eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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無方向性SOG制御装置試験、過電流ロック蓄勢SO動作(ストレージオーバーカーレント)を確認する。

2023年03月29日 | eつれづれ

昨日は実技の無方向性SOG制御装置試験をやったが、今日は過電流ロック蓄勢SO動作の確認をする。

地絡表示はあるがOCは無いので、表示無しでPAS開放は深刻な状態となる。

これは事前に三菱より入力電圧の情報を得てやったもの。

① OC-Z2端子にDC1Vを入力(この電圧が過電流ロック350A流れた時にSOG制御装置に印加)。

過電流ロック蓄勢となりSO動作(ストレージオーバーカーレント)、P1.P2のコンセントを抜いて停電状態にすると内部リレー動作してPASトリップコイルに通電し無電圧状態でPAS開放する。

コイルは内部コンデンサの放電で1回tripさせて終わり。よってコイルはDC仕様となっている。

本日の確認はSOG制御装置内部のリレー音だけ...明日は実際のPASをトリップさせて過電流ロック蓄勢となりSO動作(ストレージオーバーカーレント)を体験してみる。

これは、事業所事故で過電流が発生した場合、供給元の電力変電所も過電流継電器(OCR)が動作して、系統付近一帯が突然、停電する事になる。

会社のパワコンデータも消え、機械は停止諸々の影響が発生する恐ろしい事になるのは理解しておく。

事故を起こした事業所の電源も当然の如く切れ、停電となりPASは無電圧を検知してSOG制御装置OC-Z2間にDC1V(過電流350A流れた例)が出ているので、停電+OCのANDにてPASを自動開放する。

これによって電力変電所は、自動的に再閉路をしても事故発生事業所のPASは開放しているので、付近一帯は数秒間程度の停電で済む事になる。

これが季節、時間帯で長時間、電力変電所が電気を送れない状態...PASが爆発して切れていない(自動開放しない)雷事故の自然災害他などは電力会社が出向き、場所特定から始まり配電線の切り離しを行い、事故ヶ所より切り離し作業を行うので一帯が長時間の停電に見舞われる。

UGS系統も開放しても事故ヶ所の切り離しをしない限り、その回線の事業所も長時間の停電となるのは必至。

自然災害は避けようも無いが、これが保安管理不備で(PASはテスト釦だけの確認)、試験器を使わず素人的な技術者?の場合は最悪となり、ヘタすると損害賠償も出てくる。

高圧気中負荷開閉器(VT.LA内蔵PAS)等のLA内蔵も直雷、誘導雷で三相短絡、爆発でアテにはならない。

地絡事故は、さほど恐ろしく無いが過電流ロックSO動作は面倒なことになる。

過電流ロックの検知方式は変流器(CT)方式と電磁石でマイクロスイッチを押す方式があるが、今は機械式のマイクロスイッチ方式が主流...。

以上、素人技術者むけのノーガキ語りデシタ。