あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

人民病院の視察と仙台写真展へ訪問

2010-07-30 | 国際・政治

4日目・最終日 8時に発ち、吉林省人民病院を視察。東北大学病院で5年研修しCimg9555劉平夫先生(中医腎臓内科主任)が対応してくださる。
市内中心部南に位置し、敷地内には7棟の病院棟が建つ。外来患者数約2000人/日、入院患者数1500人。市内の病院は規模の大小によって4種類あり、同病院は最上級の特級に次ぐ三級甲種に位置する。病院こCimg9568の運営は公費負担は半分で自立的経営が半分。同じ治療でも病院のランクによって診療費用は異なる。たとえば同じ点滴注射でも病院によって2倍の診療費になるという。

Cimg9564 入院棟は基本的に2人部屋。ベット稼働率は約90%。 ベットとテレビと見舞い者用の椅子が室内に置かれているだけの日本から見ると殺風景な室内。
中国の病院はどこも患者さんが殺到して医師は忙殺されている姿をイメージしていたが、長春市の基幹病院のひとつである当病院は、外来棟は5階建ての大きな中庭があり、各階の診療科には各部屋前に数人の待機者がいる程度でゆったりとした病院内となっていた。

Cimg9567 外来棟入り口にも入院棟入り口にもタスキを掛けた案内係りの看護師が待機している。患者が殺到するのはより先端の診療を求めた大学病院であるという。ちなみに、吉林大学付属病院は第一から第三まであり、Cimg9445 第三病院は「仙台大街」にあって、確かに病院周辺は渋滞地域になっていた。また、日本国内のような産科や小児科の医師不足問題はないとのこと。

医療保険への加入も一律でなく、診療費用も病院によって異なるなど中国の医療制度は、今後どのような道筋を辿るのか興味深いが、高齢社会国家の先を行く日本の医療制度は世界から注目されている。

Cimg9570 長春市図書館にて仙台市写真展を視察。于雅彬主任に対応いただく。同図書館の開館百周年を記念しての展示企画の一貫として開催。昨日は約900人が入場したとのこと。30年の両市の相互交流の足跡が写 真からあらためて読み取れる内容の展示。25Cimg9572周年時には故桜井副市長と柳橋議長の姿。20周年記念表敬団の一枚には故藤井市長と10年前の私。

展示室手前の自習室には子供たちが真剣な姿で勉強中。夏休みの図書館は何処も同じ光景。

その後飛行場に向かい(昨日通行した道路冠水は何もなかったかのように復旧)正午発の便で仙台に帰着。帰りもほぼ満席。同便には、仙台と同じく長春の友好都市・金ヶ崎町へ日本語研修のホームステイ に向かう長春文化学院日本語課の5人も同乗。
Cimg9455 友好都市交流30年は尊く重いもの。都市個性の共通項が多い両市として今回の30周年記念交流を節目として、今後新たに地方都市外交のモデルとなるように相互の友好交流を深めていくべきと思う。また個人旅行ビザの解禁によって、両市の友好交流がますます加速するように議会からの働きかけも進めていきたい。


3日目・日中合弁自動車工場と少年宮の視察

2010-07-29 | 国際・政治

Cimg9470 今朝も8時前にホテルを発ち移動。新幹線にて長春に戻る。北京行きの新幹線は1200キロを8時間で結ぶが、現在建設中の高架線路が完成し供用開始になれば、4時間で結ばれるという。ハルピン長春間も1時間の近さになるという。首都北京に近くなる東北部は発展が加速するのだろうか。

Cimg9520 長春では午後から、自動車工場と少年宮を視察する。視察先までの市内幹線道路は、午前中の豪雨で冠水。中央市場周辺は、膝の高さまで冠水し動けなくなった乗用車と前に出ようとする大型車両とで大渋滞に。Cimg9522視察先に遅刻したが、市内主要道路の交通状況について道路情報が提供されていない事情を知る機会ともなった。急成長する都市と追い着かないインフラ整備(下水排水)を目の当たりにした。

Cimg9525 市長・議長視察団に同行し一汽豊田合弁企業のエンジン製造工場を視察。所長、部長、副部長に対応いただき、工場内視察と、ヒアリング。長春の新車販売市場は2割が日本車。ドイツ・フォルクスワーゲン社が中Cimg9526国の生産拠点工場を長春にあり、単独で2割近くを占める。日本車はトヨタ7%、日産6.5%、韓国現代も6%台を閉める。 同社はトヨタ車との出資比率が半分ずつ。
中国国内は経済成長が続き、まだまだ新車の市場開拓の可能性はある。しかしながら、ここ数年で、一気に自転車が姿を消して自家用車に切り替わったために、交通渋滞や駐車場問題を含めて、交通インフラの整備が追いつかない状況にある。また環境問題の観点からも個人所有の自家用車がどこまで所得水準の上昇に連動して増えていくのだろうか、また今後は都市交通は軌道系整備も進むことになるため、自動車台数の増加にも一定の限界点が見えてくるのでないかと思う。
工場生産体制はトヨタ方式・看板方式として、徹底した効率性を図って生産しているが、労働争議的運動への未然対応も経営の重点課題のひとつになっている。労働者はインターネットを介して行動を起こしていくことへ、経営側として注視している。

Cimg9529 次に、市内天津小学校の隣にある寛城少年宮を視察。書道、体操、算数、作文、音楽、絵画などを月謝を払って放課後に学ぶ第2学校のような位置づけ。(通常の学校の授業時間からさらに子供たちの才能を開かせるたCimg9536めのもの)放課後児童スクールの科目限定有料版のようなもの。たとえば、月4回1回120分授業で月謝100元となっている。
運営は行政府でおこない主任先生はじめ職員は公務員。視察では共産党委員も同行。


30周年記念植樹、黒龍江省都ハルピン市

2010-07-29 | 国際・政治

Cimg9431 Cimg9437 30周年記念植樹を行う。長春市の中心部、仙台大街にあるロータリー公園に赤いアドバルーンが上がり、音楽とともに公園内に赤いカーペットが敷かれた会場。白い石に奥山市長の名が刻まれた記念碑、「ハン」の木を奥山市長と野田議長、副市長、加藤会長、山内局長ともに
Cimg9439 Cimg9444 記念樹の成長とともに末永い両市の友好親善を祈りたい。碑前で訪問団の方々共に、背景の空は曇天だが両市の未来は快晴が続くことを誓う。

会場から駅まで、「仙台大街」を抜けて人民大街を通り、長春市の交通の要衝「長春駅」へ向かう。
交通渋滞が続き、道路には車が溢れている一方で、自転車やバイクが少ない。随分少なくなっていることに驚く。経済成長とともに市民が車を所有する数は今後ますます増加するのだろうが、道路環境の改善が、今後の長春市の発展に大きな整備課題になるものと思われる。Cimg9461 駅前にバスプールもタクシープールも無く、われわれ訪問団も車道上を、端から端へとクラクションに追われながらやっと駅構内にたどり着く状況。駅舎正面入り口付近

Cimg9466駅構内はまた広く、中国製“新幹線”のホームを目指す。長いホームを歩き、建設機械の騒音大きい地下通路を通り抜け、また長いホームを歩くと新幹線が入線。自分の車両までまた歩く。 車内は満席。長春駅前を大きな荷物を抱えて歩いていた人たちとは、異なる人々が車両の乗客。在来線の5倍以上する料金を払いハルピン行きの車両の人々。

国龍江省新世紀国際旅行社有限公司にて、金龍珠社長から観光事業について伺う。(金社長は日本語が堪能)
Cimg9484同社の6人の社員はいずれも日本語が堪能。同社はハルピン市内で最も日本を担当している旅行会社。

ハルピン市は人口975万人、中国で最も北に位置する黒龍江省の省都。友好都市は新潟市。ハルピン新潟便は週4便の路線あり。大阪便は毎日。7月8月は満席とのこと。個人の観光ビザ開放政策の中で、同省の開放は遅く、今月から開放されたばかり。日本国内への観光ツアーのメニュー作りなどのノウハウはこれから。
団体旅行の経験が長かったため、個人旅行対応の観光コースやメニューの開発が未熟である。個人ツアーむけの観光内容の研究が現在
必要なところ。

Cimg9488 国内との手続きやルート開発のノウハウも薄く、手探り状態。同省内の大慶市の油田開発場が近くにあるが、日本との情報の連携がなく、観光資源として有効になるはずとの情報。大慶市は日本国内の交流先をさがしている。
黒龍江省と新潟県との友好関係により、温泉についても新潟県内の情報はあるが、宮城県・仙台市については不案内だったためこちらから紹介する。中国語版の仙台・宮城観光ガイドブックをもとに、仙台・宮城の観光地を紹介する。
個人ビザ開放をビジネスチャンスとするためにも新潟、東京、名古屋、大阪以外の日本国内各地の観光資源情報が現地では欲しいところのようだ

宮城県にも温泉があるのかどうかさえ情報が無かったので、ガイドブックを参照しながら秋保温泉・鳴子温泉などをアピール。

また、長春仙台便を利用して仙台ルートの東北観光モデル開発をしてみてはどうか、こちらから提案。魯迅先生が学んだ土地・仙台を入り口として太平洋側の観光ルートの紹介もおこなった。同社としても、ハルピンから日本の東北地方、日本からハルピンと相互の観光メニューづくりを個人ビザの解禁を受けて、積極的に取り組んでいきたいとのこと。

Cimg9498 ハルピン市の中心市街地を視察。ロシア時代の歴史的建造物が多く残り、中央大街(旧キタイスカヤ)は歩行者天国となっている。平日の夕刻にもかかわらず、多くの市民がリラックスした姿で中心街に繰り出し、スターリン広場まで通じる大街を歩く。松花江沿いには公園が長く広がっているCimg9491が、植栽の管理が行き届き、また多くの人の往来があるにもかかわらずゴミがまったく落ちていない。夜に朝にと放水車が巡回し、道路ロータリーや公園の花々に散水。公園内には健康運動用器具が設置されていてCimg9513 早朝から健康器具がある公園には人がいっぱい集まっている。

Cimg9516 公園界隈の通りでは、体操するグループがいくつもあり、それぞれの音楽にのって体を動かしていた。松花江の滔々とした流れと綺麗に整備された川沿い公園の中で多くの市民が思い思いに時間を過ごしている。ハCimg9510ルピンには漢族以外に多くの少数民族が住み、また旧ロシアの影響も多くうけてきたなど、歴史的な経過はあっても、今日のハルピンは成熟した都市として今後も伸びていくであろうと思う。


中国・長春市友好30年記念訪中団

2010-07-27 | 国際・政治

仙台市日中友好促進議員連盟の立場で、仙台市・長春市友好締結30周年記念長春訪中団として、3泊4日で長春市とハルピン市を訪問。

公式訪問団は奥山市長、野田議長が中心、訪中団の団長は仙台市日中友好協会加藤義雄会長(元仙台市副市長)
Cimg9406 夕方4時に仙台空港発。飛行時間は約2時間強(福岡行きとほぼ同じ時間)、時差は1時間あり現地時間夕方5時に着。機内は満席。日本国内から長春に直接飛ぶ便は仙台と名古屋のみ。

私は10年前の2000年、有効締結20周年の訪問団の際にも、今回同様に友好促進議員連盟の一員として訪問している。仙台の名を冠した「仙台大街」の命名と記念のマラソン大会もあり、当時の私はまだトライアスロンで鍛えた体が残っていて、大会にも出場した。

あれから10年、経済成長著しい中国にあって中国東北部の中心都市(旧満州国の首都「新京」)、長春市はどのようにこの10年で発展したのだろうか。また人々の暮らし向きはどのように向上したのかなど貴重な訪問調査の機会としたい。

Cimg9411 初日は夕刻に到着後、長春市人民政府に表敬訪問、その後、人民政府主催の歓迎宴で交流を深めさせていただく。

中日友好会館・仙台庁にて、長春市長表敬。
Cimg9412 崔傑 市長より歓迎の挨拶(抜粋メモ)「30年の歴史を刻む両市の友好関係に感謝したい。四川大地震の時には仙台市から被災地にと多くの毛布を提供いただいき長春から四川に送らせてもらった。仙台市民皆様の真心にあらためて御礼申し上げる。
長春市は6年前に振興計画をスタートした。中国国内の主要15都市の中で、長春市は経済力指標等で下位のほうであったが、現在では振興計画の推進によって上位に位置するようになっている。市の昨年の経済成長率は15%だったが今年は20%の勢いで私も笑顔が絶えない。」
同席者・龍華人民代表大会副主任 管樹森政治協議会議副主席 王宇政府外事弁公室主任 王樹彬教育局長 斉国華衛生局長 曲笑文化局副局長など

奥山市長から(抜粋メモ)挨拶「15年前に訪れて以来、大きく発展した長春市を再び訪れることができた。今月は長春市から芸術団も仙台市を訪れている。
今回は、発展著しい長春の自動車産業も視察させていただく。友好都市締結30年を節目として、今後さらに長く深く交流を深めていきたい。」
Cimg9451 同席者は、野田議長 加藤義雄仙台市日中友好協会会長 日中友好促進仙台市議会議員連盟柿沼会長 同辻幹事長 同安孫子 山内仙台市企画調整局長 仙台市日中友好協会武智事務局長ほか同協会理事6名の皆さんCimg9418 Cimg9421Cimg9423

豪華庁にて長春市主催歓迎会。市民訪問団の皆さんも全員出席し交流を深めた。奥山市長、野田議長の挨拶。崔市長を囲んで。


会派視察 浜松市内日本一のファクトリー視察

2010-07-24 | 国際・政治

会派視察 浜松市内 うなぎパイ本舗ファクトリー視察

Cimg9387_2 日本一の年間50万人の来館者がある株式会社うなぎパイ本舗の見学用製造工場
館内説明の後、同社直営部原田部長からお話を伺う。同ファクトリーは浜松市内西部地区の工業団地内に五年前より稼動。

札幌の白い恋人ファクトリーをモデルとして建設。年間来館者10万人を目Cimg9391_2 標としたが、年間50万人を超える来館者となっている。
夏休みに入ったためか、開館10時前に列が続き、子供会などの団体バスも到着。

入館無料。来館者にはウナギパイとストラップのセットを一本づつ提供。生地ができた後から機械による製造工程と人手による検品、機械と人手による袋詰め、箱いれ、出荷までの工程を二階フロアーから観ることができる。映像シアターで解説付のパイができるまでを見た後に、生地製造の菓子職人が登場し、観覧者が直接質問できることになっている。

当ファクトリーは、年間360日稼動。稼動時従業員数150人、一日に20万本のうなぎパイを本工場で製造。同社のうなぎパイは商標名であり、他にミニパイ、朝のお菓子スッポンパイ、昼のお菓子しらすパイがある。

Cimg9392 ファクトリーの二階には、落ち着いた雰囲気の喫茶室があり、オリジナルの甘味品を出している。
清潔感溢れる館内と実に丁寧な案内。帰り口の販売所では来館者が相当数のパイを次々と購入している。

全国的にも浜松の代名詞のように知られている「うなぎパイ」は創業120年を越える当地のお菓子商店が昭和37年から製造はじめたもの。当地浜松にこだわり市内のみ(工場・販売所11ヶ所)で製造し続けている。典型的な浜松の地元企業。地元にこだわり全国一の来館者を誇るファクトリーを営む企業精神は素晴らしい。

Cimg9397_2 静岡市では、模型の世界首都静岡 ホビーフェア がJR東静岡駅前広場で開催。ガンダムの等身大模型に炎天下にもかかわらず多くのファンが詰め掛けた。また会場内には静岡市シティプロモーションコーナーも設けられ、桜えび、お茶、マグロなどの特産物をはじめ静岡市の魅力を来場者に紹介している。
ガンダムが立つ威容な姿は、通過する新幹線の車内からも一瞬見ることができ新幹線利用客の夏休み中の話題のひとつになりそうだ。