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日本の電源構成

2014年11月23日 | eつれづれ

民主党政権時の2011年12月に政府のコスト等検証委員会がまとめた30年時点の電源別発電コストが、すでに実際とかい離しているものが目立ってきている。地球環境産業技術研究機構(RITE)による研究では、陸上風力のコストは同検証委のコスト試算から倍増に近い上昇。一方で化石燃料価格の上昇を受け、原子力と火力のコスト差は検証委の推計時より拡大し、原子力は相対的に安価で石炭火力と比べてもコスト優位性が高いことも分かった。政府は今後、電源別コストを再計算するとみられるが、今回の結果が参考になりそうだ。
RITEは研究結果の知見として、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の調達価格は「明らかに適正な利潤を大きく超えている」と指摘し、早急な見直しを求めた。
化石燃料価格の上昇や原子力安全対策費の増加傾向、FITの動向などを踏まえて推計。30年時点での電源別コストは、陸上風力以外では検証委と大きなかい離はなかった。エネルギーミックスの策定や温室効果ガス排出削減目標の検討に電源別コストは不可欠な要素で、経済産業省幹部はRITEの試算結果について「一つの参考になり得る」としている。
陸上風力の価格について、検証委は1キロワット時当たり8.8~17.3円と推計。原子力や石炭火力、LNG(液化天然ガス)火力と同等になり得るとしていたが、RITEの研究では同16.7~25.2円と大幅に上昇する可能性のあることが分かった。
陸上風力のコストがかい離している点について、RITEの秋元圭吾・システム研究グループグループリーダー・主席研究員は「(検証委は)コスト低減が進むと想定していたが、進んでいないのが一番の理由」と説明。これに対し、太陽光は一定のコスト低減が進んでいるという。
原子力の停止を他の電源で代替した際の費用についても試算。
原子力の設備費を含まない前提で、現時点では1キロワット時当たり石炭火力で4.3円、LNG火力で8.1円、陸上風力で20.8円、住宅用太陽光で33.6円、メガソーラー(大規模太陽光発電所)で31.6円の追加費用が必要になる。
設備費が含まれる30年時点では、石炭火力で1.6円、LNG火力で3.5円、陸上風力で13.6円、住宅用太陽光で8.9円、メガソーラーで10.4円の追加費用が掛かる。
検証委の試算との大きな考え方の違いは、研究開発費を加えるかどうか。検証委は導入が進んでいなかった再生可能エネには上乗せせず、原子力には加えた。「フェアな比較になっていない」(秋元氏)ため、今回RITEは研究開発費を除いて試算した。
一方、電力システム改革で生まれる競争環境下における、事業者の投資判断についても考察。発電した電力はこれまで、長期間販売できることを前提に投資回収を行っていたが、今後は不透明感が増すため短期回収が必要になる。これにより、原子力の発電単価は30年時点で同2.5円上昇する見通しとなる。
原子力は依存度低減といった政策や規制に不確実性があるため、さらに同2.8円の上昇が見込まれる。秋元氏は「政策措置によって、上昇分を回避する必要がある」と指摘。具体的には、事故時に電力会社に無過失・無限責任を課している原子力損害賠償制度の見直しや、価格予見性を高める政策の導入などを挙げている。


電力会社、今は仕方なく再生可能エネルギーを接続しているが本音は不安定極まりない、汚い電力(24時間安定しない出力、電圧、周波数)は1Wたりともイラナイ現実か??。