杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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Tumor Lysis Syndrome and Acquired Ichthyosis Occurring After Chemotherapy for Lung Adenocarcinoma.

2011年10月31日 | 本日は、、、、、、
J Clin Oncol. 2011 Oct 31. [Epub ahead of print]
Tumor Lysis Syndrome and Acquired Ichthyosis Occurring After Chemotherapy for Lung Adenocarcinoma.
Honda K, Saraya T, Tamura M, Yokoyama T, Fujiwara M, Goto H.


Kyorin University School of Medicine, Mitaka City, Tokyo, Japan.
PMID: 22042943 [PubMed - as supplied by publisher]

コソ染めです。ブログ管理人のあんずのきしめんさんの論文が出ました。あんずから世界に、、、。

あんずの呼吸を知ってもらおう

2011年10月31日 | あんずのきしめんの部屋
 
 各科の説明会のお知らせが掲示されているのをよく見かける。そんな中、近々、あんずの呼吸でも2年目レジデントに呼吸器内科を知ってもらうための食事会を開催する。次年度から仲間になってくれたらこうなれます、ああなれます、と。コソ染め太郎先生とその同僚たちが仲良くプレゼンテーションを仕込んでいた。それにしても仲がいい。だからこそ次に続く先生たちにも入ってもらいたい。

コソ染め太郎のコソ染め日誌21

2011年10月24日 | こそ染め道場
お疲れ様です。コソ染め太郎です。


今日から感染症学会の地方会in山形に行きます。
発表もします。

10分間の拷問に耐えればいいだけと自分に言い聞かせる事で何とか心の平穏を保ててますよ!



そもそも(今更ですが)皆さんは「コソ染め」という言葉をご存じでしょうか?


コソ染め[kosozome]
意味:周りの医師に気づかれずにグラム染色を行う事。ただし臨床的には主治医が決まっていない(当直帯など)患者や主治医に許可を貰って行う場合がほとんどである。
            ――コソ染め太郎著「君には検体があるじゃないか!」より抜粋



では正しい使い方をスキットで見てみましょう。





今日のコソ染めです。

とある日、救急外来に何やら感染症が来てるという噂を耳にしました。
病棟の看護師さんが救急外来からのTELを受けているのを僕は見逃しません!

要約するとカテ感染ぽい、と。



ほうほう。




……ムラムラしてきました。





加えて刺入部に浸出液がある、と。




ほうほう。




……ムラムラが止まらない!





しかも担当のDrは知り合いの先輩っぽい!




……





うん、イケる!






救急外来に直行し、先輩Drにお願いして創部こすりスワブを貰いました!

ヤターーーーー!!




そして染めたのがコレです。







バ~ン~コ!

バ~ン~コ!




VCMコールとは裏腹に、培養結果はMSSAでした。
ヨカッタ!




……




「コソ染め」の使い方がよく分かりましたね。
皆さんも日々の生活の中で「コソ染め」をしてみて下さい。


検体はいつもアナタの傍にいますよ。

水・Na代謝異常の考え方

2011年10月23日 | あんずのきしめんの部屋
 
 今回の若セミはSudo先生の話。(最近、なかなか足を運べていません・・)大船GIMや、以前はSudo先生の身体所見の話を聞きに何人かで亀井道場まで足を運んだことを思い出す。多摩感染症セミナーの抗菌薬感受性セミナーもしかり、水・電解質ネタもしかり、一度だと、わかった気にしかなっていない事が多いので、こういう繰り返し、繰り返しは重要。。「怒涛の反復」。。。時間内に若手医師にたくさん伝えようというSudo先生の熱いメッセージが伝わってくるレクチャーで良かったです

走っている

2011年10月22日 | あんずのきしめんの部屋

 先生もいるらしい。勉強会の事や、こそ染め日誌でブログが埋め尽くされているため、少し偏った印象になっているかもしれない。勉強ばっかりではなくて、朝出勤してくる前に一汗かいて、爽快な気分になっている先生もいるということで、これはきわめて健全だ。大会に出る予定があるとかないとか。

予演会

2011年10月22日 | あんずのきしめんの部屋
 
 今年は、感染症学会の地方会、肺癌学会、呼吸器学会(地方会)などを合わせていくつも演題を出しており、予演会も白熱していた。こそ染め太郎先生も、同期の2人の先生も夜遅くまで準備して、誤字脱字を指摘されたりして・・でも頑張っていた。学会前で忙しくて、こそ染め日記もなかなか更新されないかもしれないかもな・・。


食欲の秋

2011年10月15日 | あんずのきしめんの部屋

学生やレジデントは関係ない話かもしれないが、最近食事の摂取量が気になりはじめた。診療は万年研修医の姿勢で。でも体はそうはいかない。それと同時に同僚の見事な食べっぷりが自分の事のように心配になる。それにしても夜中は乾き物(パンなど)ではなくて麺類を食べたくなるのはなぜだろう。そして呼び水になってさらに食べたくなってしまうのはなぜだろう。

コソ染め太郎のコソ染め日誌20

2011年10月13日 | こそ染め道場
こんにちわ。他科をローテート中でなかなかコソ染めが出来ないコソ染め太郎です。


そうなんですよ。
まず、感染症がいないんです。
熱出さないんですよねぇ。いい事ですけど。

先日もやっと(?)感染症っぽい方がいたんです。
尿路感染ぽくて尿を採取したのに…


検体、自分用に残しておくの忘れたーーー!!



汚いもの大好きコソ染め太郎ともあろう者が…
ああ、一生の不覚。





つー事で今日のコソ染めです。


この症例はとある事情によりコソ染めしかできず、培養が提出できなかった症例です。
なので結論はないのですが、一緒に考えていただければ幸いです。


長期の入院歴があり、何度か肺炎等を起こしており主に第三世代セフェムを使っていた方です。(その際の培養検査なし)
今回は症状から明らかに院内肺炎っぽ。



そこで痰をコソ染めしてみると…





ほほう?
ほっほう?
ほほほほう?




え?グラム陰性球桿菌



え?インフル!?

院内インフル?略して院フル?



とりあえずSBT/ABPCで加療スタート。





効いとりますな~

いや~、気持ちいいほど効いとりますな~



え?やっぱ院フル
ブルナーじゃない院フル




実際に院内発症のインフルエンザ桿菌ってどんくらいあるんでしょうか?
論文探したんですが、なかなかいいのないですね。
ちなみにうちの教授がまとめている院内肺炎の分離菌の推移というグラフを見つけました。



(分離菌という事で原因菌とは限らないようです)


思った通り院フルってめちゃめちゃ少ないですよね。



僕の意見としては院フルの可能性も否定はできないとは思います。
しかし他の陰性球桿菌で肺炎を起こす菌が思い当たりません。



う~ん。コレ、何ですかね?



培養出せなかったのが痛すぎる!




※どなたか、この画像を見て何か分かる事がありましたら是非ともご教授下さい。

雰囲気

2011年10月10日 | あんずのきしめんの部屋
 レジデントからは、雰囲気がいい科ですねと言ってもらえることが多い。そろそろ後期研修でどのレジデントがどこの科を選びそうか、なんていう話題も耳にする。雰囲気で選ぶか、興味があるから選ぶか、というのは永遠のテーマに近い。(感染症に興味があって呼吸器、という声は時々聞かれる。二次小葉に興味があって・・・という人にはあまり出逢ったことはない)
 呼吸器内科だと、コソコソしてもいいし、しなくてもいいけど、日記になるくらいグラム染色ができるみたいです。

Asian Big Five

2011年10月09日 | あんずのきしめんの部屋

 以前、青木眞先生が当院でレクチャーしていただいた中の「Asian Big Five」に関連した症例を経験。その後、そのケースがきっかけで専門の先生とお話する機会があった。1つのケースを通じて基礎の話にいきなり繋がったりして・・、大学はこういう時凄い。レジデントはやや目を丸くしていた。次回遭遇する機会があればもう少しスマートに対応したい。

申し送り

2011年10月09日 | あんずのきしめんの部屋

次の科に移るにあたり、レジデントどうしで円滑に申し送りが進んでいる。朝の勉強会では、レジデント自身が実際に遭遇した事について「まとめ」をしてくれた。(ABPAのRosenbergやGreenbergerを)Kampo-master先生が絶妙にコメントしてくださるので、シーンとならずにレジデントも励みになる。という事で、上級医はしたり顔で自分が教えたい事ばかり教えるのではなくて、「ここぞ」という時にコメント出来るようでありたい・・・難しい・・けど日々精進しろということだろう・・。
 

コソ染め太郎の非コソ染め日誌6

2011年10月06日 | こそ染め道場
ちわっす!コソ染め太郎です。

少しづつ寒さが漂いはじめましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
周りでもちらほらと体調を崩す人がいますし、季節の変わり目は気をつけなきゃですよね。


僕ですか?
僕は寒いの平気なんですよ。
逆に夏はもうダメですね。暑いのは苦手です。







今、「脂肪って防寒具なんだぁ」って納得しましたよね?




違うよ!
痩せてた時から寒さには強かったんだよ!





ま、僕がフラグ立てたんですけどね。



「脂肪フラグ」を。











ええ、うまい事言ったと思いましたが、何か?






さて、今回のネタは…

セミナーで学んで役に立ったパールです。


パール①
若手医師セミナー Dr林
「正しくビビろう!ERのピットフォール!」


林先生、曰く…


紅斑+気道狭窄→ボスミンim



軽度のアナフィラキシーでSpO2が下がっていなくとも気道が閉塞すれば致死的であり、気道狭窄のサインがあればすぐにボスミンimをとの事。
(また発疹の出ない気道狭窄も注意!)




その2日後です。

当直中。
抗菌薬で紅斑が出ている患者さんの発疹が悪化しているとの事でcall!
バイタルは安定してます、と。
どれどれと診察してみると…

気道に狭窄音がしてるじゃありませんか!


もう声を荒げて叫びました。



「ボスミン筋注!」



役に立つどころか助かった…
コレ知らなかったら危なかった。




パール②
これまた若手医師セミナー Dr山中
「診断」



当直で奮闘中(ローテート中でして呼吸器内科としてではなく、某内科として)、救急外来からコンサルトがありました。
症例はこんな感じです。

転倒により左臀部~大腿が痛むとの事で受診。呼吸困難ありとの事でコンサルト。





息切れの方じゃありません。
足!足!

分かるかなぁ?


ちょっと写真の撮り方がへたくそですいません。




よく見ると左足の方が短いんです!



すなわち左大腿骨頚部骨折です。


山中先生がセミナーの時にsnap diagnosisとして紹介していた事を思い出して足を揃えてみたらホントにありましたよ!




もう勉強会、万歳!



特に研究医の方勉強が嫌いな方、勉強会がお勧めです。



何たって教科書見なくても勝手に知識が増えて行く!


口を開けていれば勝手に飯が運ばれてくるヒナ鳥のように!




「ああ、だからコイツ、ピーピー五月蠅いのか…」




なんて思われても気にしな~い!



ちなみに明日も明後日もセミナーに行きます。
両方とも感染症関係です。

あ~、呼吸器のも行かなきゃ…
感染症だけじゃいつか怒られる…

隣は大学なので

2011年10月03日 | あんずのきしめんの部屋


 5年生が6年生になり、それらしい顔つきになって勉強している姿を見かける。きけばマッチングの中間公表もされたらしい。ポリクリで担当になった学生も、「先生のおかげで呼吸器が得意科目になりました」と声をかけてくれる人はさすがにいないが、挨拶はよくしてくれる。会話の端々でもう少し勉強が必要かなと思う学生もいれば、興味をもって期待以上に勉強してくる学生や、プレゼンテーションで声が大きいのは素晴らしいけど、、などいろんな学生がいる。実に1人1人違うので考えさせられることも多い。

10月に入りました

2011年10月03日 | あんずのきしめんの部屋



学会や勉強会シーズンで準備に勤しむ先生が多いです。コソ染め太郎先生も近頃まったくコソコソしなくてなってます。先日の若セミも、すでに他の科を回られているレジデントも引き続き参加していて、逆にやる気をもらいました。(アナフィラキシーショックの話でmast cellから脱顆粒する時の様子を、愛のハリセン、林先生が何度も何度も「ゴボーッ」と表現されていましたが、まさにその声が頭に残りました・・。講義にはユーモアが必要とどこかで書かれていたのを思い出しました。)参加したレジデントも「やる気が出てきました」との感想でした。


コソ染め太郎のコソ染め日誌19

2011年10月02日 | こそ染め道場
こんにちわ。フェイスブックヨーロッパ企画にはまっているコソ染め太郎です。

フェイスブックって楽しいですね。
なんかmixiより気軽に繋がれる気がします。
そして何よりこのサイトを見て友達登録をしくてれた先生方もいて、有難い限りです。



では早速、今日のコソ染めです。

UTI、それは菌種の宝庫。
研修を始めてからこれまでお会いした起因菌を集めています。

現在8種類
E.coli
K.pneumoniae
K.oxytoca
Proteus mirubilis
Enterobactor cloacae
Pseudomonas aeruginosa
Citrobacter koseri
E.faecalis

(どっかでProvidencia見たんだけどなぁ、写真ないわぁ…)



先日、またお会いしました。
発熱+膿尿にて腎盂腎炎と診断しました。
んで尿のGram染色がコチラ↓



ほほう、汚いねぇ。



培養結果=α hemolytic Streptococciのみ



ほほう…これは…

もしや…


嫌気性菌か?



でも嫌気性菌のUTIって少ないってイメージありますが、実際はどうなんでしょう?

Journal of Urology;(2004)11,133-141に
Urinary tract and genito-urinary suppurative infections due to anaerobic bacteriaInternational
なるレビューがありました。


・嫌気性菌によるUTIはHudacによる報告では0.8%(27例/10760例)
           Finegoldによる報告では14%(14例/100例)→菌量10^3でカットオフ
           Seguraによる報告では1.3%(75例/5781例)
   →検出の仕方などの方法論を向上させる事で嫌気性菌の検出率は上がると考えられる
・嫌気性菌の多くは腸内細菌や連鎖球菌と共に感染している
・泌尿器オペで嫌気性菌のリスク上昇…Mohanty and Jollyによる報告
・経直腸的前立腺生検後の細菌尿の培養では嫌気性菌4.3%…Shivdeの報告
・外陰部や尿道に嫌気性菌が付着しているとリスク
・泌尿器科的疾患、構造異常、神経因性膀胱、DMなどでリスク上昇

みたいな事が書いてありました。(英語がツライ…ちゃんと読めてるかな…?)



こう見るとUTIの嫌気性菌は難しいですよね。
嫌気培養しないと生えてこないし、いたとしてもただの定着かも…



どちらにしても嫌気性菌の割合は低そうですね。
なんで、ただの膀胱炎だったり軽症~中等度ならファーストからのカバーはいらない気がします。





…つまりいつも通りって事ですかね。






※ちなみにヨーロッパ企画は京都を中心に活動してる劇団です。
先日、公演を見に行ってきました。みんな知らないよなぁ…