4日目・最終日 8時に発ち、吉林省人民病院を視察。東北大学病院で5年研修し た劉平夫先生(中医腎臓内科主任)が対応してくださる。
市内中心部南に位置し、敷地内には7棟の病院棟が建つ。外来患者数約2000人/日、入院患者数1500人。市内の病院は規模の大小によって4種類あり、同病院は最上級の特級に次ぐ三級甲種に位置する。病院この運営は公費負担は半分で自立的経営が半分。同じ治療でも病院のランクによって診療費用は異なる。たとえば同じ点滴注射でも病院によって2倍の診療費になるという。
入院棟は基本的に2人部屋。ベット稼働率は約90%。 ベットとテレビと見舞い者用の椅子が室内に置かれているだけの日本から見ると殺風景な室内。
中国の病院はどこも患者さんが殺到して医師は忙殺されている姿をイメージしていたが、長春市の基幹病院のひとつである当病院は、外来棟は5階建ての大きな中庭があり、各階の診療科には各部屋前に数人の待機者がいる程度でゆったりとした病院内となっていた。
外来棟入り口にも入院棟入り口にもタスキを掛けた案内係りの看護師が待機している。患者が殺到するのはより先端の診療を求めた大学病院であるという。ちなみに、吉林大学付属病院は第一から第三まであり、 第三病院は「仙台大街」にあって、確かに病院周辺は渋滞地域になっていた。また、日本国内のような産科や小児科の医師不足問題はないとのこと。
医療保険への加入も一律でなく、診療費用も病院によって異なるなど中国の医療制度は、今後どのような道筋を辿るのか興味深いが、高齢社会国家の先を行く日本の医療制度は世界から注目されている。
長春市図書館にて仙台市写真展を視察。于雅彬主任に対応いただく。同図書館の開館百周年を記念しての展示企画の一貫として開催。昨日は約900人が入場したとのこと。30年の両市の相互交流の足跡が写 真からあらためて読み取れる内容の展示。25周年時には故桜井副市長と柳橋議長の姿。20周年記念表敬団の一枚には故藤井市長と10年前の私。
展示室手前の自習室には子供たちが真剣な姿で勉強中。夏休みの図書館は何処も同じ光景。
その後飛行場に向かい(昨日通行した道路冠水は何もなかったかのように復旧)正午発の便で仙台に帰着。帰りもほぼ満席。同便には、仙台と同じく長春の友好都市・金ヶ崎町へ日本語研修のホームステイ に向かう長春文化学院日本語課の5人も同乗。
友好都市交流30年は尊く重いもの。都市個性の共通項が多い両市として今回の30周年記念交流を節目として、今後新たに地方都市外交のモデルとなるように相互の友好交流を深めていくべきと思う。また個人旅行ビザの解禁によって、両市の友好交流がますます加速するように議会からの働きかけも進めていきたい。