eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

比率差動継電器(87)の由縁

2022年01月30日 | eつれづれ

差動継電器と比率差動継電器の違いはネットを見ると下記の様だ。
① 差動継電器は電流の電源-負荷の差だけで検出しているが、発電機が内部で事故を生じていけば、差電流が流れOCが動作する。
差動継電器の原理より正常時は差電流が0と言うのが理想的ですが、現実には変流器CTの特性差が存在し、正常時でも差電流が流れ誤作動を生じる恐れがある。
比率差動継電器は、これを防ぐ目的です。
② 誤作動を防ぐ方策は。
変流器CTの特性差による誤差は主回路電流が小さければ小さいし、大きくなれば大きくなる事は直感でわかる。
と言うことは差動継電器では、ある設定値(感度)にしておくと、外部事故で大電流が流れた時、この設定値を超え発電機内の事故でも無いのにかかわらず動作し遮断する事になる。

 事故だから遮断しても良いと思うが、この継電器の保護範囲は電源側変流器と負荷側変流器
に挟まれた区間のみです。(間に発電機が入る)
この範囲外の事故で動作するのは誤作動となります。
と言う事で逆に設定値を大きくしてしまうと発電機内部の小さな事故では動作しない事になります。(不動作)
④ 以上により設定値(感度)を主回路電流の大きさに従って変えれば良いことになる。
主回路電流と差電流を一定の比率に従って動作させる差電流継電器を比率差動継電器(87)と言う。
⑤ 比率の定義は2種類あり主回路電流には流入電流と流出電流があるが、どちらの電流を採用するのかはメーカーも様々あり、日立は比率定義を(流入電流)-(流出電流)/(流出電流)×(100%)を採用している。
今までは変流器おなじで良い発電機回路の説明だったが、変圧器回路は一次、二次の変流器比が違うので、変流器に合わせる整定計算が必要となる。

エクセル入力では、どちらでも良いが比率定義は流出電流を基準とする。
これで特高変電所、発電機回路に付いている比率差動継電器(87G/T)の原理がわかった。
尚、現実の三相回路の変流器回路はスター、デルタ結線を採用し継電器は単相用なのでR.S.T相に個々に設置なる。
我々が保安管理している事業所は特高変電所管理など出来ないが、コアの部分を有るものを使い試験、実験していくと理論を実感出来る。
過電流継電器は差動継電器と同じ機能は先に検証確認したが、今度は逆電力継電器(RPR)も単相入力(OCRは電流タップだがRPRは電力%タップ)なので差動電流を流して確認して見る。
キリがなく検証テーマが出てくる様だが、ここまでヤルのか的、一銭にもならないボケ防止の趣味。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿