朝夕めっきり寒さが募り、今年も残すところあと2か月ばかりとなった。アメリカ発の金融不安によって日本の株安と円高が進み、景気動向は不安要素が尽きずここ一週間、溜息ばかりの政界と経済界である。
私は民主党宮城県第二区総支部幹事長の立場で、今月末から来月中旬までを想定して来るべき政権交代へ向けた戦いの準備を進めてきた。けれども、現内閣支持率の低迷に加えて、想定を大きく超える株価暴落と円高の進行により、政治日程は不透明となってしまった。
経済界各界では、年が越せるかどうか大きな不安の中に一気に置かれるようになってしまった。仙台市としても、法人税や事業税などの税収見込みは一気に暗くなり、来年度予算編成の前提が険しくなるばかりである。
経済が極めて不安定で見通しが立たない中で政治日程をどうしていくかは、それ自体が政治の責任であり、国を預かる政治家の腕の見せ所なのだと率直に思う。解散総選挙の判断は首相の専権事項だが、このままではそのタイミングと判断はますます難しい環境になってくばかりである。
マスコミ各紙を見てもテレビの解説を見ても、こちらの見方あちらの立場とどれも一理あるだけに、決断者である首相の苦悩も全く分からないわけでもない。しかしながら、国の経済が破たんしないように最善の努力を尽くしていくことに、国の政治を預かる者に与党も野党も関係ないはすだ。国が倒れても政治家が生き残るような愚かさは、今時のわれわれ国民の姿ではありえない。
緊急経済対策を十分に仕上げて、早急に国民に信を問うべきであった。総選挙を控えての年末年始は、一層景気を冷え込ませて行く。鳴り物入りでスタートした「仙台宮城観光キャンペーン」も嵐の中での本番となっている。
このままその日を先送りだけして政権が変わらなければ、悪い条件が複合的に増幅されて、日本国の経済がメチャメチャになってしまうのでないかと心配するばかりだ。政治が国を壊しておいてどちらが政権与党だ野党などでは、国民の意識は政治からすっかり離脱してしまう。
国民がいま最も求めている暮らしの安心「医療や年金、介護などを柱とする社会保障制度改革」は、政治への信頼が無くては絶対不可能なことなのであり、この度の不決断によって国民の心が政治から離れたならば国は滅び往くのである。私安孫子雅浩は強く深い憂いをもって、以上申し上げる。