、本市の本格的な復旧復興に向けた事業の実施は、一日も早く進めていかなければなりません。それには津波被災地区、宅地被災地区をはじめとした復旧と復興に、人とモノを集中させた市の事業執行体制の確保が不可欠です。先ず被災者への復旧・復興事業制度の周知と手続き事務に即着手し、速やかな事業の実施が可能となるための市の事業執行体制をお伺いいたします。
⑤
また、本市震災復興計画の計画期間は5年でありますが、国が示している復興の基本方針では、当初五年間を「集中復興期間」と位置付け復興期間は10年としています。復興はこれから5年、10年、15年と長き道程となる歩みには、本市が早期の設置を求めてきた「復興庁」の設置が必要であると考えます。現在まで国会で審議中であり、本市に限っては時機を逸したとの声も無いわけではありませんが、本市のみならず、被災地東北全体の着実な復興の進捗管理上、本市に「復興庁」の設置を求めることについて市長のご所見を伺います。
⑥
次に、震災復興計画案における「100万人の復興プロジェクト」の10項目のプロジェクト各々について、以下に質問してまいります。
1. 先ず、津波防災・住まい再建プロジェクトでは、研究機関で示された津波シュミレーションを根拠として、防潮堤から防災林、小高い公園、6メートルかさ上げする県道塩釜亘理線、避難施設、そして東部道路と多重防御の観点に立って示されています。そこで海岸線が連なる多賀城市や名取市との防御の連続性が図られ、それら隣接自治体の復興計画とどのように整合性が図られているのでしょうか。
政府の地震調査研究推進本部は25日に、この度の大震災を受けて見直した地震の発生確率の長期予測を公表しています。それによれば、今後30年以内に津波を伴うマグニチュード8クラスの地震発生確率は30%であり、震災前の予測よりも10%も高くなっていることは新たな不安要因であります。津波防御に関する近隣沿岸部自治体との整合性の確保についてお伺いします。
2. またこのプロジェクトでは、復興公営住宅の早期整備が求められると考えます。集団移転と住まいの確保は一体であり、移転後の想定として復興公営住宅の入居者は高齢者世帯が少なくないものと思われます。したがって、集団移転を促し住まいを確保していく上で、復興住宅の整備に、高齢者世帯に対応するためのケア付き住宅の整備も含めた
3. 次に、市街地宅地再建プロジェクトでは、国の補正予算成立を受けて、即座に制度の活用と手続き復旧工事の着手に向けた制度の正確な情報提供と住民説明会の開催が求められるところですが、どのように具体的に宅地再建に向けて進めていくのかお示しください。
4. また、復旧工事は冬を控えて可能な限り即時性が求められます。スピード感ある対応には、市役所担当の人的な充足も必要なところであり、また申請手続き完了後は、一気に工事発注が集中するため施工事業者の確保も容易でなくなることが予想されます。手続きは終われども待っても待っても工事やさんは来ないというような事態が想定されるだけに、それを回避する手立てがあればお伺いします。
5. 次に、生活復興プロジェクトの鍵は、各地域を包括したケアシステムをどう構築していけるかであると考えます。本市では、次年度からの新たな高齢者保健福祉計画を現在策定しているところであり、年内にパブリックコメントを得て中間案をまとめることになっていますが、生活復興プロジェクトを進める上で、地域包括ケアシステムの積極的な展開と高齢者保健福祉計画の連動が必要であると考えますがご所見をお伺いします。