ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

仏教伝来の道・平山郁夫と文化財保護

2011-02-01 14:55:10 | Art
オフィシャルサイトはこちらです。


《雲崗石仏》

文化財保護法制定60周年記念として、東京国立博物館の平成館にて開催。
1月31日(月曜日)は休館日ですが、この日のみの朝日新聞からの特別招待券が運良く舞い込んで、観てまいりました。
上野は快晴、大雪や噴火でお困りの方々に申し訳ないと思いつつ、きれいな冬空の下を歩きました。
噴水周辺は改修工事のため、やや遠回りして博物館へ。



まず、何気ないこの少女の絵に惹かれました。
どのような画家でも、おそらくは1度は描いたであろう子供の絵。
それに出会えることは、いつも心があたたかくなる。


《アフガニスタンの少女》


展示構成は以下のごとし。


1部  文化財の保護と継承・仏教伝来の道

1章:インド・パキスタン-マトゥラー・ガンダーラ
2章:アフガニスタン-バーミヤン
3章:中国-西域
4章:中国-敦煌
5章:中国-西安・洛陽[龍門石窟]・大同[雲崗石窟]
6章:カンボジア-アンコールワット


2部 文化財保護活動の結実 ― 「大唐西域壁画」

平山郁夫の文化遺産への旅は、玄奘三蔵の求法の旅を追体験してみようという発想からはじまり、
その過程で文化遺産の危機的な状況を目にしたため、それらの保護を願い、その思いが作画や保護支援事業へとつながっていきました。
その背景にあるものの1つには平山郁夫が被爆者であったということもありましょう。

1976年(昭和51)に薬師寺・高田好胤管主(当時)の依頼により制作が始まり、
2000年(平成12)の大晦日に薬師寺玄奘三蔵院において入魂の「開眼供養」が行われました。
中国・長安からインド・ナーランダ寺院へ至る7場面が描かれ、それらの時間は朝から夜へと移行しています。

  
《明けゆく長安大雁塔・中国》                      《ナーランダの月・インド》


今回は平山郁夫の絵画の展示数よりも多くの文化財(壁画、仏陀像、観音菩薩像、装飾品、垂幕、などなど。)が展示されていますので、
仏教の歴史とともに、平山郁夫の絵画のルーツを辿るものともなりました。