BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

なめ茸タイトル

2019年11月15日 | 古本
芥川賞受賞で少し話題になっていたが、もう古本で読めるのは嬉しい。倉本聰さんの富良野塾を原体験とした小説。
これがフィクションでもノンフィクションでもどうでもいい。要するにきっとこんなことがあったのだろうであろう
で、何の問題も無い。読んでも読者はなんにも悩まないだろう。ただこの「しんせかい」というタイトルはいいのか
これで。なにか他に無かったのかいと思わせ、著者には新鮮な世界だったのだろうが、どうも凡庸でこちらが恥ずか
しい。同時に短編が合わせ技で付いている。タイトルは「素直に言って覚えていないのだ、あの晩、実際に自殺した
のかどうか」というタイトル。もう読む気がなくなる読者をなめ茸タイトルだ(笑)読んだけど。
 「しんせかい」 著者 山下澄人  新潮社 定価1600円+税
  ( 2017年1月30日 2刷 )

小林 紀晴さんの本は古本に出ている限り、多分全部読んだ。しかしこのシリーズも最初のが一番面白かった記憶。
なんでもそうだが、たとえば歌い手の誰でもファーストアルバムが一番いいのはなぜだろう。
「アジアン・ジャパニーズ」「アジアン・ジャパニーズ2」そしてこれが「アジアン・ジャパニーズ3」だ。
余計なお世話だが、このタイトルはもう止めた方がいいだろう。文章にも写真にもその初々しさや瑞々しいとこが
薄れてしまっている。手の内が知れ、ドキドキ感がない。そしてあまりにも生真面目でそれもいつものことだ。
どこかで驚かせて下さい、紀晴さん。藤原 新也さんくらいに。
 「ASIAN・JAPANESE3」 写真・文 小林 紀晴  情報センター出版局 定価1400円+税
  ( 2000年7月19日 第4刷 )  

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