分子栄養学講師の気ままなブログ

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ダイエットが成功しない陰に潜むインスリン抵抗性

2017年11月03日 | 身体・健康

食べていないのに痩せない人の七不思議

今日もこちらのテーマでわたしなりに迫りたいと思います(笑)

 

前回、食べていないのに痩せない人の原因…

その背景には飢餓状態とインスリンホルモンが関係している

と、書きました

 

痩せるために我慢して食事量を減らしているのに体重が全然落ちない

むしろ太った?

そんな、ダイエットがいつも成功せずに、体重は増え続ける一方

 

そんな人

 そんな人は、インスリン抵抗性を疑ってみるといいかもしれません

 

インスリン!!

この言葉はもう何度このブログで登場したことだろう…(笑)

 

ちょっとおさらいに、私たちが食事をした時のメカニズムをさくっと説明すると

 

わたしたちの身体は、炭水化物(糖質)を食べると血糖値が上がります

血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌され、それによって血糖値は緩やかに下がって、

安定した血糖値になるように常に調整されています

 

さて、

なぜインスリンが分泌されるのかと言うと…

 

それはわたしたちの生命維持のために備わっているもの!!

そう考えるといいです

 

”インスリン”と聞くと、血糖値を下げるためのホルモンと思ってしまいがちですが

(まあそうなんですけど…”血糖値を下げる”というのは後付けのようなもの?です)

 

インスリンは、身体に入ってきた、エネルギーの源となる貴重な糖を取り込み、各細胞に送り込む働きをしてくれていますが、

本来、その働きの目的は、飢餓状態に備えてのこと!!

 

このことを忘れてはいけません

 

糖はわたしたちが生きていくうえで貴重なエネルギー源ですからね

大切にとっておかなくてはならなかった…

 

人類が生き長らえるための素晴らしい機能が備わったもんだと、

感心してしまいます

 

インスリンによって全身に運ばれ取り込まれた糖は、細胞内のミトコンドリアでの代謝過程で、

生きていくために必要な生命エネルギー(ATP)を作ってくれています

 

そういった一連の糖の代謝もおいて重要な役割をしているインスリンホルモン

 

ここで思い浮かぶは、

 

①余った糖はどうなるか?

②もしもインスリンの働きが鈍ってしまったり、しっかり機能しなくなってしまった状態(インスリン抵抗性と呼ばれる)や、インスリン過剰症だったらどうなるか?

 

①については、前述の通り、

取り込まれた糖はエネルギー源となりますが、余りは肝グリコーゲンや筋グリコーゲンとして蓄えられることになります

そうして、血液中の血糖濃度が下がってきてエネルギーが不足しそうになると、そこからまずは使用されるという流れです

 

しかししかし

肝グリコーゲン・筋グリコーゲンに蓄えておける糖は、実はちょっとだけなんです

 

ちょっとしか貯蓄出来ないというのに、現代の食生活は糖質が半分以上を占める食事をしていますよね?

明らかに蓄えておける範囲を超えた量の糖が一回の食事で流れこんでくる訳です…

 

では、それ以上に溢れかえった糖はどこへいくかというと…

ズバリ!!中性脂肪へと蓄えられるそうです

 

人類の生存をかけた!!飢餓との闘いであったわたしたちの身体は、進化の過程で飢餓状態に備えて、インスリンがせっせと働くシステムが備わってくれている訳ですが

いつまでだっても飢餓状態になるどころか…糖質ばかりが送り込まれる

というのが現代人の食生活なわけです…

 

けれど、今回のテーマは食べる量を減らしているにも関わらず、痩せない!!という七不思議でしたよね

 

この仕組みから言えば、摂取する糖を抑えば、無駄に中性脂肪にはならずに痩せるはず 

 

消費カロリー>摂取カロリー=減量の図式も成立するはずですし、

活動量・運動量が多ければそれだけエネルギーも必要となるので、蓄えておいた肝グリコーゲン・筋グリコーゲンの使用に切り替わり

それでもなお足りずに、終いには中性脂肪に蓄えた分から使用せざるを得なくなる

だから痩せる

 

これは当然ですよね

 

しかし

そうは問屋が卸さん状態になってしまうのが、インスリン抵抗性や過剰症がある場合

 

乱れに乱れた食生活や生活習慣によって、自律神経が破綻している場合など、インスリンの働きが弱く鈍くなってしまうということが起きています

(インスリンの働きは自律神経によるものなので、自律神経が乱れることでインスリンの働きにも影響を与えます)

糖質ばかり食べている生活をしていると、それだけインスリンは駆使され、ヘトヘトになります

 

終いには…、

インスリンが機能しない、

インスリンの働きが弱い

インスリンが過剰に出る

インスリンが全く出ない

変なタイミングでインスリンが出る

 

そんなことが起きるのです

この状態は人によって様々で、深刻な人ほど治すのが大変です

さらに、日本人は欧米人に比べてインスリン分泌能力がもともと低いと言われているんです

ひとりひとりの遺伝子によっても違ってきます

 

①でも書いたように、インスリンの働きは飢餓状態に備えてのもの

インスリンが別名肥満ホルモンと言われる所以でもあるとわたしは思います

 

本来であれば、人類生存を懸けた大切なシステムですが

 

もし、インスリン抵抗性によって、ほんの少し食べただけでもインスリンがドバドバと分泌されているとしたら?

身体は飢餓状態に備えてとにかくため込もうと働きます

 

食事と食事の時間が空いていれば、尚更身体は貴重な糖を蓄えようと働きます

 

そんな人は、ダイエットのために食事の量を減らす!!よりも、

まずは空腹時間を作らずに、しっかりと食事を摂ることの方が重要になっていきます

 (その食事が糖中心ではもちろんだめなのは言うまでもないです

 

 ダイエットよりもまずは、インスリン抵抗性の改善が最優先ということになります

 

ダイエットのつもりで食事の量を減らしても体重が落ちない

むしろ体重が増加する

 

そんな人は、インスリンが過剰に出ている人かもしれません

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