BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

シブくてハクイ

2021年05月23日 | 古本
不肖・宮嶋のこの本、数ある中でとりわけシブくてハクイ。彼の女に対する情熱と執拗さは笑うしかない。
ソバに今は亡き勝谷誠彦氏がいたとはいえ、文章もリズミカルで面白い。最近はどうしているのか、盟友が
亡くなった今、著作権だけでも食っていけるのだろうか。
「ネェちやん撮らせんかい!」というタイトルもアタシには「ネェちゃん〇らせんかい!」という風に読める。
たんなるネトウヨ的人物に非ず、瞬間の機知に富んだ行動は戦場で亡くなった数々のカメラマンとはタイプが
違う。オンナをダマスことの創意工夫がタクマシイ、オトロシイ不肖・宮嶋氏初期の作品。
 「不肖・宮嶋の ネェちゃん撮らせんかい!」 著者・写真 宮嶋 茂樹  ザ・マサダ刊 
  ( 定価1400円+税 2000年6月1日 第1刷発行 )

基本は江戸時代の浮世絵師・歌川 広重の書いた「東海道五十三次」が元になり大正・平成の多分その場所からみたで
あろう写真を添えた本だ。その変わりようはすざましい。樹木だって生え変わっているし、建物や橋は全てコンクリート
製になっている。とりわけ道の様子で昔は人馬、いまは車用だ。それでも微かな面影があると、なんだか嬉しい。
 「江戸・大正・平成 東海道五十三次 いまむかし」 編者 マール者編集部 定価1400円+税
  ( 1997年9月20日 第1刷発行 )

高校生からの自主制作からや、正統に助監督から監督へと認められた映画人の、それぞれに一筋縄では行かなかった映画監督
の話。どうしてここにあの映画監督が取り上げられていないのかという不満はあるが、まあいいだろう。懐かしい映画の話が
たくさん出ていて、自分がみた映画の青春と重ね合わせて読んでしまった。
しかしどんなに映画の中身やその時の状況はいっぱい語られるが、やはり映画機材の話は出てこない。そうかここは大部屋
俳優と同じ程度かそれ以下の意味しかないのか(笑) 意味があると思うから、映像機材博物館なんぞやっているのだが。
 「逆回転のフィルムー70年代の映画作家たち」 著者 山口 猛  東京新聞出版局 定価1500円
  ( 昭和56年9月25日 第1刷発行 )