杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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Beriberi heart

2008年11月30日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。

今度米国で出版されるという本のChapter10にあたるdiagnostic clues of etiological investigations for cardiomyopathyという部分を執筆された徳田先生からpdfを頂いたので勉強してみました。主にSecondary myocardial involvementについて記載されておりInfective, Metabolic, Familial storatge disease(Glycogen storage disease, hereditary hemochromatosis, Fabry's diseaes), Nutritional Deficiency(malnutrition heart diseaes, Thiamine deficiency), Connective tissue diseases(SLE), Infiltrations and granulomas(Amyloidosis, Sarcoidosis), Neuromuscular diseases(Muscular dystrophy, Myotonic dystrophy, Friedreich's ataxia), Sensitivity and toxic reactions(Alcohol, Radiation, Drugs), Peripartum heart diseaesについて書いてあります。

特に最近大船のカンファレンスでも経験したThiamine Deficiency (beriberi heart)の記載は驚きました。経口摂取不十分な場合はもちろんのこと、利尿剤の使用がthiamineの尿中への排出に関わっているとのことです。Loop diuretic therqapy, thiamine balance and heart failure. [Congest heart Fail. 2007;13:244-7] 臨床症状はgeneralized malnutrition, peripheral neurophaty, glossitis, unexplained lactic acidosis and anemiaだそうです。さらに
high-output heart failure(wet beriberi)となる。それはthiamine pyrophosphate coenzymeの不足によりvasomotor suppressionと末梢血管抵抗の減弱が起きるためのようです。またthiamineの投与後、左室の駆出率は比較的速やかに12 to 48hrs以内に改善することもしばしばあるそうです。うーん、深い。。ほぼこの通りだった気がしますう、、。

症例から学ぶ

2008年11月29日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです
水曜日に私の尊敬する呼吸器科医の一人であるO先生がいらっしゃる神奈川の某病院に”ケースシリーズから学ぶ”と題してお話させてもらいに行きます。主に呼吸器、感染症、ほんのちょこっと漢方。過去数年間、様々な症例に出会い勉強させてもらい、そこから得た知識や経験は私の大きな財産となっています。
その内容を少しでも研修医を始めとする皆さんとshareさせて頂くことも私の喜びです。好きなようにやって良いというご指示を頂いたので出来る限りがんばろうと思います。人に話しをするということは自分の知識の確認にもなります。

本日の一例 

2008年11月29日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
今日は聖路加の原発性免疫不全症のレクチャーに行くか、普段月一回はほとんど皆勤賞である、画像の会に行くか迷ったが、画像の会に行った。
cyctic lesionが多発した気胸の既往のある30代男性。
これは比較的すぐにピンと来た。↓知っているかどうかが大事。
http://www.grandrounds-e-med.com/articles/gr070006.pdf
そのほか、パラインフルエンザウイルス肺炎のきれいな画像を見せてもらった。
勉強になった。真菌のれくちゃー付きでした。この会は昭和43年から続く東京では
ほんとにマニアな、もとい、レベルの高い会だと思う。呼吸器、感染症、放射線科、病理の先生が集まる会です。僕が最も好きな会のうちの一つです。

慈雲堂漢方勉強会

2008年11月27日 | Kanpo-Master の部屋
本日は慈雲堂漢方勉強会でした。
右にうつっておられるのは理事長先生です。漢方はじめて30年。小児科医です。桂枝加竜骨牡蛎湯で中学2年の夜尿症を直してから漢方にはまったという話をされました。僕の師匠でもあります。”あなた漢方やりなさい。やった方がいいわよ”という一言から私の漢方への道が開けたと思います。先生は本格派ですので、私のようにエキス剤だけでちょこちょことやっているのとは違います。生薬をいろいろ混ぜて煎じるのもやっています。昔は外来で鍼灸もやっていたようです。

ウマッサンッス~2

2008年11月27日 | Kanpo-Master の部屋
そう、酒といえば、Dr.Cこと知念先生です。
徳田先生とずっと大学から研修医まで同級生だったそうです。沖縄なまりを僕は見逃しませんでした。知念先生は結局、僕の沖縄関連の知り合いのほとんどの方をご存知でした。昔からの同級生が今でも医学の世界でつながっているというのはうらやましい、、関係です。

ウマッサンッス~

2008年11月27日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
昨日は聖路加の徳田先生のphysical 回診がありました。
内容はまた後日お伝えします。が、非常に勉強になったのはいうまでもありません。写真はその後の飲み会のあとです。写真右下は、チームFragileのこいでまん
です。リーダーはプロレスでもおなじみの高田総統です。(なんのこっちゃ!)

第83回日本感染症学会総会 演題登録締め切り間近です。

2008年11月25日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
さて、第83回日本感染症学会総会は演題締め切りわずかです。どしどしご応募くださいませ。会長は我々あんずのボスです。今回は”感染症教育を考える”というテーマのもと、斬新なプログラムで開催されます。招請講演には宮城征四郎先生もいらっしゃいます。感染症講座も充実(とにかくそこにいるだけで勉強になる)、教育講演には大船の須藤先生、シンポジウムでは米国以外のドイツ、イギリス、WHO,発展途上国での感染症診療も知ることができます。感染症up to dateもそこにいればスペシャリストのレクチャーを聞けます。なんとあんずの呼吸のブログつながりでグラム染色道場の管理人さんまで登場します(ひっぱりだしたのは私という説もあるとかないとか、、)。その名も”グラム染色道場”。なんだか今までにない感染症学会になるのではないかとワクワクしております。またあんずのレクチャーでもお世話になっている青木眞先生も登場します。私たち、下々の意見もかなり反映された(見たい、聞きたいという講座が多い!)内容になっていると思います。乞ご期待です!!
http://www.congre.co.jp/kansensho2009/

http://www.congre.co.jp/kansensho2009/program/index.html

第3回大船GIMカンファレンス

2008年11月22日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
あんずの4人組で大船GIMカンファレンスに参加してきました。沢山の先生方が会場ぎっしりに集まっていました。名古屋からは藤田先生らもいらしてました。症例検討はヒストリーとphysicalからできるだけ鑑別を挙げていくという方法でやります。本日はFUOできたLeukemia(ALL)の症例と慢性腎不全のある脚気心のおばあちゃんの2例でしたが、様々な症状を呈して診断に苦慮する過程を見れたというのも勉強になりました。そう、苦慮するということは必死にそのときの情報やら身体所見やらで鑑別を考えていくという作業がなされているということの裏返しであるといえます。僕も一例一例を深く考えていくことの重要性を改めて肝に銘じた次第です。須藤先生の小ネタも勉強になりました。僕が驚いたのはこれ↓
http://www3.interscience.wiley.com/journal/118865047/abstract?CRETRY=1&SRETRY=0
Skin manifestations in acute arsenic poisoning from the Wakayama curry-poisoning incident.
Br J Dermatol. 2003 Oct;149(4):757-62 PMID: 14616366
砒素中毒で有名な和歌山カレー事件で3ヶ月後に21人中17人にnail disorder(Mee's or Beau's lines )が起きていたという話が出たことです。楽しかったの一言です!!

青木先生の症例検討会 in あんず

2008年11月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
昨日は青木先生の症例検討会でした。
あんずで限られた人数だけで開催されるこの会はいつも贅沢だなあ、、と思います。ほんと。また最近はPJP(ぱじゃまパーテイー)、AP(Aoki pearl), JP(常識pearl),TP(テイアニーpearl)などいろいろな造語が出てきます。さらに青木先生はどちらかというと体調不良のときのほうが力が抜けた感じで、アメリカンジョークが冴えます。昨日もnauseaがありながらも2時間しっかりと症例検討やっていただきました。ちなみに昨日のレクチャーではAPはAP1~AP5まであり、数では駒込を抜いた、とおっしゃってました。ST合剤がカバーしない菌は?という問いがある研修医にされていましたが、自分が研修医のときに答えて”Yes!!”とほめられたことがフラッシュバックしました。そう、自分の経験上は、ほめられるということはなかなかないと思うのですが、良い記憶は自信となって残る、と思います。青木先生には最後は半夏瀉心湯と葛根等を差し上げました。nauseaが治っているといいですが、、。防衛医大や東京医大の学生さん、ドイツの留学生やら外部からの参加者もお疲れ様でした。

天才レフテイー 名波 浩 引退

2008年11月14日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。

私と同じ大学出身のサッカーの元日本代表10番の天才MF 名波選手が引退するとのことです。医学部と体育学部は時間帯は違いましたが、練習場は一緒だったのでよく練習も試合も見学していましたし、大学サッカー選手権、総理大臣杯、天皇杯など沢山の試合を応援も兼ねて見に行きました。またJ大学 vs 帝京、八千代、市立船橋、など時々試合をしていたので間近で僕はずーと、ずーと、見ていました。
名波選手はその中でも際立ってうまく、元アルゼンチン代表で、元マリノスのエースストライカーのデイアスのようにどんな状況でも左足しか使わないところがまた格好良かったです。さらにスルーパス、キラーパスはほんとにすごくて、顔の向いている方向とボールをけった方角が違っている(ロナウジーニョばり)ときなんか、しびれました。特筆すべきはいわゆる相手とボールとの間の体の入れ方のうまさ、だと思います。また足は速くなかったですが、無尽蔵の体力がありました。名波の7(ナナ)ということで大学では10番でなく7番をつけていました。僕も名波にあやかってFWでしたが医学部のサッカー部では7番をつけていました。当時は大学サッカー全盛で、田坂、服部、原田、栗原、友近、名波、上野、江原、もっと沢山沢山の人がJリーグに入っていきました。大学では体育学部のサッカー部の面々は高校サッカーで活躍していた人も多く県選抜、地区選抜などがかなりいましたが、そんな中でJリーグ入りできるのは3人から5人程度と極めて狭き門であり、スポーツで活躍できるということは、努力も必要ですが身体能力がないとだめだ、ということを痛感しました。ちなみに沢山のJリーグ入りした人(小峰、堀池、石井、鈴木、小村徳男、、思い出せない、、、)の中で、才能もそうですが、努力がすごくてJリーグ入りを勝ち得た選手はDF大嶽(フリューゲルス)ロスタイムの男、FW森下(名古屋グランパス)と聞いています。大学の寮時代に隣の部屋員だったのは高校サッカー選手権優勝時の帝京サッカー部の主将もいたりして、冬の高校サッカーをTVで見ていた僕としては感激してすぐにサインもらいました。彼もJ2のアビスパに入ったり引退後は名波選手の付き人でセリエAのベネチアに行ったりしていました。ちなみに全国からのラブレターを毎日死ぬほどもらっていた人を見たのは後にも先にも彼だけでしたが、、漫画のようなほんとの話、、、。ちなみに同部屋には漫画のスラムダンクの対戦高校のモデルになった沖縄の某高校の主将がいたりして、確かに漫画と本人がそっくり、なんです。これが、、なんだか話がとんだのでこのへんで、、卒業旅行ではトルコでストリートサッカーをやって現地人と交流を持てた@Kanpo-Masterでした。

中田英 vs 日本の至宝 名波 の昔の対決を以下でご覧ください、これぞ男!
http://jp.youtube.com/watch?v=sBeuMXR6Rpg

名波から現10番の中村へのパス
http://www.syumihouse.com/soccer/nanami/index.htm

http://www.lefty773.com/


杏林漢方勉強会 第1回を終えて

2008年11月14日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
昨日は杏林漢方勉強会の第1回が開催されまして、教室びっしりに沢山のスタッフ、研修医の先生が集まってくださいました。また生薬は補中益気湯、葛根等を
煮出したものを出してもらいました。学術の峰尾先生からは三陰三陽などとっつきにくい話題を分かりやすく、そして楽しく教えてもらい、遥か2000年前から続く漢方の奥深さを感じ思いをはせることができました。僕は葛根等、麻黄湯、麻黄附子細辛湯について簡単に触れました。漢方をやると臨床の幅が広がることは間違いありません。そして不定愁訴に耳を傾けるのが苦痛ではなくなります。だって病名が分からなくても病態を治療するんですから、、。次回は痛みと漢方、です。

C先生のレクチャー

2008年11月12日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
今日はC先生によるTHMP (Take home messege from pathology)のレクチャーが
ありました。今日のお言葉は、、
Allergy, a lethal disorder
でした。アナフィラキシーは目の前で起こった場合にはほんとにびっくりします。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/utils/fref.fcgi?PrId=3051&itool=AbstractPlus-def&uid=10823122&db=pubmed&url=http://jcp.bmj.com/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=10823122
 Postmortem findings after fatal anaphylactic reactions
[J Clin Pathol 2000;53:273-276]

C先生は病理医でもありますが、その前に内科医でもあります。また渋い焼鳥屋に連れて行ってもらおう、、、。私はC先生のおかげで病理の教室はおよそ顔パスです。そしてC先生は私のことをつかまえて時々サイロキシノスケなどと呼んで下さいますが今のところcriticalではないようです(笑)。

杏林漢方勉強会 スタート

2008年11月11日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。

あんずにて医学生、研修医、医師対象に(株)ツムラの協力のもと、漢方勉強会がスタートします。ツムラの学術の先生の生薬の話のあと、臨床経験は主に私を含めて3人の医師が交代で話していく内容になっています。一応僕も漢方好きの一人として”効いて患者も自分もびっくりした”をテーマにやっていこうと思います。
第一回のテーマは感冒と漢方です。11月13日、夕方6時半スタート。

横浜中華街の門は、玄武、朱雀、白虎、青竜でそれぞれ守られているそうです。
中国は北京オリンピックの建物も気学に基づいて立てたということです。政府は表向きは否定しているようですが、、
漢方も北の方角の寒いところは玄武(附子)であたため、西の砂漠の暑いところは
白虎(石膏)で冷やすとか、いろいろ意味があるそうです。急性湿疹など熱を持った皮膚病変のときは白虎加人参湯なども私は処方します。皮膚科医はさらにこれに石膏を加えてアトピーの急性期に出すこともあるそうです。

あんずにて

2008年11月07日 | Kanpo-Master の部屋
kanpo-Masterです。
さて、本日は三多摩の地域の病院が集まって呼吸器カンファレンスがありました。
複十字病院、東京病院、府中病院、公立昭和病院、あんず大学が集まりました。

症例はvariationがあって勉強になりました。
ABPAの一例(画像がNSIP, OP様の部分もありましたが、、)
Cavitary lesionを呈したウェステルマン、宮崎肺吸虫の肺病変の症例
TBによる急速な呼吸不全を呈した症例→結核の奥深さを学びました。
BALTomaの一例

カンファ前に行った様々な疾患のreview:20症例について(3人で外来にてこじんまりと開催)どれもなかなかの症例でした。呼吸器科は感染症、膠原病、血液疾患も含め全身疾患と関わる分野が多く、びまん性肺疾患などは鑑別を挙げていく際にはまさになんでもありの世界で、これを勉強することは内科の王道そのものだと思います。そんな魅力に気づいたのも最近のような気もしますが、、。