杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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微量の酸素って,,,,

2007年06月17日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
こんにちは,先週のランチョン内容です.足洗おかさん!見てるかな.

充分に酸素療法を理解されている人はいいのですが,
例えば酸素投与指示に0.2L/minのような内容みたことありますね.
実際に鼻カヌラでその量をつけても何も感じないし音もよくわからない程度です.
そんな微量でどの程度影響する,って疑問にもったことありませんか.
 疑問にもってくれたらうれしいです.

さて脊椎カリエスによる慢性呼吸不全の患者さん
室内気での動脈血液ガスpH 7.38, PaO2 40, PaCO2 60 でした.
鼻カヌラでの酸素濃度は教科書では
1L/min 24%, 2L/min 28%と記載あります.
上記の症例では
0.2L/min吸入で動脈血液ガスは
pH 7.37 PaO2 65 PaCO2 56 でした.
この微量酸素吸入ではどのくらいの酸素濃度になっているでしょう.
教科書の記載とおりでしょうか
さあ,答えをおまちしておりま,,,,,,す.

以前の過去問にも書いてある内容ですが,視点をかえてもおもしろいでしょ

血液ガス問題の答えです

2006年12月08日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
あまりにも常識、当たり前だったでしょうか?
答えがなく、さびしい
さて、解答です。
ガス交換の障害として、必ずAaDO2を計算しましょう!という問題です。
パッとPaO2,PaCO2,Phしか見ていない!!という人、
しっかりいつでもAaDO2を計算する癖をつけてね。

まず肺炎診断時のAaDO2は
(760-47)x0.21-55-(32/0.8)なので、55です。
翌日は鼻カヌラ2L/min吸入なので、FiO2 0.28と計算します。
AaDO2= (760-47)x0.28-70-(40/0.8)なので、80です。
そう、
翌日にガス交換障害は悪化しています。 というのが正解です。
AaDO2の計算式が曖昧な人、確認しておいてください。

写真の魚は、New Yorkでは butter fish、日本では えぼ鯛です。

ちゃんと診てね! 測定した血液ガスを。。

2006年12月06日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
ワンバンコ!
ってふるいね~~~和田チン。

さて先週のランチョン過去問です。
みなさん、測定した血液ガスをしっかり診ていますか?
ただPaO2は、とかPaCO2は、とかでは見ただけです。
診ているとは言えません。

問題です。
肺炎診断時の血液ガス(室内気)
PaO2 55Torr, PaCO2 32Torrでした。
翌日の血液ガス(鼻カヌラ2L/min)
PaO2 70Torr, PaCO2 40Torrでした。

さてこの症例では、
呼吸不全は改善?悪化?不変?
どうでしょう??

メイロンについての解答

2006年11月21日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
いや~~足洗おかさん、正解です。
そう!メイロンは重炭酸ソーダです。
NaHCO3なので、重炭酸イオンと同時にナトリウムイオンも投与されてしまいます。
7%メイロン20mlには、重炭酸イオンは1.4g含有されます。
ですからNaイオンは、この1アンプル中に1.4x17=23.8mEq入っています。
だから250mlのメイロンだとナトリウム297.5mEq入ってしまいます。
ということで、Na負荷がおきることを知っておいてね。

蘇生時のメイロン使用は、投与のタイミングはあると思います。

で、打ちに行った結果、ファールチップでした。
打球は真下に行っています。

メイロンについて

2006年11月19日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
さて,3週間ぶりに先週ワンポイントセミナーをやりました.
使用機会は少ないですが,知識としては重要なことです.
メイロンを使用するとき,必要量をしっかり考えていると思います.
B.Eから不足している重炭酸イオン量を出します.
体重X(24-重炭酸イオン濃度)X0.5 単位はmEq
通常は7%メイロンを使用しますから
20mlのメイロンなら重炭酸イオンは1.4g,つまり17mEq入っています.
250mlのメイロンなら210mEq入り
ここで,重要なのが
不足量にかかわらず,どしどし投与してしまって悪いのはアルカローシスになってしまうからですが,他にも問題が生じます.
それは何? というのが質問です.

バッター打ちに行ったぞ! さあどうなる?
あらおか丸の結果、乞う御期待!

死腔換気量を考えましょう

2006年10月08日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
Loveチンさん、大正解です。
つまりガス交換するためには上気道、下気道を通して換気することができています。しかしこの気道内での換気は、肺胞換気量としては有効ではありません。
これを死腔換気量と呼びます。
一般には人体内の解剖では、150mlの死腔換気量が存在するといわれています。
ですので、質問のどちらも分時換気量は同じですが、
死腔換気量を考えると実際の換気される量はLoveチンさんの教えてくれたようにかなり差があることになります。
TV 450ml RR 20/min
この場合の有効な肺胞換気量は死腔換気量を減らした
(450-150) x 20 = 6L/min

TV 300ml RR 30/minの場合は
(300-150) x 30 = 4.5L/min

つまり肺胞での有効な分時換気量は
1.5L/minも違うことになります。
もし、PaCO2の蓄積でアシドーシスの改善を要する場合は
是非、設定の変更時に死腔という考えをもってください。
ちなみに人工呼吸器管理でも150-200ml程度の死腔と考えてください。


換気量の設定は?

2006年10月08日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
いや~、今週のランチョンも時間がなくなりワンポイントセミナーが中止となってしまいました。そこで、以前の分を投稿します。
2型呼吸不全の症例に対し、人工呼吸器管理の設定を変更しようとしています。
どちらの設定の方が、肺胞換気量をふやせますか?

1)TV 450ml, RR 20/min
2)TV 300ml, RR 30/min
どちらも分時換気量は、6L/min です。
理由をわかっているかが、重要です。

酸素ボンベの残量、の答え

2006年10月06日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
みんな、あまりにも常識的と思っているのであればいいです。

通常酸素ボンベについている圧力計はボンベ満タンで150 kg/cm2を指します。
今回の問題は30弱の目盛りを指していました。
つまり酸素ボンベの30/150=約20%弱の残量となります。
今回使用されている酸素ボンベは1本500Lですので
500Lの約20%なので、100Lの酸素ボンベ残量となります。
ここまで理解しましたね。
で、問題は5L/minの酸素を使用するので
100L÷5L=20 minとなります。
つまり予定では、15~20分程度酸素がでることになります。
実際には、このくらいの残量でしたら
5分、10分使用といっても恐いので使用しないと思います。

今回は基本的な残量計算の式を覚えてもらいたい、確認してもらいたいと思います。
酸素ボンベをみたら、いつも残量と使用可能時間を考えてみてね!

酸素ボンベの残量をきちんと考えて!

2006年10月03日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
いや~久しぶりの投稿です。
先週は時間の関係でランチョンセミナーはできず弁当を食べただけでした。
ですので、常識の確認をします。
使用中の酸素ボンベの残量を理解していますか?
なんとなくこのボンベで酸素足りるかな!?と思わないでください。
結構、知らない人が多いのでびっくりする事が多いです。
では、問題です。
この写真は、病棟で最も使用される500L入りの酸素ボンベです。
この目盛が示されていますが、
酸素を5L/min使用している場合、どのくらいの時間使用可能でしょうか?
写真をクリックすると拡大されますよ!
何分? 何時間? 答えをコメントに入れてね。
そうそう、懸賞を出せというのですが、
う~~ん、Mr チンの研修医時代の写真ってどうよ。

9月21日ランチョンの答え

2006年09月22日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
いや~ん、何で誰も返答くれないのかしら??
Mr チン寂しすぎです。

上昇するHb (g/dl) = 投与するHb (g) ÷ 循環血液量
という式を使います。

ちなみに循環血液量は、一般的に70ml/kgとされています。
さて、今回のおさらい問題ですが、
MAP輸血をして上昇させたいHb量は、1.5g/dl分です。
そして症例の循環血液量は、70 x 45 = 3150ml
ですから投与すべきHb 量は
1.5 x 3150 ÷100(これはdlの単位にあわせるため)= 47.25gになります。
ちなみに皆さんが使用しているMAP2単位は、
400mlの血液由来で作られていますので、
2単位に入っているHbは、
14.0(~15.0)x 4 = 56(~60)gです。
これは、一般正常者の血液なのでHb 14.0~15.0g/dlの血液からできているためです。
問題の答えとしては、42.75g必要なので、
MAP血2単位の投与で十分、おそらく8.0g/dl以上に上昇するでしょう。
もし、2単位投与後も7.5g/dl以下のようであれば、
溶血もしくは出血している可能性を考えるべきです。

そう、もともと投与後の値が推測できれば、推定量と異なる値の場合に隠れている病態をみつけられることにもなるんです。

MAP輸血の投与量

2006年09月22日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
9月21日のランチョンカンファ内容です。
赤血球は、酸素運搬に重要なのです、これ当たり前!
でもHbの低値が確認され、血液中の酸素含有量を心配しますか?

血液中の酸素含有量(ml)は、
1.34 x Hb x (SaO2/100) + 0.003 x PaO2 です。

以前の内容ですが、覚えていましたか?
この式のようにSaO2の最高値は100%ですので、PaO2は150とか200Torrなど必要なく
やたらな高酸素濃度での組織障害のみおきてしまいます。
Hbに対する係数が、PaO2に対する係数よりはるかに大きいことをみればわかるはずです。
そう、この式のように酸素を組織に供給するのに本当にHbは大切です。
これからが本日の本題です。
Hbは重要なので、もし貧血が高度であればMAP輸血を検討することになると思います。でもみなさん、必要な投与量をしっかり把握してその必要量を用意するようにしていますか?

では、おさらいの問題です。
体重45Kg の65歳、日本人女性 
慢性進行性にHb 6.5 g/dlまで低下していました。そのせいで労作時の息切れ、ふらつきがみられるようです。
あなたは、まずHb 8.0 g/dlを目標にMAP輸血を考えます。
さて、MAPを何単位用意しますか?

どしどし、復習ですのでお答えをコメントにいれて!!

解答でーす.

2006年09月17日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
さて,質問の解答です.
鼻カニューラ2L/minの酸素流量でした.ここで重要なのは呼吸とは吸気と呼気があることです.吸気:呼気を計算しやすいように1:1としましょう.すると鼻カニューラで吸入している100%酸素は吸気のみ吸入されるので鼻カニューラから1L/minの100%が吸入されることになります.
上記の内容が理解できますね.

次に分時換気量が4L/minの症例と7L/minの症例との比較でした.
分時換気量が4L/minの症例では
鼻カニューラから1L/minの100%酸素と
大気から3L/minの21%酸素が吸入された事になります.
ですから吸入酸素濃度は
1.0x1 + 0.21x3 = A x 4 という式になり,Aを求めることになります.
答えは40.8%になります.
同様に分時換気量7L/minの症例で考えると
1.0x1 + 0.21x6 = B x 7となり,Bを求めることになります.
答えは32.2%になります.

結果より分時換気量が減少していると同じ酸素流量でも
吸入酸素濃度は高くなってしまいます.
つまり,大切なことは
換気量
酸素流量
吸気:呼気
の3因子が酸素吸入濃度に影響するということです.

ちなみに実際には吸気:呼気は1:2なので計算は面倒ですが
ちゃんとやると鼻カニューラ2L/minの酸素流量で分時換気量6L/min
あれば酸素吸入濃度は28%になりますよ.

今週のランチョンは、

2006年09月15日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
さて今週のランチョンカンファレンスのテーマですが、
吸入酸素濃度についてでした。
臨床的に低酸素血症の状況に対し、最も頻繁に使用されるのは
鼻カニューラでしょう。
一般的に
酸素吸入量1L/minでFiO2(酸素吸入濃度)24%
      2L/min           28%
      3L/min           32%
とされています。
これは、どのような計算で考えられているのでしょうか?という話でした。

まあ、年に1回ずつ話しているので、スタッフは3回聞いた人もいるでしょう。
この内容を理解していないと以下の意味がわからないと思います。
初めての方は考えてみてください。
鼻カニューラで酸素2L/min吸入する場合、
分時換気量4L/minの人と7L/minの人では、
吸入酸素濃度(FiO2)がどのくらいちがうでしょうか?もしくは変わらない?
コメントお待ちしております。
もちろん吸気:呼気(I:E比)は両者とも同じと仮定してください。

コメントが数件きてから、解答をだしますね。よろしゅうお願いします。