eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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漏電ブレーカトリップ

2013年06月17日 | eつれづれ
某、事業所より朝、出勤したら一部工場の電灯が点かない旨の電話があり。漏電ブレーカ投入出来ない話でブレーカ壊れた様だと!?。早速、予備の手持ち漏電ブレーカ3P.100Aを持参して交換する。既存の不良、漏電ブレーカと称する物は、やっぱり投入出来ない状態。

持参した漏電ブレーカ(単三、血相?保護機能なし通常のもの)を取付。

最後に念のため回路の低圧絶縁抵抗測定を実施したら中相の1回線が0MΩでダメ...疑問ながら客先には蛍光灯の安定器一部、不良かもと推定で話をしてから出入りの工事会社に点検、調査を依頼。

18日の工事業者からの点検報告は分電盤より約5mの電線管内で中相の電線亀裂、接触で漏電していた話...これは想定外、漏電ブレーカは、問題無く遮断したので絶監装置も検知出来ずシランプリ。

漏電ブレーカ感度は100mAなので計算上、この負荷電流の場合(71.66mA漏電)はトリップする事になる様だ。教訓:漏電ブレーカのレバー状態を確認するにも、朝に現場の人が何回も入り切りしているので確認出来なかったが、低圧絶縁抵抗測定を最初から、やっておけばムダな交換など不要だったが、もう既存の漏電ブレーカは不良品扱いで業者が交換して改修END、電線の漏電箇所までの長さと太さ、ED.EBの接地抵抗が定期点検のデータ等で入力すれば、計算通りのmAが出るハズである。もっとも負荷電流が、ある程度大きく流れないとB種接地還流電流は流れないので(漏洩電流)...漏電ブレーカはトリップしない。
これは、接地相も条件が整えば漏電ブレーカがトリップする例である。

因みにED.EBを下記の一般的な入力値にした場合、B種接地線還流電流は2.88mAしか流れず、漏電ブレーカは動作しない。感電防止的に考えれば接地抵抗値が低ければ良いとも限らない事になるのがエクセル計算上でも判る...通常、接地相漏電は漏電ブレーカ、漏電警報器とも動作しない。