あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

140年の歴史的継承 弔魂碑改修

2011-07-27 | 国際・政治

002 時は幕末、戊辰戦争と函館戦争で犠牲となった千二百余の御霊を弔う弔魂碑が、仙台藩祖伊達政宗公が眠る瑞鳳殿の隣にあります。明治10年の建立から時を経て、碑は朽ちていましたが、今度、仙台藩志会をはじめ関係者の尽力により、改修され落成式を迎えました。

碑は鉄製であり、その躯体は相当に朽ちていたが、3.11の大震災時には、改修工事を終えて落成式の日を待っていたのでした。もしも、改修の段取りになっていなかった006ならば、碑は間違いなく3.11に倒壊していたのでした。

仙台藩志会参与、元仙台市議会議長の鈴木繁雄氏が祝辞。今日の仙台市に生きる私達は、先人の御霊に礼を尽くし、過去には奥州征伐や戊辰の役、そして今回の大震災が発生したが、東北の底力により必ずまた乗り越えられると誓うご挨拶。007

碑の改修には、東北大学金属材料研究所の世界先端の学術の粋がありました。金属ガラス研究センターの後藤孝先生を中心に、各専門教授がプロジェクトチームとなり仙台(千代)千年保証の弔魂碑がお目見えしたのでした。学と官と歴史の新しい連携のかたちを140年の歴史が導いてくれたのです。


常任委員会 震災復興について協議

2011-07-21 | 国際・政治

003_2 健康福祉局所管の震災復興について審査。津波被災地区の特養ホームや障害者通所施設等の、再建・復興状況を確認。私からは、①これら壊滅した施設の除去除却について。法人負担とならないように ②施設は箱モノの再建のみならず活動内容の復活が叶うように行政の応援を③東部地区の老人福祉施設の再整備について。復興計画のまちづくりのあり方に深く関わること。3点を質疑しました。

また、プレハブ仮設住宅の入居者は、障害者や高齢者の比率が高くなるため、仮設住宅地区へのケア体制・ライフサポート環境は行政の役目であること。

先月、介護保険法が改正された。その柱の一つは「地域包括ケアの推進」だが、今回の震災で、地域福祉の温度差とともに一人暮らし高齢者等の支援の課題も明らかになっている。被災自治体としての「地域ケア体制」の構築が肝要てある。

来春からの新たな介護保険事業計画と高齢者保健福祉計画の策定作業は、時間的な制約が大きい。被災により家族介護・居宅介護が不可能な世帯が増えるなど、施設ニーズは高くなることを踏まえた、施設整備計画とともに高齢者用住まいのあり方への視点が基本となる。などを質疑しました。

最も長かった委員会は総務財政でした。

次回は8月3日に、震災復興会議(全議員で構成)を開催予定。


東北地方自治体議員研修会に参加

2011-07-18 | 国際・政治

民主党東北地方自治体議員フォーラムを宮城県連が開催県となり秋保にて開催。
東北六県の民主党所属地方議員(参加定員100名)が参会し、2日間にわたり研修会を開催。
開会にあたって、来賓として仙台市稲葉副市長にご挨拶いただき、昨日までの六魂祭の開催の御礼とパレード中止等の不手際へのお詫びも含めての挨拶。

以下に、研修会の内容を私のメモにより紹介いたします。

基調講演の1は、藤原のりすけ宮城県議より、「宮城県の復興プランについて」
・今回の災害は「国のかたち」を大きく変える規模のものであり、「復興」とは災害前の状態に復帰することではなく新たな形でより強い日本を創造するものである。
10年間平成32年度を復興の目標年次とする。
災害に強いまちづくり宮城モデル 公共施設の高台移転 職場と住居を分ける「職住分離」 道路や鉄道に堤防機能を持たせる「多重防御」命の道となる道路の再整備。
先進的な農林業の構築 ものづくり産業の早期復興

地域を包括する保健/医療/福祉の再構築
再生可能なエネルギー活用のエコタウンの形成 宮城の未来を担う人材の育成
石巻市に600万トンの瓦礫処理(仙台市は100万トン)宮城県1800万トンの処理費4000億円
仮設住宅プレハブ住宅の建設単価が約2倍に高騰。
義捐金支給の遅延の原因は、役所の公平性を担保する手続きによるもの。
腹を括らない首長の問題。

基調講演の2は、長谷川公一東北大学大学院教授(専門は環境社会学)より「エネルギー政策転換について」

脱原発を唱える学者 火力発電所で原発分は置き換えられ比較的やりやすい。過剰設備と思われる女川と東通の設備。米国サクラメント電力公社の例。
東北電力管内で、原発をゼロにできる。火力の発電量が少ない(17%)のて゛、火力発電量を53%に増やせばいい。電気代は燃料を石炭と石油を主に使用すれば高くならない。女川を再稼動させなくとも、火力発電を当面は天然ガスで補うことにより、理論上は可能。ただし東北電力との議論はしていない。
日本全体で原発をゼロにできる。火力発電所の設備稼働率は現在5割以下であり7割に高めれば、原発分を代替できる。ただし二酸化炭素の排出量が16%増加する。
再生可能エネルギーでどこまで置き換えられるのか。長期的には風力発電だけでも将来的には代替できる。2000キロワットの風車を約10000本設置できればいい。一基20億円なので20兆円の設備費が必要。しかし、県内には適地はない。毎年1000本もの風力発電機の設置ができるかどうか。当面は天然ガス燃料による火力発電で継続させるべし。
風力発電の採算性は、買取価格法案の通過により、売電により3年程度で2億円の回収が可能。菅首相頑張れと激励する長谷川氏。
節電は発電である。東北大学も学舎全体として18%の節電に取り組んでいる。国内で7.5%の節電をすれば、原発は11基不要になる。10%節電により原発は14基も不要になるという。
菅首相の提言を擁護する内容
**数字を提示して理論的にという原発不要論の展開。こんなに明快ならば今日に至るまでに、火力依存への切り替えを一つでも実施できているだろう。これらの話しを真面目に受け取る国会議員がいるとしたら怖いこと。

基調講演の3は、末松義規内閣府副大臣(宮城県現地対策本部長)より「地域産業の復興政策について」

財務省に頼んでも最低限の予算しかつけてもらえない。防潮堤は6.2メートルのプランが国交省にあり。減災の視点と高さ。
地盤沈下地区の土地のかさ上げ対策は国費でやる。
港の後背地の水産加工施設は民地対策になる課題あり、まだ未決定。排水機能の強化と不可能地区の判定。

農地対策
使用か放棄かの査定、判断の落としどころを調整中。膨大になる費用の算出と防災のまちづくりへの考え方。
農地汚泥の調査と生産物の市場流通の補償。

地盤沈下地区の対策
港地区、渡波、湊、防災集団移転事業の推進。高台移転と個人負担の解消策。国が買うのか、自治体が買い国が補助するのか。移転費用の補助を4分の3ではなく全額にしたいと考えている。 高台にビルを建てて避難ビルにする提案あり。
市町に対しする国のヒアリング調査を行う。総額計算も困難な状況から把握に努める。

津波被災地区のまちづくり
中小企業復興共同化事業あり。10億円から100億円に中小企業支援関連を拡大する。第三次補正予算に期待してほしい。

特区構想
税調内の意見あり、被災地の事業税10年免除などの優遇論。企業を被災地に繋ぎ止める策としての特別減税論。
第三次補正予算で示される、東北地方への特区制度への期待あり。
新たなコンセプトをもった、まちづくりによる土地価格の向上を目指す考え方あり。

分科会は、第一「復興プランづくり」
第二「エネルギー政策転換」
第三「地域産業の復興政策」
第四「女性と防災」のテーマに別れて開催され。
   私は第二分科会に参加。座長は福島県の本田県議
朝日新聞の社説。202万県民のうち8万人が避難中という現実。福島の事故から我々は何を教訓とするのか。
ドイツとイギリスは、原発を減らしながら、二酸化炭素の削減目標(京都議定書)をクリアしている。
広野町(原発25キロ圏の避難者)議員より、脱原発を訴えたい。山形県と滋賀県知事は脱原発を宣言しているが。
東北自動車道沿線は避難勧告圏とできない都合。
大潟村議員3300村人。マグナス風車の開発会社があり2基稼動中。自然エネルギー開発の誘導策が必要。東北大学にも「風力」の専門家はいない。
福島県議より、脱原発への提言を進める。水力発電の可能性はどうかタービンの更新を検討できないか。技術開発は遅れている現状にある。小水力発電は必要な視点。

私から一つ、会場に投げかけました。長谷川先生が講演で示した、風車の年間1000基建設、10年間で10000基の設置とは現実的なのだろうか。すでに設置して壊れて立ち枯れている風車は公害である。設置箇所も含めて、日本の風景が壊れるというイメージを持つことも肝要でないか。風力先進地のヨーロッパとは土地・風土が異なるのであり、「東北六魂祭」の閉幕式で皆で唄った「ふるさと」の歌詞にある日本の風景を、エネルギー政策によって壊されることが国民として許容されるだろうか。

*第二分科会は、原発事故の福島県、原発立地の青森県からの参加者が多く、脱原発と代替エネルギーのあり方についての長谷川教授との質疑の場となった。 とにかく脱原発論ではなく、現実的なエネルギー政策の展開こそが政治の責任なのだ。

以上、議員フォーラム一日目は1時から始まり6時に閉会となった。

二日目は、全体講演 前福島県知事 佐藤栄佐久氏による「福島第一原発事故とは何だったのか」の予定

その後 民主党選対委員長により統一地方選挙についての意見交換会が行われる予定。


なでしこの大輪が海の日に咲きました。

2011-07-18 | 国際・政治

1海の日の早朝に、なでしこジャパンが成し遂げました。世界一の誉れをキャプテン澤穂希選手とチームなでしこが、その栄誉を得ました。稀な稲穂という澤選手の名前そのものに、日本の実り々とした稲の中から有な選手がチームの原動力となり、世界一の栄冠を、今日の険しい日本国にもたらしてくれたのです。

なでしこJAPANの皆さん、被災地を元気づける最高の結果をありがとうございます。レギュラーで大活躍したディフェンダーの2人鮫島選手と優勝決定のPKを冷静に決めた熊谷選手仙台市の私立常盤木学園高校出身です。

体格も大きく違い、パワーも違う世界一高い壁に、日本女子は憶することなく立ち向かい、最後まで走り続けパスを繋ぎ続けました。監督曰く「このちっちゃな娘たちが粘りに粘って」と、この試合後のインタビューの一言に、感動が凝縮され、涙がこぼれた朝でした。

サッカー女子日本代表の監督・スタッフ・選手たちは、今回のワールドカップ大会を通して、我々被災者へ全身全霊を込めて大被災に負けず、前へ進む勇気と希望の道しるべを示してくれたのだと思います。頑張ろう被災地!ありがとう日本。


農業委員会の津波被災農地視察

2011-07-15 | 国際・政治

005 農業委員会の農政部会による被災地農地視察荒浜、井戸浜、藤塚、018岡田など、集落ごと津波に襲われた地区の4ヵ月後の農地を視察調査。名取川沿いでは、未だに水も引かずに、潰れたトラクターと、ゴミ収拾車。

008 名取川の対岸は、名取市閖上地区。街並みが全て消えた言いようのない空間に、がれきの山のみが立っている。

013_2 二郷堀排水機場も壊滅。市内東部地区に不可欠な、排水機場4ヵ所の復旧には150億円の試算。農業用水のためのみならず、合流式雨水排水機能も担っているため、復旧しなければ大雨時に市内冠水の危機もあり。農地の回復のみならず市民生活の安定にも早急な復旧が待たれる排水機場で、渡邉龍彦会長。委員の皆さんからも、安孫子は政権党の議員のはずと暗に念を押されました。011 土地改良区の理事長から説明いただく。

1107156営農組合として試験的に稲の成長を見ている。代掻き3回以上で、塩値は下がるが、水を切ったら塩が上がるかどうか、除塩効果を試す化学肥料も投入中。稲の根が伸びて、水を抜いた後からの生育はどうだろうか。022 塩害に強い稲を診るために、36種の稲の生育を試験管理中。実にいろんな名前の稲があるのでした。

先月下旬から始まった畑の中の瓦礫除去作業が進んでいる一方で、田には雑草が伸びて、遠目には、水田の緑かと錯覚してしまいます。瓦礫と汚泥をどこまで除去して、塩害に負けない稲が青々と伸びる日を農家の皆さんは待望しています。

仙台市の食料生産地帯である東部地区の再生と復活に、国政と市政とがっちり連動して進めなければならない課題は多い。市長は、来月には東部地区の建築制限を図りたいとしているが、その前提になるのは国の財政的裏付けなのです。

期待薄の第二次補正予算でどこまで担保されるのか、また第三次補正を秋まで待たなければならないのか。しかし、農家の方々は四季と共にある生業なのであり、待ち続ける時間には限界があります。東部地区再生の方針決定が延びるほど、農業者の営農意欲は減退していくことを私達は深刻に考えなければなりません。