あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

1月30日 高知市/南国市視察

2009-01-30 | 国際・政治

Cimg4262 高知市教育研究所(アスパルこうち)青年センターとの複合施設にて調査。
高知市議会議事調査課調査係職員に担当いただき、同研究所横田妙子所長より「不登校児童生徒対策」について研究所の機能とともに、高知市の取り組みについて御説明を受けた。

高知県内でも特に高知市の不登校数が多く、不登校対策を市の合言葉にして取り組んでいる。
アスパルは平成19年に落成。高知市も相当な財政難の中、市の合併特例債を活用し、建設費約16億円を賄った。
建物のデザインや建物内も、木材を多用するなど柔らかく優しいイメージを重視している。

Cimg4258 市内には生活困窮家庭が少なくなく、経済的な要因による家庭の不安定さも、不登校が多い原因のひとつになっている。
各学校単位の対応には教員の負担は大きく、教育研究所を拠点に教育委員会が不登校対策に取り組む姿勢を打ち出している。今年度、国の補助事業であったスクールソーシャルワーカーの配置は効果的であり継続に期待している。

地方地域経済の低迷と景気の後退は、子供たちの生活環境と教育環境に大きく影響していき、格差社会が進むほど義務教育の現場も大変になっていく。スクールカウンセラーの配置や適応指導センター児遊の杜の取り組みなど、仙台市の取り組みと比較しながら視察。
館内を視察し、利用している子供たちの姿にも接した。来館できる子供たちと来館できない子供たち。訪問指導の充実も求められている。

南国市立国府小学校にて食育教育の実践について調査。
北村校長先生、坂本教頭先生、学校管理栄養士から御説明を受けた。

Cimg4265 視察先の選定は、会派同僚議員が、市議会調査特別委員会において食育は高知県南国市の取り組みが全国のモデルケースであると助言を得て視察にいたった。
国府小は明治の学制公布とともに開校、創立130年を超える小規模校。
南国市は高知市に隣接、高知龍馬空港にも近い。

児童たちの笑顔あふれる「給食の取り組み」一年間の報告をパワーポイントを使いながらお聞きした。
南国市教育委員会「食に関する指導計画」のもと、
低学年は野菜作り食農体験/買い物学習、高学年では郷土料理づくり/稲作体験/味噌作り体験を授業と関連させておこなっている。
地元地域の生産者との日常的な交流も盛んであり、子供たちの食のアドバイザーであり、給食を介在して地域との結びつき、学校と地域との連携も深まっている。

Cimg4264 昼食の時間となり、校長先生、栄養士さんと一緒に給食をいただいた。
四年生児童が献立を決めたメニュー。うどん/サラダ/ちらし寿しご飯を牛乳、ゆずゼリーと一緒にいただく。これで240円也。食べる子供たちの笑顔が想像できる、おいしい給食でした。ご馳走さまでした。
米飯給食が中心でパン食は月一回のみ。

食を作る生産者を敬愛する気持ちも子供たちは持っているとのこと。一年生のクラスを見学したが、元気いっぱいしっかり食べている児童の姿がとても輝いていた。また子供たちの目の前には七草を備えていた。給食は教育なり。


1月29日 宇和島市視察2日目

2009-01-29 | 国際・政治

002_2005宇和島市視察2日目。池田友信議員も合流し、重要文化財宇和島城市立伊達博物館を視察。  宇和島城は、1615年伊達家入部前に藤堂高虎が創建したものを修築。宇和島市議会議会局長と係長に同行いただき、城内を歩きながら、教育委員会文化財保護係廣瀬学芸員から説明を受けた。
平成6年から保存整備事業に着手。黒門矢倉や追手門は、戦時に空爆で焼失し天守閣が残る。登城口から急な石段が天守閣方向へ続き、
風情漂う苔むした石垣とともに往時が偲ばれる。

006 堀は全て埋められ幹線道路となっているが、宇和島港を眼下に望む島城であった。宇和島港には宇和島水産高校があり、海洋実習先での悲劇は8年前であった。御霊の安らかなる御冥福をお祈りいたします。

007天守閣内には、七代藩主宗紀八代藩主宗城の肖像画が掲出されている。時代は倒幕運動から大政奉還へ、仙台藩は八代藩主に歴史的な恩義があるのだと池田議員に教えられた。
宇和島市立伊達博物館では、本田耕一館長に迎えていただいた。藩祖秀宗から現在13代目宗信まで、宇和島伊達家系図の説明から始まり、代々の甲冑や掛け軸、書などを見せていただく。我われ視察団のために、所蔵庫から正宗公が秀宗に贈った紫舟(香木)と小茄子茶入、書状を特別展示していただいた。池田議員の解説によって館長/学芸員共々に拝見した。正宗公が、遠く離れた地の
息子を思いやる強い情愛のかたちだそうな。

009010また、七代藩主宗紀が、百歳の天寿をまっとうするまで退隠の場所とした天赦園は、幕末に西郷隆盛や大村益次郎など勤皇の志士との会見がおこなわれ、宇和島藩の国事斡旋の場所なのだった。園内で昨年10月に宇和島から来仙された職員と出会った。

視察2日目は、400年前の仙台と宇和島の歴史的ルーツを視察する貴重な機会となった。両市は、歴史的姉妹都市となり交流を深めて既に30数年。7年前の仙台開府400年祭の時や、昨年秋の仙台・宮城DCの際には、「八ツ鹿踊り」とともに宇和島市から交流団として来仙され、市民交流を深めている。003 今年は仙台市も市制施行120周年、政令市以降20周年である。このような市政節目の時は、本市と姉妹都市とがさらに親交を温め、未来に関係を継承していく好機である。
宇和島市議会事務局の皆様2日間お世話になり、誠にありがとうございました。


1月28日 宇和島市(歴史的姉妹都市)訪問調査

2009-01-28 | 国際・政治

仙台藩祖伊達政宗公の長子、秀宗公が1615年に宇和島藩十万石を開いた。昭和50年から仙台市と宇和島市は、歴史的姉妹都市関係にある。昨年8月には、宇和島市議会正副議長が来仙されている。また昨年10月、仙台・宮城DCキャンペーンの際、宇和島市商工観光課を中心に約30人の団で来仙し、郷土芸能「八ツ鹿踊り」の披露と市民交流を深めている。

宇和島市役所議会棟にて、議会事務局より河野局長にも同席いただき「宇和島地域ブランド化推進事業」(事業期間19年から21年)や防災・災害対策等について調査。
担当は、産業経済部商工観光課常磐課長補佐と危機管理課土居係長。

地域経済環境は、厳しい南予地域において、地域資源のブランドの創出・既存産業の高度化、そして交流人口の拡大を目指すもの。

002宇和島真珠を産業活性化の切り札としてデザイン化に取り組み「海の恋人まつり」も開催。祭りは商店街への誘客仕掛け作りを行う。真珠取引は、かつて300億円(平成4年頃)生産高が60億円へ5分の1に縮小してしまっている、現状からの打開策。

県内でも今治市や新居浜市とは異なり、職安の求人倍率は0.5以下の現況。JR駅前には、立派なアーケード商店街[きさいやロード]があり「市民サービスセンター」も開設されているが、シャッターが下りたままの店舗が少なくなく、人通りも少ない。若年層を中心とする人口の流失と地場産業の衰退への方策は厳しい。

関連事業として「地域再生マネージャー」では、ANA全日本空輸株式会社と地域協働協定を結び地域再生を図っている。小林マネージャーへのマスコミ注目度は高く、真珠を身に着ける「パールビズ運動」を推進中。市役所職員も皆さん真珠を身に着けていたのは印象的。

また「防災・災害への取り組み」について危機管理課から自主防災組織、消防団、南海地震を想定した各種防災訓練、総合防災マップなどについてヒアリング調査。
地形的な特徴として、海岸線はリアス式海岸であり平地は限られているため、津波対策と土砂災害対策、避難訓練が課題となっている。
飲料水の自販機は、公民館などに25箇所に「地域貢献型」として設置。

001 その後、本会議場を見せていただいた。傍聴席がいっぱいになったケースは、島への架橋設置の案件があり調査費が認められたという。

議会事務局局長、次長そして担当課の皆さんありがとうごさいました。明日も午前中お世話になります。


1月25・26日 原発と六ヶ所村の視察

2009-01-25 | 国際・政治

会派所属議員11名と東北電力グループ職員労組とが合同で二日間視察をおこなった。001_2
007_2視察先は、日本原燃六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)と東通原子力発電所(同東通村)。そして六ヶ所村役場で副村長と懇談することができた。
エネルギー政策は国の基本政策であり、電気をふんだんに使っている快適な私たちの現在の生活水準はどうやって確保されているか、
電力需要の3分の1を賄っている原子力発電の現状を視察し、原発政策と重要性について再認識することができた。

政治は現実であり、民主党は「政治は生活である」と謳っている。これから能力を拡大していく東通原発とウラン再処理工場六ヶ所村の現地視察は、政治の役割を考える良い機会になった。
私たちの生活に不可欠な施設なのだが、迷惑施設である。けれど地域内、国内
いずれかに設置しなければならない施設。どこかの自治体が施設を受け入れなければならない。総論には納得しても、現実論になると反対となるのが自然なこと。されど答えをださなければならない政治の役目となる。

004現実の当事者は住民ですが、反対派は全国区であり、マスコミ報道による世論形成力はいつも大きいもの、その中にあって火中の栗を拾う人物を世間は政治家と言う。


1月21日 健康福祉常任委員会

2009-01-21 | 国際・政治

米国で民主党オバマ新大統領が就任した日に市議会常任委員会。

審査事項は「市立病院について」・救命救急センターについて過去5年間の状況について資料とともに説明あり。救急センターの利用件数は5年間で5000人も増えている。36床のベッドは24時間稼働し続けているが、公立病院の使命として、今後、新病院建設へより市立病院救急センターは市民から期待されるところ。

Hsp1013センター機能の充実には、医師はじめ医療スタッフの充足が欠かせないが、診療科目別では、夜間帯を中心にやはり小児科が一番多い。そしてここ3年で3倍に激増しているのが、産婦人科である。公立病院は現在の医療環境問題の受け皿にならざる得ないが、救急センターの医師の確保充実に間もなく仙台市にやってくる150億円の「定額給付金」なるものが、その活用を自治体の裁量に委ねられたならと思う。

協議事項では、児童館の民間公募について。児童館の開館閉館時間の延長について女性議員二人から質疑があった。どうして一律定時で館ごとに開館時間の自由を認めないのか、設備の老朽化対策ができないのかなどであったが、これもその財源には「定額給付金」なるものが使えれば改善できるのだ。

また、障害者自立支援計画は4月から新たな計画期間だが、その素案が協議事項に今回出され、その後、市民意見を得て、最終案をまとめて4月からスタートさせるという年度内ぎりぎり窮屈極まりない時間での作業である。3年前から計画の改定は決まっていながら何故こうなるのか。計画の基になる国からの提示が、今年になってからだったからである。これも国の都合によって、市民福祉の最前線にある自治体行政が迷惑をしている事例である。

Wor1001協議事項以外のその他で、私は以下の要旨で健康福祉局長に所感を求めた。[オバマ大統領の就任に米国の可能性と底力を見せつけられたが、翻って今日の日本の国政は淋しいかぎりであり、話題の「定額給付金」はいくらでも有効活用できる案件がありながら、路上生活者まで含めて100%給付は手間暇が大変なばかりである。国からの指示に従うしかない自治体職員の立場にお悔やみ申し上げる]と。

アメリカはチェンジして再生にむけた船出を宣言した。一方で我が国の今日はどうなっているのか。政治も経済も三流な国に下ってしまっては決してならないのです。「危機的状況からの脱却へ、その当時者は誰彼なく国民市民全員が意識をもって当事者であることを自覚しなければならない。」私が読み取ったオバマ大統領就任演説の意味するところを、常任委員会の場でも考えました。