絵手紙教室で、いろは歌の「い」で始まることばから、
「ん」で始まることわざを、毎回宿題にしてきた。
たとえば、
「い」犬も歩けば棒に当たる 「ろ」論より証拠
「は」花より団子 「に」憎まれっ子世にはばかる
「ほ」骨折り損のくたびれもうけ「へ」屁をひって尻つぼめ
「と」年寄りの冷や水。
これは江戸版で、ほかに京都版、大阪版なんてのもある~と、
教室のどなたかが調べてきて下さった。
ちなみに京都版は、
「い」一寸先は闇、「ろ」論語読みの論語知らず、
「は」針の穴から天井のぞく、「に」二階から目薬、
「ほ」仏の顔も三度、「へ」下手の長談義、
「と」豆腐に鎹(かすがい)~と、全く違う。
同じ日本でも地域によってことばも習慣も、物の考え方も違う事が
この「いろは」からもわかって、興味深い。
またそう考えると、人の価値観や感じ方はまさに無限で、
「違う」が当たり前なんだなあってつくづく思う。
世界的チェリストのヨーヨー・マが、言っていた。
「音楽は調和ではなく、協調でなければならない。」
岡本太郎もあの目力で語っていた。
「調和は妥協に過ぎない。」
辞書で調べると、
調和:矛盾や衝突などがなく、まとまっていること。
協調:利害や立場などの異なるものどうしが協力し合うこと。
私は、人と人も、たまにはぶつかったり悩んだりしながらも、
ちょっとづつ理解しあえるような、「協調」する関係がいいなぁって思う。
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