eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

老後破産の現実

2016年07月04日 | eつれづれ
老後とは、それをエンジョイできる余裕がある人には「第二の人生」でも、「破産」状態に陥った人にとっては、悪夢でしかないだろう。天地真理が味わう「老後破産」の恐怖。
人生の終章で辛酸をなめる人には、どうやら共通項があるようだ。
日本文化史を研究するイタリア人、パオロ・マッツァリーノ氏は、著書『「昔はよかった」病』(新潮新書)の中で、「昔はよかったね」と言って今を嘆き、過去を懐かしんでばかりいるのが日本の年長者の特徴だ、と看破する。しかし、「老後破産」に追い込まれてしまった人が生きている「今」は、誰がどう見ても「昔はよかった」と言うほかないものである。
そして今、「昔」の「よかった」生活から「破産」に近い状態にまで転落する人が激増している。『老後破産 長寿という悪夢』(新潮社刊)がベストセラーになり、「老後破産」の実例を報告した本誌(「週刊新潮」)34号の特集記事が話題を呼んだのも、誰もが「悪夢」にうなされかねない現実があるからだろう。
事実、「昔」のほうが、老後をすごしやすい環境が整っていたようだ。貧困者の生活相談に乗り、アパートの連帯保証人を引き受けるNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長が言う。
「私たちが収入を得る要素は、労働、資産、家族の援助、社会保障の4つ。そして国民年金は、社会保障以外の3つの要素がある前提で成り立っている制度なんです。成人するまでは親に扶養され、学校を出たら働いて貯金する。結婚して子供が生まれたら、家族を養いながらマイホームを買い、資産を作る。そして定年退職を迎えたら、貯蓄と退職金、子供たちの援助に支えられて生活する――。実際、昭和にはそうした社会モデルが一般的で、現在の社会保障制度は、こうしたモデルを前提に設計されている。国民年金も、それ1本で生活を成り立たせるための制度ではないのです」
ところが、そんな社会モデルが大きく崩れているという。大西氏が続ける。
「高度成長期には正社員が当然で、終身雇用が前提で企業福祉も充実し、妻が専業主婦でも家族を養う余裕があった。しかし、現在は非正規雇用者が労働者全体の37%を占め、彼らは給料が低いので資産を形成できず、そんな状態では結婚して家族を養うこともできない。要するに、収入の4要素のうち3つがない人が増え、昭和モデルが通用しなくなっているのです」
それでもまだ自分は正社員だから、あるいは正社員だったからと、対岸の火事の見物を決め込んでいる人が多いのではあるまいか。だが、大西氏は、
「老後破産に陥る人は、一般企業の正社員だった人も多い。それなりに恵まれた家庭環境で育ち、大学も出た人が少なくないのです」と指摘するのだ。
心身の病気、リストラ、親の介護のいずれかの理由で仕事をやめたケースが多く、リストラを機に離婚を切り出される例もあるという。彼らが追い込まれる理由を、大西氏はこう解き明かす。
「そういう人は、自分がリストラされたり熟年離婚せざるをえなくなったりしたとき、“恥”だと感じて周囲や友人に言い出せません。20代、30代ならともかく、40代や50代で今までの不自由のない生活からグレードを下げなくてはならなくなっても、周囲に同じような境遇の人はおらず、話しづらい。それを引け目に感じ、友達づきあいも減ってしまうのです。いざ転職先を見つけても、20代や30代の若者が上司ということが多く、孤立を深め、精神的に病んでしまったり、相談できないまま、間違った選択肢を選んでしまったりするのです」そうしたケースをつぶさに検証する前に、少々特殊な環境における事例を、2つばかり紹介したい。「特殊」とは言ったものの、実は、老後破産に陥る典型的なパターンを、いくつも含んでいるからである。
■浪費癖があるから
「私、20代、30代の一番仕事が忙しいころは今みたいな状態になるなんて思ってもみませんでした」
こう語るのは1970年代前半に「ひとりじゃないの」などの曲を次々とヒットさせ、スーパーアイドルとして一世を風靡した天地真理(63)。現在、川崎市の高齢者向け住宅に暮らしている。ちなみにこの住宅は、3人の入居者が次々と転落死していたことがわかった有料老人ホームと運営会社が同じだが、それはともかく、今の彼女の暮らしぶりはこうだ。
「月に家賃が14万円、食費が4万円ほどかかりますがファンクラブの方が出してくれていて、感謝の言葉しかありません。
65歳からは年金が月15万円ほどもらえるはずですが、今、蓄えはないです。渡辺音楽出版との契約で私が死ぬまで3カ月に1回、5万円が振り込まれることになっていますが、全額娘に渡していて、普段の生活に使うお金は娘が週に3回、2000円ずつ振り込んでくれて、それでなんとかやりくりしています」
かつての大スターが週に6000円でやりくりしているとは驚きだが、「それは私に浪費癖があるからです。20代のころから良い思いをたくさんしてきて今でもそのときの感覚が忘れられなくて、お金があると使っちゃうんです」
そして、デビューから今日に至るまでの経緯を、このように語った。
「19歳でデビューするとすぐブレークして月給300万円もらっていたんです。渋谷区の松濤に5LDKのマンションを6000万円で買って、ひとりで住むのが寂しくて、数年後に売っちゃいましたけど。お金は母に渡していましたが頼めば高いお洋服も買ってくれるし、外食にもよく連れていってもらっていました。それにデビュー時のマネージャーさんが“自分への投資に衣装をいっぱい買え”と言っていたので、値段を気にする習慣もなかったんですね」
だが、そんな日々は長くは続かなかった。
「25歳のとき甲状腺機能障害ということで入院して、2年間、芸能活動を休止しました。
本当は人気がなくなってきて寂しくなって、鬱病になっていたんです。1カ月入院したんですが、その間に、渡辺プロと病院の先生が話し合って、“嘘の病名を作ろう”ということにしたのが真相なんです。
復帰してからは、また月300万円もらいましたが仕事が増えず、他の事務所へと転々とするようになってからは、月に50万円くらいのお給料でした。でも、浪費癖は治らず、お金に困るようになりました。86年にはロマンポルノに出演しましたが、あれはすべてお金のため。でも、ギャラの200万円は毛皮のコートを買って、使い果たしてしまいました」
そのころ、喫茶店のマスターと結婚した。が、
「彼が住んでいた麹町のマンションで暮らし娘も生まれましたが、元亭主は仕事を全然しなくて私には暴力をふるうし娘にもつらく当たって、離婚のときに慰謝料ももらえませんでした。離婚を機に横浜市に移って、娘が専門学校に入るまで学費などで困りはしませんでしたが浪費癖は止まらなくて、30万円するサンローランの服を買ったり。お金を貯めなくちゃ、という思いはあっても、通帳にお金が残っていると使っちゃうんです。そんなだから娘ともいつも喧嘩になって、ひとり暮らしすることにしたんです」
■怖いのは病気になること
天地のケースには病気や離婚、人気低下による事実上のリストラなど、さまざまな要因が詰まっているが、こうなった最大の理由は、「ダウンサイジングすることの難しさ」
だと大西氏は指摘する。実際、ダウンサイジングは老後破産を避けるための必須事項といわれる。
「仕事のストレスを解消するために、高価な買い物に走ってしまう。それに月に300万円ももらった経験があると、浪費に歯止めがきかなくなりがちだし、周囲にも良い暮らしをしている人が多かったでしょうから、それを意識して、なかなか生活レベルを落とせなかったはずです」。

当時の面影はあるが年取った天知真理さん...ファン多く絶大なものだった...老後破産に陥ってしまったのか。以前の噂ではコツコツ貯金していて莫大な財産がある話だったが、あれはウソ800だった様だ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿