杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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Castleman's disease (次回合同カンファの演題です!)

2006年09月30日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです
今度の10月11日の合同カンファレンスには高田先生のCastleman's disease(CD)を
出そうと思っています。これはただ一つの症例として終わらせるのではなくて
Unicentric CD, Multicentric CDの違い、これらの組織型においてPlasma cell
の関わりが臨床症状に与える影響が大きいこと、HHV-8, VEGF, CD-20, IL-6,
などのkey wordsの他にもPOEMS syndrome(Crow-Fukase disease)といったこと
まで勉強できることが大事だと思います。
さらに岡先生による病理側からのCD斬りも楽しみです。
(以前に電話で20分ほど熱いお話を伺いましたが、、)

今週のNEJMのMGH caseもCastlemanを合併したある疾患の話で勉強になります。
ここでも忘れてはいけない疾患がいくつか絡んできます。
余裕のある方はチャレンジしてみてください
添付した写真はMGH case recordsが実際にdiscussionされるカンファ室
です。MGHに行ったときに写真にとってきました。興奮しました、、
 http://content.nejm.org/cgi/content/extract/355/13/1358

以下は腎病変とCDの関係
CDが全身疾患であることをあらためて感じさせてくれます。
http://journals.elsevierhealth.com/periodicals/yajkd/search/quick

 以下はCHESTから。
http://
www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/123/1/280?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=
&andorexactfulltext=and&searchid=1&FIRSTINDEX=0&sortspec
=relevance&volume=
123&firstpage=280&resourcetype=HWCIT


入れ忘れた、、
以下は比較的まとまっていたと思います。Reviewです
Br J Haematolから、、
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=15801951&query_hl=2&itool=pubmed_DocSum

MAP輸血の投与量 partII

2006年09月23日 | Kanpo-Master の部屋
 Kanpo-Masterです
いっしーーの計算式のほかにもっと簡単な方法があります。

麻酔科か外科で昔習いました。

この場合、性別や体格は全く無視しますが、、
Hb6.5→Hb8.0にあげたい場合には、まずヘマトクリットになおします
通常はHtはHbの3倍あります(Hb10の人ならHtは30)

ですので、上記の場合
Ht19.5→Ht24に上げたいわけです。
ここでHtの引き算をする
24-19.5=4.5
そこに100をかけて(これは覚える)完成!
必要な輸血量は450mlだ、ということでMAP2単位をオーダーする。
ね、簡単でしょ!

9月21日ランチョンの答え

2006年09月22日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
いや~ん、何で誰も返答くれないのかしら??
Mr チン寂しすぎです。

上昇するHb (g/dl) = 投与するHb (g) ÷ 循環血液量
という式を使います。

ちなみに循環血液量は、一般的に70ml/kgとされています。
さて、今回のおさらい問題ですが、
MAP輸血をして上昇させたいHb量は、1.5g/dl分です。
そして症例の循環血液量は、70 x 45 = 3150ml
ですから投与すべきHb 量は
1.5 x 3150 ÷100(これはdlの単位にあわせるため)= 47.25gになります。
ちなみに皆さんが使用しているMAP2単位は、
400mlの血液由来で作られていますので、
2単位に入っているHbは、
14.0(~15.0)x 4 = 56(~60)gです。
これは、一般正常者の血液なのでHb 14.0~15.0g/dlの血液からできているためです。
問題の答えとしては、42.75g必要なので、
MAP血2単位の投与で十分、おそらく8.0g/dl以上に上昇するでしょう。
もし、2単位投与後も7.5g/dl以下のようであれば、
溶血もしくは出血している可能性を考えるべきです。

そう、もともと投与後の値が推測できれば、推定量と異なる値の場合に隠れている病態をみつけられることにもなるんです。

Drug hypersensitivity (アレルギーは難しいっす!)

2006年09月22日 | Kanpo-Master の部屋
   Kanpo-Masterです
今日の青木眞先生の講義はアレルギーと感染症の話で非常に勉強になった。
やはり結論としてはアレルギーを考えるとき、
IgE-mediateか、non IgE-mediateなのか、を分けて考えることを
再度確認できた。そして自信ないときは無理にその薬は使わなくていいのだ。
とれたてほやほやMJAからのDrug hypersensitivityについて
は以下で参照です。
 http://www.mja.com.au/public/issues/185_06_180906/thi10282_fm.html
上記文献では、Adverse drug reaction(ADR)を以下に分けます

TypeA(pharmacological):全体の80%
 
TypeB(hypersensitivity):全体の10%~15%
はimmune-mediatedな3つとNon-immune-mediatedの一つに分かれる
 IgE-mediated: immediate reactionで1時間以内
 T cell mediated (non-immediate reaction): Stevens-Johnson syndrome,TEN
 Other:Cytotoxic or immune-complex reactions

 non-allergic(non-immune-mediated)
 Radiocontrast media, aspirin, vancomycinなどの感作なしで一回でも
 起こる反応(直接肥満細胞を介する作用もあるようだが、、)

本日の青木先生のレクチャーでも話が出ていましたが、減感作は低濃度から
維持量にまでもっていくのは15分から数時間で、という記載があり、確かに
適切な治療を急ぐ感染症の場合には悠長に数日単位で減感作などという状況
はありえない気がします。また維持量を投与し続けないと、一旦これを
休薬した場合には減感作の効能は数日で消失されるようです。さらに
減感作ができる薬剤も限られておりalloprinol, ST合剤、βラクタム剤、
aspirinなどです。ACEIでは数年たってもAngioedemaなどが起こりうるという
ことも認識したほうがよさそうです。いずれにしてもこのMJAシリーズは結構
使えると思います。

MJAはシリーズになっています。
http://www.mja.com.au/public/issues/185_04_210806/dou10258_fm.html
http://www.mja.com.au/public/issues/185_05_040906/bro10212_fm.html
http://www.aafp.org/afp/20020315/tips/8.html
上記はおまけです
http://www.mayoclinicproceedings.com/Abstract.asp?AID=860&UID=&Abst=Abstract
上記はKanpo-Masterのお薦め文献の一つです

>http://www.cmaj.ca/cgi/content/full/173/11/1317?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=
dermatologic+emergencies&andorexactfulltext=and&searchid=
1&FIRSTINDEX=0&sortspec=relevance&resourcetype=HWCIT

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=11556301&query_hl=2&itool=pubmed_DocSum
青木先生もお薦めの文献だったと記憶しています。
側鎖についての理解が深まります。CAZとAztoreonamなど、、
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=
15805383&query_hl=0&itool=pubmed_docsum

これもなかなかの文献だと思います。
今日は恒例のいせやの焼き鳥も、ラーメンもおいしかった、、
レクチャーも楽しかった、Kanpo-Masterは数日、遅い夏休みを
とらせていただきます、探さないでください
そのうちmorning conferenceでアレルギーをやろうと思います。

MAP輸血の投与量

2006年09月22日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
9月21日のランチョンカンファ内容です。
赤血球は、酸素運搬に重要なのです、これ当たり前!
でもHbの低値が確認され、血液中の酸素含有量を心配しますか?

血液中の酸素含有量(ml)は、
1.34 x Hb x (SaO2/100) + 0.003 x PaO2 です。

以前の内容ですが、覚えていましたか?
この式のようにSaO2の最高値は100%ですので、PaO2は150とか200Torrなど必要なく
やたらな高酸素濃度での組織障害のみおきてしまいます。
Hbに対する係数が、PaO2に対する係数よりはるかに大きいことをみればわかるはずです。
そう、この式のように酸素を組織に供給するのに本当にHbは大切です。
これからが本日の本題です。
Hbは重要なので、もし貧血が高度であればMAP輸血を検討することになると思います。でもみなさん、必要な投与量をしっかり把握してその必要量を用意するようにしていますか?

では、おさらいの問題です。
体重45Kg の65歳、日本人女性 
慢性進行性にHb 6.5 g/dlまで低下していました。そのせいで労作時の息切れ、ふらつきがみられるようです。
あなたは、まずHb 8.0 g/dlを目標にMAP輸血を考えます。
さて、MAPを何単位用意しますか?

どしどし、復習ですのでお答えをコメントにいれて!!

青木眞先生と佐竹先生の合同レクチャー

2006年09月20日 | お知らせします
  Kanpo-Masterです

青木先生と佐竹先生との合同レクチャーが来年の2月3日と3月10日に
決定しました
抗菌薬の感受性結果の考え方の続きになります。

スケジュールをあけれる方は是非参加してくださいね。
あと9月21日は青木先生の定期レクチャーです
臨床研究棟3階会議室で夕方5時からですので
よろしくお願いいたします。



第18回morning conference 間質性肺炎 by Dr小出まん

2006年09月19日 | お知らせします
  Kanpo-Masterの弟のKanpoおじさん です
明日は満を持してこいでまん、が登場します
お題は間質性肺炎です。キラーパスが行ってしまった
こいでまん、がんばってね。

そのほか、Drイッシーが間質性肺炎総論について30分程度
レクチャーしてくれます
これを機に禁断の領域を一つ一つみんなで力を合わせて攻略していきましょう。

こいでまん、イッシー先生ありがとございました。
呼吸細気管支、終末細気管支、2次小葉、細葉などのキーワードの
理解が深まりました。by Kanpo-Master


        

まめ知識にしちゃって!きゃー3の解答

2006年09月19日 | まめ知識にしちゃって!きゃー
いや~、本当に足洗おか さんには恐れ入谷の鬼子母神です。
ちなみに毎年朝顔市が開催されるところよ!地元より、、。

そうなんです、
答えは3.心筋梗塞で死亡 のようです。

ちなみに写真は、本当の青かびが生えたフレミングのシャーレです。
ブドウ球菌の培養をしていたシャーレ内に混入した青かびpenicillium notatum のコロニーによりブドウ球菌が発育しない阻止円ができたものです。この阻止円を発見して青かびから産生される物質に注目したのがペニシリン発明のきっかけです。
あまりにも有名な話ですよね。

抗生物質という名前は、ここから来ています。
『微生物が産生する物質のうち、他の微生物の発育を阻害する化学物質』
です。だから完全に化学合成してつくられたキノロン薬は抗生物質と呼ぶのは
おかしな話なのです。
基本的なことですが、検めて記載します。

まめ知識にしちゃって! きゃー3

2006年09月18日 | まめ知識にしちゃって!きゃー
もう一丁!おたくに挑みます.
抗生物質の生みの親として,あまりにも有名な
Alexander Fleming 1881-1955
1955 3月11日に永眠されました.
では問題です.死因は何でしょうか.
1.梅毒
2.脳卒中
3.心筋梗塞
4.胃癌

このフレミングの写真はボクの小学校の理科室にも貼ってありました.
なつかしいです.

まめ知識にしちゃって! きゃー2の答え

2006年09月18日 | まめ知識にしちゃって!きゃー
きゃー2の解答です.
いや~~本当に足洗おか さん!細菌学おたくですね.
そうとう,いっちゃっていますね.
大正解 4です.
フランス人のLouis Pasteur 1822-95 さんです.
この写真より熟してからひげを生やしていました.
彼は化学者でしたがアルコールの発酵の研究(ブドウ酒,ビール酒造の改良)でも有名です.しかし彼の功績は,顕微鏡で見えた微小動物が自然発生しているという説を特殊なフラスコを使って否定したことからはじまっています.
写真がその特殊な独自で開発したフラスコです.
フラスコ内に肉汁をいれ,念入りに滅菌し観察し続けた.外からフラスコ内に雑菌が混入しない限り,微生物は発生してこないことを確証したのです.
その滅菌したままの姿で今も残されています.
ボクもどこかの博物館で実物をみました.

Cirrhosis and Chronic Liver Failure

2006年09月18日 | Kanpo-Master の部屋
  Kanpo-Masterです。ちょっと疲れが、、
先週になりますが、Cirrhosis and Chronic liver failureというお題で
2編のペーパーが出ています。パートIはあまり得るものはありませんが、
パートIIは、知識の確認に有用だと思います。
http://www.aafp.org/afp/20060901/contents.html
*腹水穿刺での鑑別診断 SAAG (serum-ascites albumin gradient)を含む
*SBP(spontaneous bacterial peritonitis)
*Hepatorenal syndrome
*Portal hypertension &variceal bleeding
 TIPS (transjugular intrahepatic portosystemic shunt)は、内視鏡下での
 bleedingのけっさつ療法よりも予後を改善するようです。さらに、
 大量の腹水穿刺+アルブミン療法よりもTIPSは予後が優っているという
 データがあるようです。ただし門脈と体循環系を直接つなぐので
 encephalopathyのリスクは上昇するようですが、、
*Liver transplantationまで載っています
MELD scoreというのがあってThree-month survival rateがおおよそ推定できる
ようです。これは肝移植を待っている人のためのscoringと思います。
TIPSのimageを貼り付けておきます


まめ知識にしちゃって! きゃーの答え

2006年09月17日 | まめ知識にしちゃって!きゃー
足洗おか さんから正解をいただきました.
このお方は,
ガリレオの望遠鏡発明に数十年遅れますが
1675年に顕微鏡を発明した
Antonie van Leeuwenboekさんです.
ちなみにこの顕微鏡は単球顕微鏡といってかなり
単純な構造でした.虫めがねの改良版という感じでしょう.
でもこれで微小動物の観察がされるようになり,その後改良され
炭疽の病原体として炭疽菌がみつかり
細菌学が発展してきたんですよね.
現在,ちょっとした図工の授業でも
レーベンフック式の顕微鏡ということでビー玉と厚紙で作成
しています.
今度,ラムネを売店で買って作りましょうか.
写真は,当時ご本人が使用していた顕微鏡です

まめ知識にしちゃって!きゃー

2006年09月17日 | まめ知識にしちゃって!きゃー
それでは,Kanpo-Masterさんのヘビーな情報でお疲れと思います.
この写真の方は誰でしょうか?

1.モーツアルト
2.レーベンフック
3.パスツール
4.ガリレオ

さあ,答えはひとつです.
コメント欲しさにクイズとしました.どしどしコメントください.
ヒントは,荒岡丸の大好きな細菌学にはものすごい重要なお方です.

今週のNEJMいろいろ

2006年09月17日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
今週のNEJMで目を引いたのは
http://content.nejm.org/cgi/content/short/355/11/1154
のEchinocandins for Candidemia in Adults without Neutropeniaでしたが、
我々の実際の臨床で使うMicafunginについての記載は少なかった。
しかしステントで使用されるsirolimusや降圧薬のnifedipineにより
21%, 18%のAUCが増加する可能性があるとのこと。
臨床的に大事だと思った点は、MicafunginはCryptococcus neoformansや
trichosporon speciesに関しては活性がないこと。
カテーテルを介した血液培養でのカンジダ陽性はcontaminationの可能性が
高いこと、カンジダはカテーテルにbiofilmを形成しやすい。
血液培養陰性のカテーテル培養陽性例は治療の対象にはならないこと
基本的な治療期間は最後の血液培養陰性確認から2週間
治療にも関わらず、カンジダが出まくっている場合には、、
カテーテル感染を疑いこれを抜去、endocarditis, septic thrombophlebitis
を考えることが大事である
一方、Candin系単剤での使用を控えるべき状況は、、
*candida endocarditis, meningitis, osteomyelitis,
endophthalmitis, and brain abscessesなどのようである
まだ治療効果が不明であるので、、
Candin系は3剤とも妊婦さんにはカテゴリーCである
といったところです。

もうひとつ、http://content.nejm.org/cgi/content/short/355/11/1161
には、MGH case recordsですが、両側腎癌の症例が出ています。
片方の腎摘出患者が、もう片方に腎癌ができた場合、どうするか?
治療することで、透析になったりQOLを落としかねない状況で
この症例が選択したのはradiofrequency ablationでした。