杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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NSAIDS & Risk of myocardial infarction

2007年02月27日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

久しぶりに日曜日は一日漢方の勉強会に参加してきました。
講師の先生はまず西洋学のclinical evidenceをざっと挙げてから
レクチャーしてくれる、しかも外科の先生だった。

OA患者のNSAIDSもやみくもに投与するのはまずいかも、、
と思わされた文献は以下で、cox-2 inhibitorだろうがnon-selectiveだろうが
長期間内服(3ヶ月くらい)すると
MIのリスクを上げる可能性がある、という認識は持っておいたほうが
いいかも知れない。

 http://www.bmj.com/cgi/content/full/330/7504/1366?maxtoshow=&HITS=10&hits=
10&RESULTFORMAT=&fulltext=
NSAIDS+and+myocardial+infarction&searchid=
1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT

DesignはNested case-control studyで
9218人のMIを初めて発症した患者に対して
86349人というage, calendear year, sex, practiceを
マッチさせたcontrolとの比較。
statin, tricyclic antidepressant, SSRI, Ischemic heart diseaes,
HT, OA, RA, smoking, obesity, deprivationなどをadjustしたodds ratio
は...
Celecoxib 1.21→確か発売中止になった、、
Rofecoxib 1.32
Other selective NSAIDS 1.27
Ibuprofen 1.24
Diclofenac 1.55
Naproxen 1.27
Other non-selective NSAIDS 1.21

NSAIDSでは種類を問わずMIのリスクが上がると考えていた方が
良いかも、、



Syphilis by BMJ

2007年02月27日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

http://www.bmj.com/cgi/search?fulltext=syphilis
先日の外来中にJ先生も見ていたがHIVではsyphilisの患者さんも多い。
Congenital syphilisのくだりは1/3ルールだと思った。
梅毒の妊婦さんは胎盤を介して胎児に感染する。1/3が感染して生まれ、
1/3が感染せずに生まれ、1/3が死産、流産の経過をたどる、、
あと、昔どうしてearly latentとlate latentに分けるのか疑問だった時が
あったがここにも理由がきちんと書いてあった。
Seconday syphilisの症状を再発することがあるのがearly latentである。
late latentでは通常はsecondary syphilisの症状の再燃はないとされている。

Azithomycin 2gの1回投与もearly syphilisにはbenzathine benicillinと
同等の効果を示すという報告もあるが[NEJM 2005;353:1236-44]、
これは耐性のリスクもあるということも述べられている。
J先生もDoxyを選択していたが、渋い薬の一つだ、、。



花粉症 慈雲堂内科病院漢方勉強会第102回

2007年02月24日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
昨日は漢方勉強会、、毎日忙しい、、
お題は花粉症と漢方だった。
第2世代の抗ヒスタミン剤など、ずらずらあってもどれが効くのか
さっぱり分からないが、漢方は表裏、寒熱、虚実、気血水などいろいろ
みながら考えて出せるところが好きだ。眠くならないのもいい。
もちろん西洋薬との併用や点鼻、点眼との併用も構わない

小青竜湯を煮出したものを飲みながら、、、
花粉症一つとってもいろいろ薬がある。
小青竜湯、(まずはこれから、、)
当帰芍薬散(血虚、水毒がある場合)
麻黄附子細辛湯(冷えが強い場合)
苓甘姜味辛夏仁湯(胃腸障害が起きる場合)

さらに水毒の徴候を持つアレルギー性鼻炎の場合、
目の痒みが強い場合:越婢加朮湯
鼻閉の場合:葛根湯加川きゅう辛夷などなど
胃腸障害:苓甘姜味辛夏仁湯
などなど、、
そういえば今日の初診でShizoの人が来たのだが、
胸脇苦満はものすごかった。固くて指が入らなかった。
もっともっといろんなことが知りたい、、修行の道は続く、、


今週の三菱ウエルファーマー Sarcoidosis I

2007年02月24日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
今日は3つの演題の検討だったが、その一つに神奈川の小倉先生が
出されていたサルコイドーシスの症例が面白かった。
肉芽腫性疾患が出たら何を考えるか?がテーマだったが、
ヒストリー、画像からはChronic HP, Sarcoidosis, リンパ増殖性疾患
が疑われる症例だった。
画像上は牽引性の気管支拡張像や肺の縮みがなく呼吸機能も良好で
Chronic HP、IIPs,は考えにくい、という意見もあったようだ。
以前、担当した米国人の女性とあまりにも似ている画像だったので
サルコイドーシスだ、とすぐ思った。いっしーも同様の意見だった。
塊状の陰影、広義間質の肥厚、胸膜の粒状の陰影、bronchovascular bundlesの
肥厚、さまざまな画像が混在していた。塊状を呈するサルコイドーシスは
サルのreviewを見ていると時々出てくるが、日本人はこのパターンは
すごく少ないと思う。昭和43年からこの会に参加している某先生も
おっしゃっていた。以前僕が担当したサルの画像です。

IIAs:Infectious intracranial aneurysms 

2007年02月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

以下のブランチ先生の症例はGroup A SterptococcusによるIEの症例だったが
afのためアスピリンとワーファリンを内服したいたので、これを中止とし
MRI(MRA)をしてmycotic aneurysmの検索をしたようだ。
http://sogonaika.blogspot.com/2007/02/this-is-another-great-case-that-has.html
ちょっと気になったのでpubmedでIEとCerebral mycotic aneurysm、
Review,Englishで検索してみると37件ヒットした。
一番よさそうだった以下のLancet Infec Dis 2006;6:742-48
"A dangerous dilemma: management of infectious intracranial aneurysms
complicating endocarditis"をざっと読んでみると、、
 http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1473-3099(06)70631-4
Mycotic aneurysmと呼ばれていた概念は、最近ではIIAsなどと
呼ぶこともあるようだ。
PathogenはViridans group streptococci, Staphylococcus aureusがIIAsの全体
の75%-91%を占め、CNS, enterococci, beta-hemolytic streptococci、
HACEK, その他のGNR, fungiがある。
抗菌薬単独治療で消失してしまうaneurysmもあるようだが、中には
稀であるがruptureしてしまうこともある。
あるsmall studyではIEの治療中での、aneurysmのruptureによる出血は抗菌薬で
治療後平均23日(5日~35日)でおきるというものもあった
[J Neurosurg 1980;53:633-41]

不思議なことにaneurysmはMCA領域のdistalに多いという記載がある。
IIAの頻度はIEの2-4%程度という報告もあり出血のリスクもあるので
合併症として頭の片隅に入れておく必要があると感じた、、
いずれにしてもIIAsは合併してしまったら治療をする、しないも含めて、
また治療するなら手術での切除、clipping、血管内手術などいろいろと
ありどれを選択するかもneurosurgeonの技量次第か、、



Necrotizing Soft-Tissue Infection (NSTI)

2007年02月19日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

以下のClin Infec Disの最近のarticleは少しそそった。
http://www.journals.uchicago.edu/CID/journal/issues/v44n5/40349/brief/40349.abstract.html

結局は臨床的に疑わなければ、以下のscoringを行うこともないのだが、、
なかでもnecrotizingかnon-necrotizingかの鑑別をlabodataで行った
studyがtabel1で引用されていた。Wong CH et al, [CCM 2004;32:1535-41]
CRP, WBC count, Hemoblobin level, Sodium level, Creatinine level,
Glucose levelでのscoringで0-13点となる。
5点以下はlow risk, 6-7点はintermediate, 8点以上はHigh riskで
NSTIのprobabilityは75%以上となるようだ。

Lung Cancer少しだけ、、

2007年02月19日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

レジデントの先生向けの記事が出ていた。呼吸器専門の先生には
物足りないと思われるが、、
 http://www.aafp.org/afp/20070101/56.html

以下とあわせて読むといいかもしれない。
 http://content.nejm.org/cgi/search?volume=350&firstpage=379&sendit=GO

一般内科の外来で病棟からの大量の片側胸水のコンサルトされたケースは、
以下のBMJと全く同様のケースであった。
http://www.bmj.com/cgi/content/extract/334/7586/206?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=1&andorexacttitle=
and&andorexacttitleabs=and&andorexactfulltext=
and&searchid=1&FIRSTINDEX=0&sortspec=
relevance&volume=334&firstpage=206&resourcetype=HWCIT

この症例は日本にはないTalcで胸膜癒着をしていた。

カッパドキア

2007年02月18日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
そういえば、今日テレビでトルコのカッパドキアが
出ていた。→写真。
ここは卒業旅行で行った思い出の地だ。
なぜか非常に懐かしく感じた。

先日のテレビで1890年に日本で沈没した
トルコの軍艦エルトウールル号の船員を日本人が尽力して助けた
話が出ていた。湾岸戦争のときイラクに取り残された日本人を
危険をおかして救出に向かったのがトルコ政府の飛行機だったのは
このような歴史的背景が美談としてトルコの教科書
にも出ていて、語り継がれていることも影響していたようだ。
旅行していて感じたのはトルコ人は非常に親日家が多いのだ。
タマーム(こんにちは)と、どこに行っても話かけてきた。
Barではホモのおじさんに襲われそうになったが、、

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AB%E5%8F%B7%E9%81%AD%E9%9B%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6




Common Oral Lesions

2007年02月16日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです   
Aphthous ulcerをmorning conferenceでやり損ねているうちに
以下が出ていた。
 http://www.aafp.org/afp/20070215/501.html
 http://www.aafp.org/afp/20070215/509.html
ざっと読んでみたが、partIIの方は,口腔内の隆起物が
悪性かどうかの鑑別は難しいと思った
leukoplakiaさえも僕にはわかるだろうか、、ちょっと不安。





Pott's disease

2007年02月16日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
そういえば、先月の三菱ウエルファーマーでは呼吸器関係では珍しく
肺病変ではなく、胸腰椎のMRIが話のタネに出されていた。
6ヶ月の経過でbackpainが主訴の若い男性の症例だった。
3~4椎体分、椎体の前面に連なる病変でdiskよりもvertebral bodyを
主にoccupyしているように見える画像であった。
僕自身はmyeloma、lymphoma,shwanoma,cancerのmeta
などいろいろ鑑別にあげていた
のだが、僕の真後ろの席に座った時には
こそこそといろいろと教えてくださる
radiologistの酒井文和先生は、この椎体の前面に連なる画像
からPott's diseaseを鑑別に挙げていた。ただ酒井先生はこの時間経過
がTBで合うかどうか、を気にされていた。
1779年にPercival Pottさんが報告したのが最初だそうだ。

この症例から僕が得たもの、、適当に選んだpaperでも書いてあった、、
http://www.ccjm.org/PDFFILES/McClain704.pdf
 http://www.ajronline.org/cgi/content/abstract/164/3/659

■In contrast to pyogenic infection, tuberculous infecton may spare
the disc space entirely in up to 50% of cases, producing central body
involvement that is difficult to distinguish a tumor.

感染だからdiscitisからvertebral bodyへと必ず広がるパターンを
とるわけではない。

■Fluctuance, redness, or focal heat are rare, as the spinal
infection typically involves the anterior column of the spine.
椎体の前面に来ることありそう、、

■経過はゆっくりで全然OK,骨に対しては、
通常は肺病変や尿路系からのhematological spread
である。


ツムラ漢方調剤セミナー

2007年02月12日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです 
3月3日に私はツムラでお話することになりました。
漢方に出会い、私の診療スタイルも大きく変わりました。
不定愁訴に一応耳を傾ける、ふたをしない、全身症状の一表現として
諸臓器の障害が起きている可能性、を考えるようになりました。
お題は、「外来でよく診る患者さんの疾患別(西洋医学的)アプローチ」
    慢性咳嗽、感染後咳嗽、喘息、肺炎、下痢、アレルギーなどなど
    「私の好きな漢方処方」
3月3日
ツムラ株式会社本社1階ホール
最寄り駅、JR市ヶ谷駅、四ツ谷駅下車、徒歩7~8分
地下鉄有楽町線、麹町駅下車、徒歩2分
時間 15時30分~16時30分の1時間です。
基本的には薬剤師さん100人くらいが相手のお話なのですが、固い話は抜きで特に
僕が感動した漢方著効例なども、混ぜて好き放題?やっちゃおうと思っています。
話を聞きたいという奇特な方がいれば、きてください。
そういえば、私が外来をやっている病院はshizoのヒトが多いですが、
腹診は胸脇苦満が確実にあります。

14時30分-15時20分は、学術の峯尾先生の生薬のお話
18:20-18:30は「知っておきたい糖尿病の最近の知見」
「漢方治療における偽アルドステロン症、アレルギー反応をどう考えるか」
田代 眞一先生(昭和薬科大学病態科学教室教授)

アカデミックカレンダー 

2007年02月11日 | 本日は、、、、、、
wawaさんから以下のお知らせ、、

2月
 10日 Dr Branch講演会 (18:30より、武蔵境駅前スウィングホールにて)
 14日 医局総会
     病棟カンファレンス+抄読会(和田)
 16日 東京喀痰研究会(和田出席予定)
 17日 呼吸器学会関東地方会 青島先生御講演(可能な限り全員出席してくださ
い)
     ALI研究会(一部和田出席予定)
 19日 剖検カンファレンス(発表者: )
 21日 病棟カンファレンス+抄読会(  )
 22日 ERS締め切り(倉井・皿谷・和田??)
 24日 OSCE(和田・皿谷)
 28日 病棟カンファレンス+抄読会(  )
 
3月
 10日 青木先生と佐竹先生のご講演会
 28日 岡先生とのCPC


B級グルメ ラーメン道は続く、、

2007年02月11日 | Kanpo-Master の部屋
今日もレクチャー後はめんぞうに行ってしまった。
食べ終わったら夜中の12時だった。
実は昼にDrいっしーと、一園でしなちくラーメンと餃子
を食べていた私は、
またコレステロールがあがったかも知れない、、
吉祥寺にはまだ試してないラーメン屋が結構ありそうだ。
http://blog.kichimani.com/?cid=16775
写真は”しょうせいりゅうとう~”と、小青竜湯の正式名称を
言うことができる私Kanpo-Masterの娘の朝のひとコマです。
かぜひくと、かんぽーは?と言います。

ブランチ先生のレクチャーを終えて

2007年02月11日 | 本日は、、、、、、
Kanpo-Masterです   
ブランチ先生のレクチャーを終えて、分かったことは、
やはり専門医である前に一般内科医であるべきだ、という
こと。さらにDDXが挙げられなければ、history takingもおぼつかない
だろう、ということだった。
PEの症例であったが、やはり画像上は肺炎像はたいしたことないが、
低酸素が著明であった点はまず臨床医が感じるべきポイントではないか
と思った。ECGでの右室負荷の所見はCOPD患者では良く見られるし、
S1Q3T3も非特異的な所見であるため診断は困難なこともあると思う。
Herical CTでは亜区域枝レベルまでの血栓しか同定できないことも
診断を難しくさせていると思う。
Medical Sieve ブランチ先生の場合はDIETING HIMだそうです。
D:Drugs
I:Infection
E:Endocrine
T:Trauma
I:Inflammatory
N:Neoplasm
G:Granulomatous
H:Hematovascular
I:Immunological
M:Metabolic

Congenital/Degenerative

今日は普段、パソコンでやりとりしている先生がいらっしゃっていた。
神奈川呼吸器循環器病センターの小倉先生、UCLAの松永先生(静岡からの参加
をありがとうございました)、武蔵野日赤の本郷先生などなど、、
みなさん英語が上手だった、当たり前か、、
あんず医局からは、後藤教授、高田総統、直前に吉牛していた三倉先生、
大腰先生、浜野先生、和田先生、私Kanpo-Masterなどが参加。
河北病院の橋本先生以下、レジデントのみなさんもいつもお世話になってます。
参加をありがとうございました。そのうち杏林からも奇襲をかけます(笑)
special guestの青木先生は相変わらず話が面白かった。